エコール・ド・パリへの招待状

2007-11-04 00:00:32 | 美術館・博物館・工芸品
d903d2d0.jpg渋谷の東急百貨店本店が開業40年だそうである。1967年11月1日ということになる。まあ、乗っ取った白木屋との関係やこの渋谷本店が、以前、誰の土地だったかとか、最近の店舗売上高の話は省略。また本当に40年前なのかということも省略。そこで40周年記念セールが行われていて、その一環で、美術展が開かれている。「彫刻の森美術館コレクション:エコール・ド・パリへの招待状」。20世紀初頭のパリで活躍した画家たちの作品を、箱根の彫刻の森美術館から拝借して展示している。そして、正規入場料700円のところ、「クラブQポイント東急TOPカード」を見せると・・何と無料になる。ただし、ポイントは付かない。

それで、狭いデパートの店内だけに、小振りの作品が多い。エコールド・ド・パリの代表選手はモディリアーニなのに、彼の作品がない。隣接するBUNKAMURA(東急系)で最近まで「モディリアーニ展」を開いていたからだろう。むしろ、この展覧会は、狭い意味にとらわれずに20世紀全般にパリで活躍した画家たちの作品集と思った方がいい。外国人代表としては、ルノアール。そしてシャガールもある。ピカソ・ミロ・ユトリロ。そして日本人代表は林武とか宮本三郎、佐伯祐三、そしてレオナール・フジタ。

d903d2d0.jpgパリはこれらの外国人芸術家に対して、開かれていて、20世紀に世界で活躍した多くの芸術家は、ある時期をパリで過ごしている(岡本太郎も)。本来、エコールというのはスクール、つまり経済学のシカゴ・スクール=シカゴ学派のように、「パリ学派」というべきなのかもしれないが、特に画家たちが徒党を組んで、画廊に対して買取単価引上げ交渉をしたというようなことではなく、単に同時代にパリにいた人たちの総称というように考えればいいのではないだろうか(広義のエコール・ド・パリ)。だから、特に統一的な特徴があるということではない(実際には、AさんはBさんに似ていたり、BさんはCさんの画風の裏返しとか、個別には影響しあっているとは思うけど)。

そして、第一会場のそばの臨時スペースというような狭い第二会場に、思わぬ収穫というか、マン・レイの作品(写真)が何点かある。こちらの芸術度はかなり高い。第二会場を見逃さないように、と。

そして、今回出展のほとんどの作品は、箱根の「彫刻の森美術館」の収蔵品とのこと。巨大作品の屋外展示を最大の「ウリ」としている世界的に有名な美術館だが、今回の名画の数々は、「雨の日に箱根に来た運の悪い人」のための屋内鑑賞用ということなのだろうが、晴れた日にクロスカントリーのように屋外展示を回ったあとでも、館内美術を鑑賞する最後の体力を残しておかなければならないということなのだろう。

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