本当に危険だった若葉マーク車

2009-06-03 00:00:46 | 市民A
横浜開港から149年364日目にあたる2009年6月1日午後9時35分頃、悲惨な交通事故が発生した。場所は横浜市都筑区である。港北ニュータウンのほぼ中央にある交差点である。直進車と右折車が衝突し、18歳の運転する直進車が歩道に突っ込み、3人の女性看護士が亡くなる。3人は、現場のすぐそばにある昭和大学横浜北部病院に勤めていて、残業の帰りであり、最寄りの市営地下鉄センター南駅に向かう途中だった。



実は、この現場は、自宅から1.5キロほどの場所にある。また、この病院は、世界的な名医(大腸癌)である工藤進英教授(副院長)を擁していることでも有名な近代的な巨大病院、私も二回、検査を受けている。検査2カ月待ちの超人気病院である。



事故現場に限らず、同様の交差点は近くに多く、日頃からあぶないという感覚があって、歩行者として信号待ちの場合は街路樹の後ろに立ったりしている。

まず、神奈川新聞の記事(少し間違っている)とサンケイの写真から。


衝突事故巻き添えで女性3人死亡、18歳少年逮捕/横浜
社会 事件・事故 2009/06/02  1日午後9時35分ごろ、横浜市都筑区茅ケ崎中央の市道交差点で、川崎市宮前区、私立大1年の少年(18)の乗用車と、横浜市都筑区荏田東、会社員、○○○○さん(41)の乗用車が衝突した。はずみで少年の乗用車が近くで信号待ちをしていた女性3人をはねた。3人は病院に搬送されたが、まもなく死亡した。

 都筑署は自動車運転過失傷害の疑いで、少年を現行犯逮捕した。容疑を同過失致死に切り替えて調べている。

 同署によると、死亡したのは、いずれも現場から約200メートル先の昭和大横浜市北部病院に勤める看護師で、・・・・・

 交差点を直進した少年の乗用車が、対向の右折専用レーンを走行してきた○○さんの乗用車と衝突し、左にそれて3人に突っ込んだという。



 同署によると、少年は免許を4月に取得したばかりで、調べに対し「信号は確認していない」などと供述しているという。

 現場は片側4車線ずつの見通しの良い直線道路の交差点。市営地下鉄センター南駅から約200メートルで、周辺には都筑署や区役所、商業施設などが立ち並んでいる。

 死亡した3人は職場から帰宅途中で、同駅側に横断するため信号待ちをしていたとみられる。



現場に行ったのは、翌6月2日の夕方。駅から続く歩道橋の上から現場を見ると、今でもテレビ会社の中継車が何台かいるし、人だかりの中で病院関係者と思える方をとりかこんでインタビューも行われている。上空では警察のヘリから目撃情報の提供を呼びかけている。もちろん献花台には多くの花が供されている。

地元テレビ局の記者に逆取材をしたところ、まだ報道されていない、いくつかの新事実がわかった。

少し疑問に思っていたのは、直進車の少年は信号無視なので、逮捕されるのは当然だろうが、右折車の方にも回避義務はあったのではないかという点。

少年の方には、さらに重大な違反があった。単に信号を見落としたわけではなかった。

黄色信号になって、自分の前を直進して走っていた車が信号で停止したため、急に左にハンドルを切り、その車を追い抜いてから直進したわけだ。だから、確信犯である。当該地区の信号は、まず、直進と左折の緑矢印が点灯した後、一旦全灯とも黄色になり、その次に右向きの緑矢印となる。おそらくは、直進矢印が消えたあと黄色になったところだったのだろう。

対抗車線からの右折車は、直進する先頭の車が止まったため、「まさか後ろの車が追い抜いて飛び出してくるとは」思わなかったのだろう。横から体当たりされたのでは、責任は免れるのだろうか。直進信号と右折信号の間の黄色信号の時に、右折車が交差点に入ったとしたら、右折車にも大きな責任があることになる。目撃情報提供者を探しているということは、そこがポイントなのだろう。

また、少年の車は紺色のクーペである。言うまでもなく夜間、もっとも見えにくい色である。



次に関連情報。まず、3名の看護士がなぜ、歩道橋側から駅に向かわなかったのか、という点は、病院の地下にある更衣室から、駅に向かうには、この横断歩道を渡って、駅の直通エレベーターを利用するのが近道だったようだ。

一方、少年の方は、ここから車で20分ほどの新横浜駅に友人を送ったあと、自宅に戻る途中だったそうだ。この広い通りの突きあたり(5分ほど)から先が川崎市になり、その住宅地の中に住んでいるらしい。18歳の大学1年生で免許取り立てということは春休みに自動車教習所に通ったのだろう。混雑する春休みで、粗製乱造的指導はなかったのだろうか。どうみても、運転に向いていないような行動である。写真で見る限り、新車ではなさそうだが、免許取り立てこそ、新車でなければ、あぶないというのは常識ではないだろうか。

事故の原因ではないが、少年の自宅のある川崎市は、履き違えた革新市政の時代が長く、きちんとした道路が整備されていない。そのため、横浜では普通のルール、つまり制限速度プラス10キロ以上は出さない、とか、黄色信号は進めだが、赤信号になると、必ず止まるとか、3車線道路が多いので、車線変更にはできるだけ協力するとか、そういうのを川崎ナンバーは守らない。

とはいえ、横浜ナンバーだけの道ではなく、山梨ナンバーや他県ナンバーも多い。あちこちの交差点に車は飛び込んでいるため、最近は、事故が起きた交差点には、車の飛び込み防止用の柵が設けられているところが増えている。しかし、事故があってからでは遅すぎるということだ。

現場から3キロほどにある中高一貫校であるサレジオ学園でも、校門の前でバスを待つ少年の列に暴走車(スカイラインGT-R)が突っ込んだのが2005年10月のこと。2名が死亡し9名が重軽傷(うち1名は右足切断)。危険運転致死罪で懲役16年の判決が出ている。