君と一緒に鎮魂歌(レクイエム)

2009-06-29 06:30:54 | 映画・演劇・Video
麻布演劇市というのがある。港区がスポンサーになって、区内の劇団に発表の場を提供している。六本木にある麻布区民センター。何年前からかわからないが、1、2か月に1回の開催で、今回が158回目ということだが、157回目に初めて行って、なんとなく癖になりそうである。

最近、六本木にはタクシーでも地下鉄でもなく、都バスで行くのだが、途中、俳優座ではメジャーな出し物があるようなのは、道路まであふれた人の量でわかる。が、麻布区民センターのホールの方は、いかにもといった寂しさがある。

でも、こういうのが熱いのですね。

演劇小僧、または演劇青年の気持ちで観るわけだ。(そのどちらにもあてはまらない年齢だが)

chingonka今回は、劇団「ムーサ」による『君と一緒に鎮魂歌(レクイエム)』。

演出、脚本は東原静氏。

実は、最近流行の「婚カツ」をテーマにしたもので、変人同士の男女が、嫌がりながらも交際をはじめるまでの「ああだこうだ」という駆け引きがテーマ。

というと、喜劇系と相場は決まったようなものだが、実は深層には15年前の悲劇が横たわっている。そして幽霊が次々に出没する。

では、悲劇かと言えばそんなこともない。

人生の悲劇は、他人から見れば喜劇の場合もある。そのあたりが折り重なって、案外いい脚本なのかもしれない。キャストがセリフを大量に間違えるので、ひやひやするが、なんとか最後まで到達する。

最後に登場するのが警察官というのでは悲劇っぽいが、やはり喜劇なのだろうか。本当の悲劇を演じるのは大変だよ。

会場で1枚だけ渡された、ペーパーには、東原静さんからのメッセージがあって、

毎回思うことですが、優しい人たちに支えられ、一つの芝居が出来上がります。芝居に限らず、何気なく生きていくことも、いつも誰かに支えられています。

感謝です。

そして、私事ですが、知り合ってまだ間もなく、これからいっぱい飲んで騒ぐはずだった、今は亡き友人に、捧げるというのも変だけど。何処かで観て楽しんでもらえたらと、思っております。

本日は、ご来場ありがとうございます。

東原 静


いいことば。

>「これからいっぱい飲んで騒ぐはずだった・・」というところはZARDの歌詞にあったような。もしかして、彼女のことなのかな、と、かすかに思う。