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ピストンエンジンは永遠か!な?

バイクを中心に話題を紹介します

倒立フォーク分解

2008年02月18日 | サスペンション

人気blogランキングへ  週の半ばから暖かくなる予報。

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倒立フォークを分解するためには画像のようなSSTが必要で、助っ人もいると苦労は半減します。

SSTは2つありますが、用途は同じで上が日本製、下がアメリカ製(タブン)です。

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まずフォークトップを緩めます。スプリングの反力は掛かっていませんから、ネジが外れた瞬間に射出する心配はありません。

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アウターチューブは自由に動かすことができ、出現する景色は通常の正立タイプと趣が違います。もっとも正立タイプでもダンパー調整機能が付いているカートリッジ式は、これと似ていたかもしれません。

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ここで助っ人が必要になります。矢印のチューブを押し下げてSSTを差し込むのに、手が2本では足りないのです。

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この日本製のタイプは青矢印のチューブに開いている穴を利用して、緑矢印のSSTのハンドルの先端 を差し込むので、助っ人は要らないかもしれませんが、次の段階ではやはり手がもう1本必要です。

どちらにしてもサイズが合わず使えませんが。

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つまり緑矢印はフォークトップのロックナットですが、これを緩めるときにナットをSSTの切り欠きに引っ掛けて行いますので、日本製SSTを使っても両手で押しながらリテーニングプレートを差し込む必要があります。

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ロックを外してトップを緩めていけば、このように抜けます。

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ダストシールを外して・・・・。

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スライディングハンマーの要領で伸び縮みを繰り返せば、このようにオイルシールとともに抜けます。

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このとおりバラバラになりました。

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これはナンダ!?其の弐

2008年02月16日 | サスペンション

人気blogランキングへ  今日も風がなければ暖かいのに。

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コイツの正体は?

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サスペンションユニットのロッドに付いていたバンプラバーです。

やはり8年放置のツケはアチコチにあり、すっかり風化していました。バンプラバーがないと、底付きしたときにまずいので何とかしなければなりません。

幸いに旧知のN氏のショップ”アドバンテージ”に連絡をとってみたところ、何とかしてくれるそうです。

いずれにしてもガス圧も心配ですから・・・・。

予定されているオーナーさんの体重を考えると、万全の整備が必要ですね。

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サスユニットを外したついでに・・・・。

アルミ製のサブフレームの上側取り付け部にご注目をしてください。

フレームとサブフレームの固定を兼ねていますから、かなり強いトルクで締まっている貫通ボルトのために、矢印の厚めの平ワッシャーを使っています。

鉄製のワッシャーも座屈しているのがお分かりでしょうか?

サス交換は結構困難な作業ですから、このワッシャーの脱落にご注意してください。

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正体は!

2008年02月15日 | サスペンション

人気blogランキングへ  今日は風もやや弱い。

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”これはナンダ!?”で紹介したインナーチューブ下部の部品は、単体ではパーツリストにも載っていませんから名称も不明ですが、インナーロッドとの相対位置です。

矢印部分がインナーチューブの内側を摺動します。

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矢印のシールらしきものとロッドの間に、1mmくらいの隙間があることにご注目下さい。

これではシールの役目はしないと疑問があるかもしれません。

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これは”フォークあれこれ”の記事でハーレーダビッドソンの38mmフォークとして紹介いたしました。

これには”初期型インナースプリングフォーク”で紹介したチェックバルブがありません。チェックバルブの役割は、フォークの動作方向による減衰能力を非対称にするものと説明いたしました。

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これはインナーチューブ下部付近を図にしてみました。

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分かりやすいように更に拡大。

フォークが縮むにつれて、赤いオイルに満たされた斜線部分は容積が増えていきます。

フォークが縮むときに減衰が効きすぎると都合が悪いですから、赤い丸のリストリクターからオイルが流入するとともに、黒い”シール”が押されて流入量を増やします。

”シール”とロッドの間からもオイルが流れます。

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フォークが伸びるときに設定された減衰機能を発揮します。

つまり縮むときと反対に斜線部分は容積が減少するわけで、小さい穴のリストリクターからオイルが出て行くときに抵抗が生じて、フォークスプリングの反力で伸びる速度を減衰します。

このときには”シール”はスプリングとオイルの流れで押されて閉まっていますから、オイルの流れは隙間からだけですね。

ここで疑問がもう一つ生じると思います。

”シール”に隙間など作らないで、シールさせたほうが能力が上がるのではないか?と。

続きます。

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これはナンダ!?

