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ピストンエンジンは永遠か!な?

バイクを中心に話題を紹介します

続・大西エンジン

2010年01月12日 | エンジン

100105_2 画像はttp://nels.nii.ac.jp/els/110004857974.pdf?id=ART0008044022&type=pdf&lang=en&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1263187830&cp=より転載

この形式の変わっている点は、キャブレターからクランクケースにはいるポートと、クランクケースから掃気ポートへの出口の位置だ。

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画像は高速シュリーレン写真だが、上は燃焼が点火火花を起点に始まっているのに対して、ATACでは”活性熱雰囲気燃焼”が起きているために無数といえるほどの起点がある。

2ストエンジンでは燃焼室にカーボンが堆積している場合などに、ラン・オンという好ましくない現象が起こりやすいが、これを逆に利用して2ストエンジンの低開度スロットル運転時のバラツキを解決しようとする方法だ。

まるでダイムラーの”ホット・チューブ・イグニッション”に戻ってしまったような気がしないでもないが、自己着火に無数の起点があれば燃焼速度ははるかに早くなるし、使える燃料の種類が多くなる可能性がある。

ATACで自己着火を安定させて行うために工夫したのは、低負荷運転を続ける2ストエンジンのクランクケースの底にガソリンを溜まりにくくするために、掃気ポートへの出口をクランクケースの底に設けた。これは溜まったガソリンが空燃比を変化させないための処置だ。その後は同じ理由で掃気ポートに噴射ノズルを備えた試みもしている。

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大西エンジン

2010年01月11日 | エンジン

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もう10年以上乗っているが、2.4Lで車重が1.5t、普通の6人乗り乗用車として走りは可もなく不可でもなくで、市街地燃費は8km/L、一番良いときでも車載の燃費計で13km/L。誇らしげな?GDIのエンブレムが付いているのだが。

Gdi20system

GDIはガソリン・ダイレクト・インジェクションの略だと思うが、燃焼室内に直接燃料を噴射するとなると、空気と燃料を混ぜ合わせるために強いタンブル流を発生させることが必要になる。

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YOCP、NiCE、ATACなど、大西らは1967年ごろから多種類にわたって新形式の二サイクル機関を研究してきた。1971年、NiCEが発表されたとき、新聞や雑誌が「大西エンジン」と称して大きく報道した。当時、排ガス規制が国論を二分していたが、YOCPについてもNiCEについても、エンジン関係者の間でこれに似て称賛する者と首をかしげる者とあった。(画像と記事の抜粋はttp://nels.nii.ac.jp/els/110004857974.pdf?id=ART0008044022&type=pdf&lang=en&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1263114899&cp=より転載)

詳細は上記サイト(PDF)をみていただきたいが、タンブル流(縦渦)の有効性の発見の前はスワール(横渦)に注目されていた。2ストで掃気を確実に行うためにシリンダーに対面した位置にポートを開き、クランクケースから流入したそれぞれの気流を衝突させて行うのが一般的だったが、YOCPでは燃焼室をくさび型にし気流の方向を変えて、直接噴射する燃料と空気の混合を確実なものとし、更に今で言う層状燃焼も可能とする優れたものだった。

燃焼室内噴射は、通常の2ストエンジンが混合気で掃気をすることにより、新気の吹き抜けが燃費の悪化と排ガスにHCが多く含まれることを解決する手段だが、その副産物の排気弁は後にYPVSとして姿を現す。

結局は国内のメーカーがすべてパワーバルブを使うことになるのだが、最初のメカニズムが一番効果が高くトラブルは少なかった。

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STEPPED PISTON ENGINE

2010年01月09日 | エンジン

Norton_wulf_1980_500cc 画像はttp://www.classicmotorcycles.org.uk/bikemuseum/museum_norton.htmより転載

ノートンが2ストエンジンを開発していたことは余りよく知られていない。というか、画像を見る限りでは中々完成度は高いが、市販されたのかも不明だ。ヴァンケルエンジンにとって変われてしまったのだという説もあるが。

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Prinpcd5_2 画像はttp://users.breathe.com/prhooper/より転載

Bernard Hooperがチーフエンジニアとしてノートンに在籍していたときに設計したと見られる基本構造。

現在はstepped piston enginesと呼ばれているが、最初はダブル・ダイアメーター・ピストンといわれていたようで、要は下部の径が大きいほうのピストンで1次圧縮を行い、180度位相のもう片方のシリンダーに導入し、掃気も同時に行うという、別シリンダーを1次圧縮に使うクラーク式とクランクケースを使うデイ式のイイトコ取りだ。

これによりクランクケースを混合気と分離し、通常の4ストエンジンと同様の潤滑方法が可能になり、混合気にオイルを混入しなくても済む。

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基本構造から考えると2気筒が1組になると思うのだが、単気筒のエンジンもある。

