終わってみれば

2009-06-27 00:00:35 | しょうぎ
名人戦7番勝負が終わる。終わってみれば、羽生4勝、郷田3勝。「郷田九段の健闘が光った」ということになる。たぶん、70回対戦しても、そんな結果なのかもしれない。

7番勝負全体での勝ち負けにこだわるなら、「渡辺流」で最初に3連敗してから、油断につけこむという方がよかったかもしれない。

郷田九段にとって惜しいのは第三戦で、終盤で錯覚。一気に負けてしまった(錯覚がなければ、勝ったかというとそうでもなさそうだが)。この錯覚にしても、序盤の45手目に2時間39分の長考。同じく敗戦に終わった第一局も27手目に3時間26分の長考。結局、時間配分で終盤がきつくなったのだろう。

そして、第五局でついに3勝2敗と勝ち越した後、2局続けて変化技に頼ったのが、弱気のせいだったのか、既に5局で力尽きていたのか、そこまでが限界だったのだろうか。

これで、名人位6期。先行した谷川、森内の永世名人の上に出ることになったわけで、これからは、「失ったら引退」ということばが頭の中に渦巻くのかもしれない。まだ40台の初めである。「人生二毛作」ということばを名人が知っているのなら、「将棋界からサヨウナラ」ということだって考えられる。「占い師」になった元女流名人もいることだし、彼の頭脳を持ってすれば、多くの職業が「次の仕事」の候補になるのだろうか。

さて、6月13日の出題作の解答。



▲2四金 △1五玉 ▲1六歩 △同玉 ▲1七銀 △1五玉 ▲1六銀 △同玉(途中図1) ▲1八飛 △2六玉(途中図2) ▲3七銀 △3五玉 ▲1五飛まで13手詰。

最後の図が詰んでいるのが、よくわからない、という場合は、なかなかこの筋を発見でできない。



敗戦後、逃亡に成功したと思ったとたんに農民兵の竹槍の餌食になった明智光秀みたいなものだ。銀と歩は邪魔ゴマであり、序盤はそれらの始末をする。

そして、最後の5手にハイライトがあった。

動く将棋盤はこちら


今週の問題。



今回は、あまり「おおた流」ではない。徹底した「逆算法」。そして、やはり最後の5手に特徴がある。

わかったと思われた方は、コメント欄に、最終手と手数と酷評を記していただければ、正誤判断。