中国株式市場のセミナーに

2009-06-23 00:00:10 | 市民A
china1内藤証券と言えば中国株が有名だが、この社が中国に本格的に取り組んだのは、山一が廃業した時に、転職した人たちの力に負うようだ。

先週末に、新宿で開かれたセミナー「中国株式の見通し」に顔を出した。

個人的には、中国株にはだいぶ儲けさせてもらっていて、現在、急騰中にところ、今後の見通しを探りにいったわけだ。

まず、世界の基調からだが、「リーマンショック」に至る経緯として、内藤証券の見方は、1991年の共産党崩壊以降、世界経済の拡大が「新興国による供給過多=需要不足」という中で、「投資資金過剰」という状態になっていることと考えているそうだ。

そして、現在は、超巨大なマネーが出番を待っているのだが、金とか原油の市場は限定的な規模であり、やはり株式市場に流れ込んでくるしかないだろうと考えているそうだ。(逆に、レバレッジ規制が少ない商品相場の方が吹きあがるだろうという説もある。おおた注)

で、中国の状況だが、「超大型景気対策として、4兆元(50兆円)がつぎ込まれるそうだ。政府は8%成長を目標にしているのだが、現在のところ7%から8%の間と見る専門家が多いそうだ(早い話が、7でも8でも9でも大差ないわけだ)。今年GDPで日本を抜いて世界2位になるか、来年になるのか、そんな差だ。

それで。4兆元の行き先だが、日本同様、国内であーだこうだがあって、結局、

1. 鉄道・道路・空港などのインフラ建設加速 1兆5000億元(37.5%)
2. 震災地区の復旧加速 1兆元(25.0%)
3. 住宅保障のための工事加速 4000億元(10.0%)
4. 農村インフラ建設加速 3700億元(9.3%)
5. イノベーションや構造調整を加速 3700億元(9.3%)
6. 環境整備を強化 2100億元 (5.2%)
7. 医療衛生・文化教育事業発展の加速 (3.7%)

全人代に出した原案は、総額4兆元のうち、鉄道・道路・空港インフラ整備と環境整備に2兆1500億元だったが、それが会議の結果、大幅に削られて、イノベーション、教育、住宅建設、医療衛生といった先進型産業に振り替えられることになった。どうも、日本の補正予算の決まり方よりずっと賢い。何より、議論がある。

それと、『加速』という表現が多いが、日本みたいに『唐突な景気刺激策』があらわれるのではなく、現在遂行中の目標を急ぐという考え方で、結構、堅実である。

ということで、米国向けの輸出依存型から、内需への転換を急速に進めている状況ということだそうだ。そのため、予算の効果が持続する、あと半年程度は中国市場はだいじょうぶだろうとのこと(もちろん、誰も責任とってくれないが)。

懸念材料は、やはり米国が二番底に向かう可能性と、まだ浮上のシナリオの描けていない欧州経済だろうとのこと。


そして、お待ちかねの、「推奨銘柄」なのだが、本当は、過去、あまり当たっていないような気もするが、「ババ」は推奨しないようだから。その程度に考えればいいのだろう。

china2最初のカテゴリーは、好業績で株価急伸中の銘柄。BYD(自動車)とかミスター康(即席麺)、不動産関係など。

次は出遅れ株。航空とか運輸。ただし、出遅れには、それぞれ訳があるから要注意。別の雑誌で読んだが、中国東方航空は、合併がらみだそうだ。

増収増益会社。やはり中国建材とか青島ビールとか東風汽車(自動車)とか、景気刺激策関連。

そして、内藤証券のオシとしては、中国食品(ワイン・飲料・食用油・菓子)、東方電気(発電設備メーカー)中国南ボウ集団(ガラス・ソーラーパネル)、東風汽車(自動車)、中国人寿保険といったところだそうだ。


誰か東風汽車に1億元とか投入してくれたら、さっそく上値売りして、逃げ出すのだが。