美食都市だったの?

2007-11-23 00:00:28 | マーケティング
ミシュラン! 東京に150店、191個の星・・



「美食の都」対決、東京がパリ圧倒に海外でも大反響 2007.11.20 10:06 共同

東京がパリの2倍の星を獲得した-。フランスで最も権威があるレストランのガイド本「ミシュラン」が19日発表した東京版の概要を、フランスや英米のメディアは驚きを持って伝えた。

「東京は美食の都の地位からパリを引きずり降ろした」(AP通信)

「パリもニューヨークもローマも忘れてしまえ。グルメの本場は東京なのだ」(ロイター通信)

東京のレストランが獲得した星の数がミシュランのひざ元パリを大きく上回ったことに、海外メディアは敏感に反応した。

ミシュラン東京版は東京の飲食店150店に計191個の星をつけた。一方、フランス公共ラジオによると、パリのレストランが保有する星の総数は97個(パリ郊外を除く)、ニューヨークは54個にとどまる。ミシュランの評価に従えば、パリやニューヨークは美食の層の厚さにおいて東京にかなわないことになる。

ただパリは、頂点の3つ星レストランの数でかろうじて東京を抑え、体面を保った。フランスの3つ星レストラン26店のうち、10店がパリに集中しているのに対し、東京版の3つ星店は8店だった。


さっそく、近日中に先方持ちの忘年会が予定されている取引先に、「お店の選定にあたっては、三つ星店などとは申し上げません。二つ星でも一つ星でも結構でございます」と実に謙虚なメールを送ってみた。


発表と同時に、三つ星店である「濱田屋」が防衛庁関連商社ご用達だったことや、音楽ユニット”globe”のKEIKOの実家が二つ星のふぐ料理店だったことが判明したりした(先日は別のメンバーであるマークパンサーの妻がヤクで逮捕されたことで報道された。ふぐ料理店”臼杵ふぐ山田屋”は大分県が本店であるそうだが、「肝入りで検挙」なんてことにならないことを祈りたい。)。さらに、覆面調査員だったはずが、店内写真撮影のために身分を明かしていたりしていたことなど、こぼれ話が多い。


さて、美食都市判定の謎を解くため150店のリストを、料理別に分類し始めたのだが、多過ぎて断念。なぜかというと、和食店の名前は短いが、フランス料理店の名前は長い。パソコンで処理するのが大変なのだ。と、いうところに一つの傾向が見えるわけ。

全体の6割が日本食で、その他の多くがフランス料理ということ。そのフランス料理店は、ずっと以前から日本でも有名だったものと、フランスの三つ星店の日本支店というタイプの店と大別できる。名前が長いのは、来日組のほうだ。

これらから推測すると、日本食がこれほど多くなった背景は、すでに発表しているパリやニューヨークの日本食店につけた一つ星や二つ星を基準にしてしまうと、バランス的には、東京にある日本食店は、いずれもそれ以上のレベルであるのだから、当然、星だらけになってしまう。

また、フランスで星三つとか二つの店の東京支店に星をつけないわけないわけにはいかないので、これもパリより一ランク落として星を配ってしまう。そしてそれを基準として日本のフレンチレストランを比較しなければならない。

といった現実との妥協の産物ということではないだろうか。

リストの中に、中華料理が少ないとかカレーや焼肉の店がないとかいうのも、将来、上海、ムンバイ、ソウルとかミシュラン展開をするときに、先に妙なレベルを作っておくと困る、と反省したのかもしれない。あるいは、単に中華料理の判定には大人数の調査員が必要なので、手が回らなかったということなのかもしれないが。

で、さらにリストに並んだ店名をみていると、やはり、一見の旅行客にとって好ましい店ということかなって思うだけなのである。けばい店が多いような感。そして、単に現状レベルの評価。本来は「星を狙ってほしい店リスト」というのがあって、それを応援するというスタンスがあればいいのに・・と思ってしまうわけだ(他都市のミシュランには星なし店リストもある)。


ところで、このミシュラン東京版だが、調査費はどうなったのだろう。見当がつかないほど高額な感じがする。もちろんホテルにも星を付けているのだから、高級ホテルに泊まって、料亭に行くわけだ。しかも、本家ミシュランのタイヤは日本ではあまり売れていないし、今後もたいして売れるとは思えない。日本は美食王国だけでなく、タイヤ王国でもあるわけだから。

そして、少し思いついたのだが、三つ星店を格安で試食する方法。

それは、・・

「ニセ調査員」

もちろん、小道具が重要だ。ブランド品で固めないといけない。そして、食事中に、赤い表紙のノートブックに、なにかあやしい記号を書くわけだ。そして、散々、飲んだり食い散らかしたりしてから、デザートの前あたりに、

「ところで、きょうの領収書のあて先は、”ミシュラン”と書いといてね」

「はい、かしこまりました、ムッシュ。ところで、いくら上乗せしときましょうか」

って・・


いずれにしても、”なんか、ミシュランってこんなもの?”という世間の空気を感じているのだが、今年の流行語大賞のノミネートの中で最も私の推薦である「ある一言」がふさわしいのかもしれない。

それは、・・


別に、・・