ツタンカーメン、現代人を走らせる

2015-02-09 00:00:52 | 市民A
エジプトからとんでもない話題が届いた。

 エジプト学者のモニカ・ハンナ(Monica Hanna)氏は23日、ツタンカーメンのマスクのあまりにひどい状態にショックを受けたため、古代エジプトの文化遺産を不適切な取り扱いや略奪から守る活動をしてきた文化財保護組織「文化遺産タスクフォース」として24日に検察当局に告発するつもりだと述べた。

 匿名の博物館関係者はマスクを展示ケースから出す際に「集中力が欠けていたのか、マスクがケースに当たり、ほとんど落ちそうになったので(学芸員が)腕でマスクを抱えたところ、あごひげの部分が外れてしまった」と語った。

 この長いあごひげの部分は、元々は釘のような部材でマスク本体に止めてあったのだが、いつしか外れるようになっていたという。「そういう(マスクを落としそうになる)ミスは起きるものだ。ところが怖くなった学芸員がさっさと自分で『直して』しまったため、事態が悪化してしまった」

 学芸員が使ったエポキシ樹脂系接着剤はとても短い時間で硬化したという。 この関係者は「(本来)修復にはゆっくり硬化する素材を使い、固まるまで数時間~24時間支えておかなければならない」と指摘した。「修復作業には、ダメージを与えてしまったときに痕を残さず容易に取り除ける接着剤を使う必要がある」(c)AFP


ツタンカーメンのあご髭のことだ。

文中のエポキシ系接着剤というのは、セメダインとかボンドのことである。はずれかけていたあご髭がはずれたのを、自分のミスと思いこみ、偽装工作をしたのだが、ちょっとしたミスで接着剤がはみ出したようだ。

しかし、直し方が巧かった場合、接着剤が発見されるまで100年かかったかもしれないわけで、22世紀の博物館員を悩ましただろうと思うし、さらに、すぐに接着剤が登場したところを見ると、他にも乱用していたのではないだろうか。

で、実は、ナショナルジオグラフィック日本語版20周年記念特集にツタンカーメンの一族のことが書かれていた。王家の谷に眠るミイラの遺伝子解析を行ったそうだ(2010年9月号より)。そして遺伝子を解析した結果、祖父母(母方、父方)、両親、妻、二人の幼児がほぼ特定できたらしい。しかし、どこにもピースがはまらないものの母型の血縁と思われる女性が一人残っているようだ。



そして、遺伝子の前に、ツタンカーメンの顔型だが、究めて均整の取れた美形男である。うりざね型というべき公家顔。そして、少し変形しているものの母親(名前未詳)からの遺伝は明らかだし、その母親(つまり母型の祖母)ティイと共通である。

さらに衝撃的事実は、ツタンカーメンの父と母は、実のきょうだいだったことが明らかになったこと。一方で、ツタンカーメンは生まれながらに左足が曲がっていて1本の指は骨が欠けていた。おそらくは近親婚による異常と考えられるようになった。若くして夭折した割には多数(130本)の使用済の杖が残されている謎もこうして解けていったわけだ。

ツタンカーメンの後、世継ぎがなくなったため、ファラオの世襲制は崩れてしまい、実力ファラオ制になる。

しかし、いまさら家族の秘密が公開されるなど、安眠するのも難しそうだ。いっそのこと、起き上がってみたら・・