今更ながら、事故は人災

2007-06-13 00:00:01 | スポーツ
f72ec7a4.jpgゴルフ場では、意外に大勢の人が倒れたり亡くなったりするそうだ。ただ、多くは心臓とか脳疾患とか、転落とか、自分に原因があることがほとんどである。一応、ゴルフもスポーツなので、一気に体力を使う場面もあるわけで、体調に不安がある方は、健康診断の結果と相談すべきだ。しかし、いくら健康でも事故は起きる。ボール直撃ケースだ。JNNニュースより。

ゴルフボール直撃、58歳の男性死亡(12日11:41)
 熊本県のゴルフ場で、男性が打ったボールが同じ組で回っていた45メートル先の別の男性の頭に当たり、この男性が死亡しました。
 事故があったのは、熊本県植木町のゴルフ場で、今月9日午後1時頃、パー5の9番ホールで、同じ組の男性が打った球が、佐賀県鳥栖市の会社員、○○○○○さん(58)の頭を直撃しました。
 ○○さんは事故直後は意識があり、病院に運ばれ手当てを受けていましたが、12日朝早く、死亡しました。
 警察の調べによると、2人は会社の同僚らとプレーしていたもので、男性が9番ホール2打地点で3番ウッドで打った球が、およそ45メートル先にいた○○さんの頭に当たったということです。警察では12日朝から実況見分して、事故の原因を詳しく調べています。

今更ながら、前に出てはならないのである。仮に、止むを得ぬ事情があって、ボールより前にいた場合は立ち木のカゲに隠れるなり、日傘で身構えるなり、少なくとも目を離したりしてはいけないし、止むを得ず、後ろから打つ場合も前にいる同伴プレーヤーに声を掛けて注意を喚起しなければならない。

他紙によると、ボールはこめかみに当たったらしい。3番ウッドはもともと低い弾道なので45メートルといえば、打った直後なのだろう。以前、私も3番ウッドのミスショットをした時、ボールを左に引っ掛けた。地上50センチのまま、打った直後に韓国の現政権のように左に急旋回。見事にコースのはじにある白いOB杭に命中。杭はバキッと悲鳴をあげ、その場で粉々に粉砕。「人間でなくよかったー」という経験がある。


いくつかの問題を考えてみる。

まず、人が亡くなっているのに、落ち着き払ったことを書くのもどうかと思うが、打った方が、「ファー」と言ったかどうか。そして、この距離で間に合ったかどうかについて考えてみる。

まず、人の声の速度だが、これは音速である。常温では340メートル/秒。45メートルであれば0.13秒で到達。一方、ボールには、初速制限があって、ヘッドスピードが43.9メートル/秒の場合、ボール初速が76.2メートル以下に決められている。この初速76.2メートル秒だと、45メートル先には0.59秒で到達。つまり、打った瞬間に声を出せば、逃げるまでに0.46秒の余裕がある。しかし、打ったボールが危険球と判断するまでには1秒ほどは必要だし、声を聞いてから逃げるにしても反応速度があるだろう。この、打ってから1秒後に声を出し、声を聞いてから0.2秒後に逃げると仮定すると、声で助かる距離はどれくらいだろう。ボールは初速からだんだん遅くなるのだが、とりあえず初速のまま飛んだと仮定してみる。

x/340+1.0+0.2=x/76.2 これを解くと、x=118(約)になる。118メートル=130ヤードということだ。これ以内の場合は、頭にあたってから「ファー」を聞くことになる。どんな気分だろう。もちろん聞こえなくなっている場合もあるだろう。

そして、キャディ付かどうかよくわからないが、キャディあるいは管理者の責任があるだろうか?たぶんないだろう。基本的にはキャディの責任範囲を超えているだろう。

さらに、ゴルファー保険のこと。おそらくは、保険に入っていると思うが、最近、入っていない人が多いということも聞く。理由は、保険料が高いということ。これは、大いに保険会社に道義的な責任がある。つまり、年額保険料(たとえば8000円)の中の、おそらく7000円分くらいがホールインワン保険。例えば保険金額50万円分とかだ。残りの大半はゴルフ用品の破損。本当の賠償責任分など数百円のはずだ。しかし、数百円の保険をつくると、たぶんその保険の事務手数料ばかりで収益が出ない。ホールインワンと組み合わせることで利益の出る保険商品ができるのだろう。

しかし、ホールインワンとかゴルフ用品とか考えてみれば数十万円の話。出費は痛いが払えないわけもない。だいたいセルフで回ると、多くの保険会社はホールインワンを認めない。一方、賠償責任は1億円の世界だ。本当に必要なものは安いのに、本当に必要ということもないものが高額のため、保険に入らない人間がいる、ということは、本当に悲しい。加害者が保険に加入していたことを祈りたい。

そして、事故の時間が午後一時ということで、一瞬、アルコールのことを思ったが、9番ホールということであるので、この線はないだろう。

むしろ、警察の実況見分が、事故があった直後でなく、三日後に亡くなった後というのが大問題のような気がする。



ところで、ゴルフ好きにとっては、ゴルフ場で死ぬことこそ本望という考え方もあるらしい。ゴルフ客として死ぬのだから、文字通り客死だ。実は、超キケンな思いをしたことがある。御殿場の方の山岳コースでのこと。

それは、18番ホール、パー5。ティショットから、どんどんカートに乗って坂を登っていくと最後にグリーンになって、そこがクラブハウスの前という状況。第二打目だった。4人で回っていたのだが、たまたま3人はカートを降り、私だけが一人、カートに残っていた。

そこで、事故が発生する。急傾斜の斜面でブレーキがはずれ、スタートしたティグランド方向に逆走をはじめる。ブレーキを踏んでも直前まで降っていた雨で芝はツルツル。まったく止まらなくなる。しかもカートは最新型の戦車のように立派で巨大。加速爆走を始めた段階で、脱出するしかなくなる。ハンドルを操作して、後ろ向きに蛇行させハンドルと逆方向にダイビングを決める。スキーのゲレンデのように濡れた芝の上をレインウェアを着ているわけで、止まるわけない。うつぶせにスーパーマンみたいに頭から滑走する。なんとか戦車型カートに踏み潰されないように手と足でもがいて方向を変える。そして、カートは運良く向きを変えコース横の金網の中に大激突。ゴルフバックはコース外に吹っ飛び何本もクラブが折れる。私も反対側のラフの中に滑り込み、死んだフリをする。

5分後に到着したゴルフ場の係員が、まず飛んでいって点検したのが、戦車型カートの破損状況であったのを、破れたレインウェアの私が見逃すことはなかったわけだ。

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