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コンパウンドエンジン

2010年01月08日 | エンジン

Deutz2 画像はttp://www.dself.dsl.pipex.com/MUSEUM/POWER/unusualICeng/compoundIC/compoundIC.htm#より転載

これはオットーの考え出した1879年製Deutz compound engineだ。

外観からは蒸気エンジンか内燃エンジンか分からないが、排気エネルギーを利用して高効率を狙った先進的な試みだった。

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構造は、ボアの小さい両脇の高圧シリンダー内で燃焼を行い、まだ高温の排ガスを中央のボアの大きい低圧シリンダーに導き、排気エネルギーをパワーに変えようとする仕組みだ。

排ガスエネルギーの利用の代表はターボがあるが、19世紀に目をつけたのはオットーの業績と言える。

しかし、このコンパウンドエンジンは納品されたものの、作動不良で返品されたようだ。作動不良の理由はこのときにも固執していたスライドバルブにあるようで、構造と材質は高温に耐えられなかったと言われている。

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5ストロークエンジン!?”で紹介したイルモアのエンジンだが、原理はオットーのコンパウンドエンジンと同じだ。オットーの目指した夢は現代のテクノロジーで実現するのか!?

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ジョセフ・デイの最初の2ストエンジン

2010年01月07日 | エンジン

2simg1画像はttp://www.modelenginenews.org/etw/2s/images/2s-img1.jpgより転載

最初の2ストエンジンはスコットランドの David Icke が1881年に発明したことになっているが、それは1次圧縮を燃焼とは別のシリンダーを行うもので、現代の通常の2ストエンジンと同じ1次圧縮をクランクケースで行う方式はイギリス人のJoseph Dayが発明したとある。

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発明は1889年と言われているが、これは1891年だというから最初期のものだろう。クランクケースから燃焼室に混合気を導入するために、ピストンに気圧の差で開閉するポペットバルブが付いているのに注目したい。

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どこかで見たことがあるのは”バイクが先か?飛行機が先か? ”で紹介したGnomeエンジンの初期のピストンだが、ロータリーエンジンがクランクケースから混合気を導入する方法としてJoseph Dayの方法を倣っているとしか思えない。ついでに潤滑方法も燃料にオイルを混合するところまで同じだ。

2sfig2

しかし、ピストンにバルブを設ける案は廃止され、クランクケースからtransfer passage(連絡通路)を設けて解決する。大気中からクランクケースに混合気を導入するインテークポートは吹き返しを防止するためにピストンをスライドバルブとして使っている。この辺りは後年はロータリーディスクバルブやリードバルブに置き換えられているのはご承知の通りだが、4ストエンジンが様々なバルブ形式を巡って変遷を続けたのに対し、驚くほど初期モデルが機構的に成熟しているのは基本設計が優れていたと言うことか。

これからは、2ストエンジンをみたらJoseph Dayの名を思い出していただくのも良いと思う。

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2ストエンジン

2010年01月06日 | エンジン

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コレはスクーターの2ストエンジンだが、2ストは小型・軽量それにシンプルでパワフルと、排ガスをキレイにできなかったことを除けばイイことずくめで、スクーター・ロードレーサー・オフロード系それに汎用エンジンと広く普及して楽しませてくれたり、大いに役に立ってくれた。

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チェーンソーにV8エンジンを使うオオ○カ者もいるが、通常は2ストエンジンだ。もっとも最近は電動もあるみたいだけれど。

137000画像はttp://item.rakuten.co.jp/mitsuyoshi/137-14rt91vs-husqvarna/より転載

カッコいいハスクバーナのチェーンソーも意外と安い。

010101005003_1  画像はttp://shop2.genesis-ec.com/search/item.asp?shopcd=17267&item=010101005003より転載

ハスキーがあればホンダもある。

草刈り機は4スト化が進んでいるのか、それともホンダだけなのか。

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Bourke engine

2010年01月05日 | エンジン

30cc 画像はttp://www.rexresearch.com/bourke/bourke.htmより転載

1880年代に発明された2ストエンジンだが、1920年代に出てきたBourke engineはピストンを直接連結したopposed pistonとしては最初だと思える。

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全体の動きの動画は残念ながら埋め込みできないので、スコッチヨークとクランクの働きを説明する動画になる。

Howitworks_p画像はttp://www.bourke-engine.com/より転載

これは1920年当時のものか分からないが、画像転載元はbourke-engineの公式サイトのようで、現在も活動中みたいだ。

ご覧のようにかなり高回転で軽快に回っている。

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水冷ピストン!?

