詰将棋パラダイス社のビル

2007-11-03 00:00:05 | しょうぎ
b7eaffcf.jpg「月刊詰将棋パラダイス」という幻の雑誌がある。詰将棋ファンなら名前は知っている人が多いと思うが、その難解さもさることながら、その入手困難さも並大抵ではない。税込価格650円、150ページ程度の小冊子を扱う書店は、全国で僅か3店。東京の八重洲ブックセンター(地下一階)、大阪の旭屋書店、京都のジュンク堂書店だけである。あとは何箇所かの将棋道場と将棋連盟の売店。したがって普通の読者は、半年(3,900円)または1年(7,800円)の会費を振り込み、郵送で読んでいる。


雑誌の中のメインページは「小学校」「中学校」「高校」「短大」「大学」「大学院」の6つのクラスの25題。この選題に入選する人(作者)、解答する人(解答者)、問題を批評する人(評論家)、に分れている(もちろん投稿作の山から掲載作を選ぶ人、編集者等の裏方の人もいる)。その他、易しい問題のグループ(「保育園」や「幼稚園」)での出場チャンスもある。たとえば今年10月号には、先の7月号の問題と解答も含め、100題弱が出題されている。

しかし、この雑誌の販売方法の最大の問題は、「最初の一冊を買わないと、定期購読の注文先すらわからないこと」だった。そして、全国3箇所でしか売らないのでは、その最初の一冊を手に入れることすら簡単にはできない。

b7eaffcf.jpgが、現在はホームページがあるので、最初の一冊を買わなくても注文先はわかるはず(ただし、雑誌の存在を知らなければ、検索できるはずがない)。もし、興味があれば、半年分ではなく、バックナンバーとして1冊だけ注文してみたらどうだろう。その後、定期購読を決めたらいいのではないだろうか。実際は、愛読者が増えるだけならいいのだが、優秀な出題者が増えると、自作が掲載される率が下がるので、そんなに強くは勧めない。


そして、この詰将棋パラダイスは昭和25年の創刊とされ、「鶴田諸兄氏」といわれる元警察官の方の汗と涙の物語があるそうだ。諸兄といっても一人だ。本名だから。汗と涙の物語と聞くと、どうしても調べたくなる習性があって、いくつかの資料を集めてみた。時折は鶴田物語を、極めて簡単だが、紹介してみたいと思う。


今回は、大阪の大阪天満宮のそばにある詰将棋パラダイス誌の本社の外観を紹介。ビルの2階に看板が出ていた。私の中でのイメージは、これと同じような小ささだったから、あまり驚かない。主に、郵便物の整理とか発送作業とか、に使われているのだろう。重いものを扱うのに2階では色々支障がありそうだ。キックリ腰とか・・

ここのすぐそばに川端康成出生の地の碑がある。もちろん、「天満宮」と「川端康成」と「詰将棋パラダイス」と天満宮の裏手にある「日本最長のアーケード街」との間には、何も相関関係はないと思う。


b7eaffcf.jpgさて、10月20日出題分の解答。

▲2三角 △2五玉 ▲3四飛成 △同桂 ▲1七桂 △3六玉 ▲1四角成 △3五玉 ▲2五馬まで9手詰。

捨駒というのではなくて、どんどん駒を取られていくという不思議な展開。会社の金庫から売上金を持ち逃げしようとした社員を社用車での高飛び寸前に何とか捕獲したようなものかな(例が最悪)。



b7eaffcf.jpg今週の問題は、江戸時代の作のような、あやしい既視感の漂うごくオーソドックスな問題。

こういう素直な問題の在庫は少ないので、ここに紹介するのもたまにしかできない。

というか、この問題から逆算で、さらにヒトヒネリを狙ったものの、無理だったということ。

解けたと思われた方は、コメント欄に最終手と手数と酷評をいただけば、正誤判断。



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