2008年02月13日 | サスペンション

人気blogランキングへ  これから”さいたましんとしん”まで出掛けます。

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この画像を見て、何の部品か分かるでしょうか?

この部品の恩恵に授かっている方は随分と多くいると思いますよ。

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通常は左側のパイプ状の部品の中に納まっています。

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つまり、テレスコピックフォークのインナーチューブの下端部に組み込まれていて、カシメて固定してありますから、左の状態からカシメ部分を削り取って抜きました。

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単体部品はハーレーの38mmフォークのものですが、これは35mmフォークで、コレにも付いています。

詳しい構造と役割は後ほど。

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初期型インナースプリングフォーク

2008年02月09日 | サスペンション

人気blogランキングへ  今年は良く雪が降ります。今日も夕方から降ってきました。

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”フロントフォークあれこれ”ではテレスコピックフォークの構造の変化に触れましたが、SL350のフォークをオーバーホールしたついでに撮影した画像を使い、初期型インナースプリングフォークの構造を考察してみましょう。

まず、今ではお目に掛かれない伸び側ストッパーが緑矢印の細いリングです。図中央が伸びきった状態で、図右が少し縮んだ状態です。

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これが現物で、矢印のリングがツバ付きブッシュに当たり、ストッパーになります。

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これが理由のような気がしますが、フォーク上部のスプリングを受けるのはスナップリングで、スプリングのプリロ-ドは掛かっていない(プリロードが掛かるとストッパーに荷重が掛かる)ですから、車重のみのいわゆる1Gでも沈み込みが大きく、重量車には使えないでしょう。

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これもお目に掛かれないボールを使ったチェックバルブ。インナーチューブの外周に120°間隔で計3個あります。

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つまり、こういうことです。フォークが縮む過程では図左のように、斜線部分のオイル室は容積が大きくなるので、チェックバルブは①のように開きオイルは抵抗が少なく流入します。

フォークが伸びる過程では、斜線部分のオイル室の容量が小さくなりますので、のようにチェックバルブは閉じオイルの流れはオリフィスのみになりますから、抵抗が大きく、フォークの動きは減衰されます。

後の構造では減衰機能を司るインナーロッドは、この場合は単なるスプリング受けになっていることにもご注目ください。

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フロントフォークあれこれ

2008年02月04日 | サスペンション

人気blogランキングへ  昨日と、うって変わって暖かい。

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以前の記事”フォーク組み立て”でSL350のフォークは、ごく初期のインナースプリング式と記述いたしました。

画像②がSL350の現物を元に作画しましたが、①はそれ以前のアウタースプリング式のテレ スコピックフォークの概略です。減衰機構は記憶にもありませんから省略してあります。

③はハーレーダビッドソンの38φフォークを元に描いてあります。

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これは1966年頃のスズキT250というスポーツモデルで、露出したフォークスプリングが特徴です。この頃のバイクはフォークに蛇腹ブーツや円筒形のカバーが付いているのが普通です。

この後1968年にヤマハDT1がデビューしてオフロードモデルの改革が行われ”チェリアーニ式(セリアーニ)”のインナースプリングフォークが瞬く間に普及します。

図をご覧になれば、インナースプリングの利点(ソフトで長いストローク)はお分かりと思います。

以上は日本国内の事情ですが、アメリカではハーレーダビッドソンが1949年のハイドラグライドが今とさほど変わらない41.2mmフォークを採用して、インディアンもほぼ同時期でしょうか?

