1913年イギリスで軍の委託により小銃や大砲の地金開発に努力していた学者H・ブレリアンは出来損ないの素材をスクラップ置き場に捨てるときに錆びていない鉄片をスクラップの山から発見しました。それはクロムを13%以上含んだ合金でした。それを刃物メーカーの協力を得て食卓用のナイフに試作し、ステンレス鋼“Stainless Steel”の愛称をつけ特許を取りました。これがステンレス名の由来です。ちなみにJIS記号のSUSは、鋼(Steel)+用途(Use)+ステンレス(Stainless)の頭文字です。(記事の抜粋はttp://www.steel.co.jp/html/oshiet.top.htm#より転載)
というように、ステンレススチールの発明は偶然の賜物のようだが、排気ガスは水分も多く含まれているのでマフラーの中身もステンレスが望ましい。
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ところが、左側のように溶接による”焼け”が生じる。焼けは溶接時の熱でステンレス合金中の組成が変化し、スケール層とアンダースケール層ができてしまうものと言われ、中々強固で困った存在だ。ステンレスの溶接はTIGなら容易に行えるが、手間取って時間を掛けすぎるとクロム炭化物が粒界腐食割れというのを招くので注意が必要だそうだ。
溶接焼けを除去するには幾つか方法があるが、これは電解法を行うスケーラーだ。ボトルに入っている電解液を使い電気化学的に行う。
手に持った電極の先端に電解液を含ませて表面をなぞればOK。素手で行えるのは電解液が無機中性のタイプを使っているからで、酸性のタイプを使えば処理は早いが電解液の処分に困り水洗いも完全に行わなければならない。
で、左側が”アフター”。ステンレスの薄板は熔けが早く、このようにビードをキレイに揃えるのは技量が必要だ。
以上はワタシの自宅から歩いて2分のところで、20年前から一人でマフラー製作業を営んでいるi氏の仕事だ。今日は暇つぶしに寄ってみたら、ちょうど作業中だったので撮影させてもらった。
i氏は元々、2ストのチャンバー製作が得意で、画像のチャンバーは水圧バルジ成形で作られている。
1mm以下の鋼板でも100kg/c㎡ 程度の水圧をポンプで掛けるので、溶接がうまく行われないと成形が終わるまでに裂けたり水が洩れてしまう。
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工作が三度の飯より好きな性質ですので、TIG溶接にしても水圧バルジ成形にしても、
自分でやってみたくてウズウズしますね。
TIG溶接機欲しいなあ… (電源の問題がツライです)
単相200Vは家庭用ではアンペアが足りないかな・・・・
あ、チャンバーの下のほうの画像はバルジで成形した部分ではありませんでした。
機器代がまばら過ぎなんで費用が100万未満から200万程とえらい前後したり、電気料の契約をよく考えないといけないとか色々面倒ですが……