逆走(1)

2008-06-30 00:00:21 | 市民A
西日本の中堅都市で、1日に2回、逆走を見る。「逆走」というのは、単なる「物理的な逆走」のことで、経済的逆走とか精神的逆走というような高級な話ではない。「一進一退の私の人生」のことじゃないので、念のため。

最初の逆走目撃は、ある駅から目的地へのタクシーに乗った時。駅から近くのバイパス国道に入るため、進入路に入ろうとした寸前に、「急ブレーキ!!」。後部座席シートベルトを締めていたので、肋骨下部を痛めただけで済んだ。

一方通行の入口なのに、前方から軽自動車が走ってきた。

案の定、75歳以上に義務化された「もみじマーク(通称:落ち葉マークとか枯れ葉マークとか涙マークとか)」。運転者のおじいさまと助手席のおばあさまの年齢を合計すると、160歳以上だろうか。その場所にどこを走って辿りついたのか不明だが、私の乗るタクシーをかわした後、さらに悠然と一般道の交差点に突入し、その後、左側車線に戻っていった。「もっとも自由に感じるままに」だ。

タクシードライバーとそのことで少し話をしたら、週に1回くらいは見かけるそうだ。たまたま、この地区は有力政治家(元首相)がいたため道路が広く、逆走車がいてもすれ違えるので事故にならないそうだが、逆走車を見ると「自分の方が逆走しているのではないか」と思うことまであるそうだ。

あまり「もみじマーク」のことを話題にしなかったのは、ドライバー氏も10年以内にマーク付(つまり事実上の引退)になりそうな方だったからだが、実際には、個人タクシーでは、もみじマーク付けられたら、廃業するしかないだろう。

整理すると、人間の区分として、「運転可能な人/不可能な人(危ない人)」という2分類と、「75歳未満/75歳以上」という2分類がある。一方、免許の方から言うと、「マークなし/マークあり/取り消し」という三段階。言うまでもなく、クルマは凶器でもあるわけだから、論理的には、「運転の危ない人は、免許取り消し」ということしかないと思うが、それを年齢で一律に処理しようというのだから、割り切れなくなる。

個人的意見だが、免許の最低レベルが、免許取得時(教習所卒業時)レベルであるのだから、同じレベルが維持できなくなったら、「もみじマーク」のようなグレーゾーンは廃止し、いさぎよく「免許終了」ということでいいのではないだろうか。というのも、若葉マークは、いずれ運転技術が向上していく過程なのだが、もみじマークの方は、その逆だからである。

それでは地方都市の生活が困難、というのはまったく別次元の問題であり、バスやタクシーを充実するしかないのだろう。

そして、是非、危険運転マーク(死に神マーク)も新設して、違反を繰り返す者に掲示を義務化してもらいたいものである。

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