老熟幼虫のひみつ

2007-06-21 00:00:16 | 市民A
3804cb9e.JPG昨年は全国的に毛虫が大発生したそうだ。そのため、それを餌にしている野鳥が増加して、今年は逆に毛虫が少ないだろう、という予測があったのだが、どうもそうでもないようだ。今年も毛虫は出没しはじめた。ガーデニングの時に軍手着用しないとカブレルことになる。

一方、かぶれることはないのだが、ちょっと気持ち悪いのがイモムシである。何が気持ち悪いかというと、色が派手な緑色であることと、ツルっとした見かけかもしれない。

ところで、最近、動物学者の日高敏隆氏の小文を読んでいたら、イモムシが自ら破裂することがあるとの話があった。それは自然に破裂するのではなく、ある発達段階で胸の神経を切ると起きる現象だそうだ(動物学者も結構残酷だ)。

まずイモムシは幼虫である。卵からイモムシになり、次にサナギになる。そして蝶になる。美と醜が入り混じった一生だ。そして交尾して卵を産みまたイモムシが生まれる。中には前世は美しい蝶だったと思っている女性(男性も)がいるらしいが、イモムシやサナギだったと思っている人はいないだろう。突然、蝶に変身し、交尾をしたあと、人間に生まれ変わったのだろう。


そのイモムシからサナギになる直前のことを「老熟幼虫」というそうだ。つまりイモムシとサナギは随分と異なる生き物なので、その中間期(準備期)というものが必要となる。

まず、イモムシはサナギになる場所を探すわけだ。つまりサナギになったらもう動けないのだから、イモムシの時に妙な場所を選んでしまうと命取りになる。足場がしっかりしていて、サナギになったらうまくぶらさがれる場所で、成虫になって飛び立つ時に都合のいい場所。しかも、その場所は誰も教えてくれない。自分で考えるしかない。

そして次の段階は、大量の糞をすること。要するに、サナギというのはその間、飲み食い禁止なのだ。糞を体内にいれておくと腐ってしまう。もともとイモムシが緑なのは、葉っぱを食べ続けているからで、葉っぱの色だそうだ。この段階で大量の糞を出すと、体は透明に透けてくるそうだ。

そして、もともとイモムシの体には骨はないので、体の中から大量の糞を排出するとペチャンコになってしまうわけだ。それでは困るので、イモムシは口から空気を吸い込むそうなのだ。問題はこの時に発生する。口から空気を吸うとイモムシの腸が張ってくるわけだ。そして、ある満腹状態になると、その腸壁の情報がイモムシの脳に向かう。そして、空気を吸い込む口の筋肉に情報を連絡し、空気をのみこむことをやめるそうだ。

その時に、満腹情報は胸の神経を通るそうなので、そこを切ってしまうと、いつまでも擬似空腹状況が続き、吸い込み続けた空気が体を爆発させてしまうそうだ。

まるで社会保険庁みたいだとは思ってもしかたないだろうか。

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