「日めくり」の裏側

2007-11-10 00:00:03 | しょうぎ
abb9b768.jpg日本女子プロ将棋協会(LPSA)が初めて製作した一般公募による「詰将棋日めくりカレンダー」を購入。1,890円はやや高額だが、応援料。1手から9手までの詰将棋が366題。私も応募した中で2作が掲載されている。著作権はないので、少なくてもその日めくりの日が過ぎるまでは公開しない。掲載されている二題は、いずれも双玉&途中逆王手問題の5手詰。ざっと数えたら、双玉問題は全部で9作で、1手詰が6題、3手詰が1題、そして私の5手詰が2題。日めくりカレンダー史上、双玉最長新記録と最長タイ記録だ。

366題もあるので、問題のすべてを解いたりはしていないが、一見の感じでは、難しい3手詰、普通の5手詰、やさしい7手詰、もっとやさしい9手詰というレベルに合わせてあるようだ。もちろん、さらに易しい1手詰もある。

ところで、このカレンダーは約600題の応募の中から366題を選んで製作したものだが、出題者は大きく「LPSA所属女流棋士(全員)」、「男性プロ棋士」、「一般」の3カテゴリーになる。ホームページに氏名が公開されていたので、一覧表を拝借。

abb9b768.jpgまず「一般」のカテゴリーだが、詰棋界でのビッグネームが並んでいる。氏名を並べてみると「おおた葉一郎」という平仮名混じりの名前は、やや目立ってしまって、大御所の皆様には申し訳ない感じだ。そして注目は「男性棋士」。

当然ながら、この組織は将棋連盟とやや対決的な独立の仕方になったのだから、将棋連盟所属棋士からすれば、なかなか応援しにくいところだ。それを考えれば、この「日めくりカレンダー」に登場するというのは、なかなか決断の一手ということになったはずだ。もっとも、応援したくても気の効いた問題が作れない場合は仕方ない。あえて言えば、下手な問題なのに出題したという棋士こそ、大決断の一手ということだろう。

そして、リストを見ると、色々なことが想像できるわけだ。渡辺、谷川、内藤、郷田、・・・

abb9b768.jpgそして、列記された棋士名の下の方には、宮田敦史五段の名前がある。詰将棋を解くことにかけては彼の右に並ぶものはいないとされているのだが、作る方の実力はよくわからなかった。夏の詰将棋全国大会での情報の中に、宮田五段はかなりの数の詰将棋の在庫を持っているというのがあった。この「日めくりカレンダー」には9手詰が掲載されているが、かなり易しい。たぶん、もっとも易しい問題を選んで出題したのだろうと思うが、ちょっと心配。

そして、LPSAの話だが、11月5日の女流王位戦最終局で清水市代女流王位を破った石橋幸緒四段が独立後初タイトルを獲得。組織に元気が感じられる。

一方、将棋連盟に残った女流棋士は「女流棋士会」を作って活動している。この11月10日、11日には東京世田谷の区民ホールで、将棋連盟所属の男女の棋士による「将棋の日イベント」などがある。新弟子獲得競争とか、これから相撲界のように色々複雑になるのだろうか。

が、私が考えてもしょうがないだろう。

abb9b768.jpgさて、10月27日出題の解答。

▲2五金 △同香 ▲2三馬 △同玉 ▲4三飛(途中図1) △1四玉 ▲3四飛成 △2四角(途中図2) ▲同龍 △同銀引 ▲1六香 △1五銀 ▲2三角 △2四玉 ▲3三飛成まで15手詰。

5手目の4三飛打が7手目の3四飛成とのコンビネーションになっていて、普通はそれで終わりだが、合駒が逆王手になる。さらに、離し香の王手に玉方が銀の移動合いで応酬するのだが、最後は大駒の妙な横並びで仕留める。満員電車のシートの隙間を片寄せして、無理に座るようなフィニッシュは、かなり田舎臭い(田舎の人、ゴメン)。




abb9b768.jpgそして、きょうの問題。双玉問題をたくさん作っていると、いくつかのパターンがある。難しくはないが、意外な展開。













↓GOODなブログと思われたら、プリーズ・クリック


↓BADなブログと思われたら、プリーズ・クリック