奇妙な事件が起きる県、岡山

2009-06-11 00:00:01 | 市民A
最近読んだ「奇妙な事件」で岡山県関係が二件。

ひったくり警官逮捕…お手柄高校生「世も末」岡山

岡山中央署は4日、岡山市の路上でお年寄りの女性から財布を奪った窃盗容疑で、愛媛県警松山南署刑事1課の巡査部長N容疑者(29)=松山市=を現行犯逮捕した。犯行後に逃走したが、自転車で帰宅途中だった男子高校生2人が追い掛けて取り押さえた。

お手柄だったのは私立関西高校に通う3年生のAさん(17)と、1年生のBさん(15)。ラグビー部に所属するAさんが4日午後7時50分ごろ、部活を終えて自転車で帰宅途中に女性(75)の「どろぼう」という悲鳴を聞き、自転車で追い掛けた。約250メートル先で、反対側から自転車で来たBさんと挟み撃ちにし、取り押さえ、宝来さんが110番通報した。2人は同校で5日、取材に応じ「捕まえる側の警察官が捕まるなんて信じられない」と驚く一方「世も末だと思った」などと話した。

愛媛県警によると、N容疑者は、盗犯係の主任で3年以上ひったくり事件などを担当。1日から連絡が付かず2日から無断欠勤だった。銀行のカードローン約250万円を抱えていたことも家族の話で判明した。[ 2009年6月6日付 ]

逮捕当時、所持金はほとんどなかったようだ。75歳の女性の財布を狙うなど、犯行の質は最低としかいえない。格闘には長けているはずの警官が、なぜやすやすと捕まったかだが、高校生のうち一人は少林二段ということだったそうだ。記事には書かれていないが、N元警官は、捕まったときに、ずいぶん痛いおもいをしたのだろうと、想像。

「少林二段」が、日本固有の「少林寺拳法」のことなのか、中国古来の「少林拳」のことなのかは、よくわからない。たぶん、本場中国の少林寺に由来する少林拳のネームヴァリューを借用(パクリ?)した、戦後の日本生まれの少林寺拳法のことなのだろう(これ以上、書くと、夜道で『三年突き』食らいそうなので沈黙)。


ところで、高校三年生が、「警察官が捕まるなんて、世も末」と予言しているが、警官の犯罪、消防士の放火、銀行員の着服などが同類なのだろう。「世も末」と感じるのは、本来、自己否定的な行為だからなのだろうが、もともと「犯罪がなければ警官は要らない」のだから、犯罪は警官にとっての「存在理由」そのものである。

さらに、ほとんどの犯罪には、それに至る必然性があるわけで、ひったくり事件を担当しているうちに、善悪が麻痺したのだろう。


二件目。

牛丼店強盗を自作自演=三菱自動車社員2人を逮捕-岡山県警

岡山県倉敷市の牛丼店で2月、強盗事件を自作自演したとして、県警水島署は6月2日までに、窃盗と軽犯罪法違反の疑いで、三菱自動車社員で同店でアルバイトをしていたK(27)、同社社員Y(20)両容疑者を逮捕した。

同署によると、2人とも容疑を認め、1人は「金に困っていた」と話しているという。

2人の逮捕容疑は2月23日午前2時50分ごろ、倉敷市連島の「すき家倉敷南店」で、約107万円を盗んだ上、「刃物を持った男が押し入り、縛られて現金を強奪された」とうその届け出をした疑い。

同署によると、K容疑者の体を粘着テープで縛り、強盗被害を偽装し、同3時ごろ110番したという。テープの巻き方が緩いことなどから同署が事情を聴いていた。

三菱自動車によると、景気悪化の影響を受け、工場の休業日を増やしたため、一部社員にアルバイトを認めていた。2人はアルバイトの申請をしていたが、同社は許可していなかったという。(2009/06/02-14:02)


近日中に、この現場の近くに行くので、現場写真を写してこようかと思ってみたが、単に、夜の牛丼屋の写真に過ぎないので、余計なことはしないことにする。逮捕まで3ヶ月以上。何を捜査していたのだろうか。

事件を考えると、深夜、顧客のいない無人の店舗で偽装工作をしたわけだ。牛丼店の夜、一人で店番をするKを、Yが粘着テープでぐるぐる巻きにして107万円を持ち逃げ。10分後にテープをほどいて自分で110番したのが、作戦ミスだったのだろう。朝まで、床に転がっていればよかったのだろうか。107万円の配分比率が気になるが、6:4かな。(結構、主犯と共犯の関係を決める決め手ではないだろうか)

罪状が、窃盗と軽犯罪法違反というのは、107万円奪ったのが窃盗で、自作自演を演じたのが軽犯罪法違反だろう。行為だけを見れば、窃盗がY、軽犯罪法違反がKだが、Kが持ちかけたに決まっている(と思う)。

アルバイトといっても、夜間の一人勤務は、責任が重いはず。店側がKに任せていたのは、「地元の優良企業である三菱自動車社員という名刺の力」だったのだろう。2月頃の状況は、自動車工場は一月で1週間しかラインが動かないという最低状態。一時帰休+給料カット+アルバイト奨励ということだった。会社側は、牛丼店のアルバイトは許可していなかった、と言っているが、審査中だったのだろうか。ノーとも言えないはずだ。(もっとも、会社が許可したかしていなかったかは、事件の真相にはなんの関係もないと思う)

三菱といえば、地元の三菱水島病院も廃止されると聞いている。以前の、リコール隠し、粉飾決算で会社が地に墜ちたあと、突如の軽自動車ブームで復活。しかし、復活の裏側には、三菱製を日産にOEM供給という実態があった。日産にしてみれば、自社製の小型車を軽自動車並みに割り引いて販売した方がいいに決まっている。OEM地獄に墜ちたのは三菱の方だった。

ところで、この工場で電気自動車の商業生産が始まった。年間2000台と台数は控えめだが、価格は400万円と大胆だ。各種補助金をユーザーが申請すれば100万円くらい安くなるようだ。あいかわらずのグループ企業頼りである。以前、デボネアという超大型車があって、「三菱系企業の社長車のみ」という需要先だった。これからは、アイ・ミーブが社長車なのだろうか。

いつまでも工場稼動が低いままだと、第二、第三の社員犯罪が発覚するのではないかとおそれ、焦って、未完成品を市場に投入したのならば、またも、元の道を逆戻りになるのだが。