2010年01月03日 | エンジン

Motorcycle_lge 画像はttp://www.pivotalengine.com/index.htmlより転載

1996年の試作車だから、見覚えがあるかもしれない。

フレームは当時のTZ系に似ているが、エンジンの形に気をつければヤマハのではないことに思い当たる。

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最大の特徴はピストン丸くなく矩形であるし、右端の軸を中心に弧を描く往復運動することだ。

アニメ *クリックするとアニメのウインドウに移動します

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通常の2ストエンジンでは、各部を潤滑するためにガソリンとオイルを混ぜたり、スズキのCCI(シリンダー・クランクシャフト・インジェクション)のように分離給油するが、燃料と一緒に燃焼してしまい排気ガスの成分に炭化水素が多く含まれ匂いと煙はすっかり嫌われたのか、現在の環境基準には合わなくなり日本国内では生産されなくなったのはご存知の通りだ。

通常の往復ピストンのエンジンでは、燃焼圧力とクランク運動の合成モーメントで、シリンダーとピストンの間のクリアランスは保つことができても、側圧は避けられない。ピボットがあれば水冷で熱膨張をコントロールしている限り、ピストンとシリンダーの接触を避けられるので、潤滑の必要は最小限で済むというから、オイルの燃焼は無視できる範囲なのだろう。

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2003年には開発が進み、航空機用エンジンにも及ぶ。

Pv3508sml

乗用車用4チャンバーエンジンは、トヨタのV6と比べてパワーが同じで、大きさと重さは半分だという。そして更にはパラレルハイブリッドのパワーソースとして、燃料を水素と天然ガスのタイプを提唱している。気がかりなのはサイトの最新ニュースが2009年の2月ということだ。

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フレーム・イグニッション

2010年01月02日 | エンジン

Capture0922200580912_am画像はttp://patentpending.blogs.com/patent_pending_blog/2005/09/the_otto_engine.htmlより転載

画像は1877年のオットーによる特許の図面。吸気バルブはポペットバルブと理解できるが、排気はスライドバルブで”イグニッション・バルブ”も組み込まれているのが分かるだろうか。

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画像のオットーエンジンは、燃焼の前に圧縮する方法の最初期の市販型と思える。

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というのはクロスへッドを使っているからで、今までより高速で回転できるようになったらピストンの潤滑の問題が持ち上がり、 それを解決するために側圧が発生しないクロスヘッドを採用した。その後はシリンダーの上に油溜めを置くなどして潤滑方法を考え出し、クロスヘッドは廃止したようだ。

しかし、動画ではパイプ状の部品の奥に種火が見えることからフレーム(炎)イグニッションを使っていることが分かるが、ダイムラーの手によりホットチューブ・イグニッション(続・ホットチューブ イグニッション)が考え出されるまで、小型・高回転化して車両に搭載できるのが待たされたのは史実の通りだと思う。

Ca1q01l1*クリックすると別ウインドウが開き、アニメが動きます

ルノワールの非圧縮エンジン(ルノワールのエンジン)は電気火花による点火方式だったが、オットーが踏襲しなかった理由はいくつか考えられる。ジャン=ジョゼフ・エティエンヌ・ルノアールは電気メッキの改良、馬車の電気ブレーキそれに点火プラグなどを含めて80もの特許を取得した発明家だが、ルノワールエンジンの点火装置も自身で発明した公算が高く、競争相手には技術供与を積極的にはしなかっただろう。それに大気圧では放電したが、混合気を圧縮した高気圧の条件ではより高い電圧が必要だから、ルノワールの点火装置では性能的に不十分ということが考えられる。ここで積極的に協力していたら、マグネトーの発明はボッシュの発明より20年早く、ドイツではなくフランスの栄誉ということになったろうに。歴史の綾が見える気がする。

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オットーの2ストエンジン?

2010年01月01日 | エンジン

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。

100101 画像はttp://services.eng.uts.edu.au/~johnd/ICEngines/HISTORY%20OF%20THE%20OTTO.pdfより転載

ニコラウス・オットーといえば4ストローク1サイクルエンジンのオットーサイクルと言われるほど知られているが、OTTO - LANGEN ENGINEという大気圧エンジンはあまり知られていない。ちなみにLANGENはドイツ語で”範囲”と翻訳できた。

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ご覧のように実働するエンジンが現存している。最初にコックをひねりガスライターで着火するのは”ホットチューブ・イグニッション”と同じだが、これは”ルノワールのエンジン”が電気式点火を行いクランクを使っていたことからむしろ退化しているように見えるが、オットーが1867年のパリ世界博覧会に出品しルノワールのエンジンと比較試験を行い、1/3のガス消費量で動くことを証明したそうだ。

そのカタチから、ギリシャのイオニア式柱と呼ばれている。

こちらの動画では種火が見えるし、スライドバルブが複雑な動きをして、吸排気と点火を行う様子が分かる。

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