そういえば、アラビア語

2015-03-04 00:00:44 | 市民A
ずっとずっとずっと昔のことなのだが、アラビア語を数年間勉強していたことがある。実家の片付けをしているうちにテキスト発見。テキストに細かく日本語や英語の書き込みが残っている。なにしろ辞書がアラ英辞典だった。

iyokan1


なにしろ難しい!!

アラビア語は口語体と文語体がかなり離れている言語で、一般的な文書で書かれるアラビア語は西欧語でいえばラテン語のようなもの。ラテン語は通常は使う人がなくて、イタリア語やフランス語やドイツ語、英語といった立派な言語があるし、ラテン語覚えるというのは一つの特殊な学識と言われる。

ところがアラビア語の場合、文語体には趣味を超えて立派な意味がある。この言語でコーランが書かれている。だから、アラビア語を学ぶことはコーランを勉強することにつながっていく。

それと、この右から左に書く不思議な文字だが、いわゆる表音文字で、文字と発音がリンクしている。だから、文字を読むのは数時間で覚えられる。文法というか、言語の構造を理解するのが一苦労だ。

そして、当時勉強したことが役に立ったかというと、二回か三回か。

一つ目は数の呼び方、1=ワーヒドン、2=イスナーニ・・・といったとこ。中東に行って飛行機に乗ろうとすると必要だった。空港では、○○行きは○○ゲートに、という放送が流れる。母国語の放送の後、英語放送。つまり英語を聞いた時には、すでにアラビア語の放送は終わっていて、ゲートの近くに集まるのはアラブ系の人たちばかりだ。あちらの人は日本のように列を作る習慣がなかったので、ゲートの周りに何重にも円をなして集まっている。後から並ぼうと思っても、どこに並べばいいかわからない。

そして、予約システムの問題と思うが、席がダブルブッキングになっていることが多かった。やっとたどり着いた自分の席にすでに誰かが座っていて、「残念ですが・・・」ということになるわけだ。最初のアラビア語放送の時に、アラブ系の人たちと一緒にゲートの混雑の中に割って入らないといけないわけだ。その時に、1から10までの数字を知っていれば指定ゲートへ走っていけるわけだ。


それと、現地でタクシーに乗った時に、字の読めない運転手がヒルトンホテルの前を通過してしまいそうになった時に、あわててストップ指令を出したこと。

次は、文字を読む方だが、その頃に勤めていた会社のグループ会社の社員の奥さんがエジプト人でカイロ大学に通っていたのだが、病気になり日本の会社の健保を適用することになったのだが、その奥さんと社員が結婚している証明書が必要という話になる。送られてきたアラビア語の証明書を翻訳しようとしたのだが、そこにはそういうことは何も書いてなかったわけだ。要するにカイロ大学の在学証明書。

まあ、その書類を突き返して別の証明書を取り寄せる気力はないわけで、適当に翻訳してお仕事完了ということになったわけだ、。


そして、この難しい文字ではあるが、ここ十年あまりで、中東諸国の識字率は急速に上昇しているようだ。安定している国では90%を超えているし、不安が漂う国でも70%以上にはなっているようだ。

識字率の件は、別に書いた方がいいだろう。