ヨーロッパでは大戦の影響が大きかったのか、高価なビンセントもガーターフォークだったし、トライアンフやノートンなども1950年代になってからテレスコピックフォークが採用されたと思われます。

テレスコピックフォークの技術が確立されたのは、大戦での航空機の主脚のメカニズムが元になっているのでしょう。

旧日本軍の紫電などはテレスコピックの上、機体が元々水上機であったため中翼なので脚長が長い必要があり、そのために脚をだすときに伸びるという複雑な構造を持っていたほどです。

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フォーク組み立て

2008年01月23日 | サスペンション

人気blogランキングへ  とうとう雪が降ってきました。

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検査表を信じないわけではありませんが、一応自分でも測ってみます。

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シールは純正部品が手に入りました。

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組み立てに入ります。矢印”フォーク分解”の記事でも紹介したチェックバルブのボール。役割は後で考察してみましょう。

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チェックバルブを抑える役目もあるスリーブを固定するリテーニングリングを取り付けるときも、バイスを使ったほうが良いですね。

リテーニングリングの端面形状は矢印のようになっていますから、通常のリングプライヤーが使えました。

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矢印のCリングはフォークが伸びたときのストッパーになります。つまりこの状態で考えるとフランジ付きのブッシュに対してスライドして、フランジの反対側にCリングが当たりストッパーになるということです。

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この画像は以前の記事”35mmフォーク分解”に掲載したものですが、現在の一般的な正立フォークではインナーロッドの上部先端がストッパーになっています。

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つまり、このSL350のフォークはごく初期のインナースプリングタイプでありますので、インナーロッドの役割があやふやであり、上の画像のように下側から差し込むことができるという、今では考えられない構造です。

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荷造りテープも使いました。

このインナーチューブにはステムのクランプの間になるところが、どういう訳かくびれています。

矢印はメッキ再生の外注依頼のときの指示をしたときに、ワタシのミスでマスキングをするこになってしまいました。

フォークの性能と見栄えには全く影響はないのですが、ちょっとした段差になってしまい、オイルシールを差し込むときに引っ掛かってシールリップを傷つける恐れがあります。

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つまり、インナーチューブの段差にテープを貼り、このリスクを無くそうということです。

下側から差し込めばこれは不必要ですが、このインナーチューブは下部が複雑な形状ですから、逆にシールリップを痛めるリスクが高くなります。

差し込む前にチューブとシールリップにはシリコングリスを塗っておきます。

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手に持ったブッシュのフランジはアウターチューブの矢印部分に収まります。

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インナーチューブに全部の部品をセットして、オイルシールを専用インストーラーを使い押し込みます。

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最後にリテーニングリングを取り付けます。

インナーチューブにチェックバルブがついたフォークを分解したのは始めての体験でしたが、ダンパーの仕組みも随分と違うことに気がつきましたので、後ほどになりますが現在のフォークと比較した考察をしてみたいと思います。

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再メッキ完了!

2008年01月19日 | サスペンション

人気blogランキングへ  今のところは晴れていますが、雪は降るのだろうか?

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東洋硬化さんに依頼しているフロントフォーク インナーチューブ再メッキは、サクサクと行程が進んでいたようです。

画像は古いメッキと傷を取り去る行程です。

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メッキ前の行程ですが、マイクロメーターで円筒研削後の寸法を確認。数箇所測定します。

ココまではコチラ

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クロムめっき後の原状寸法復帰の為の仕上円筒研削加工です。

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見事に仕上がっています。

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ココまではコチラ

行程ごとに数値管理をしていただいているので安心ですね。丁寧に作業をしていただき、またブログでの公開をありがとうございました。

今回は無理をお願いして作業工程を公開していただきましたが、通常はこうした外注した作業は座して待つだけです。

拙ブログでも、ご了承いただいたユーザーさんの車両の作業工程を紹介しておりますが、ブログの有効的な使い方として、インフォームドコンセントや記録のために活用すると、より信頼をしていただけるのではないでしょうか。

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インナーチューブ径計測

2008年01月11日 | サスペンション

人気blogランキングへ  今日はこれから所用で横浜。

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インナーチューブを再メッキするために東洋硬化さんに送りました。

その前に確認の意味で画像中の①②③の部分の径を測ってみました。

は摺動部ですし、にはがピッチリと嵌ります。

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①の摺動部は32.95mm。

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②は32.93mm。

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③は32.91mm。やはり僅かずつ径が違います。しかも見た感じの色も違うような気がして、摺動部以外はメッキしていないような・・・・。

ところが心配に及びませんでした。この記事を書いている最中に、東洋硬化さんから確認の電話をいただきまして、メッキするのは摺動部のみだということです。一安心。

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フォーク分解

2008年01月08日 | サスペンション

人気blogランキングへ  明日まで暖かい予報。

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車体からフォークを外しました。

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まずシールを固定しているサークリップを外します。

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次にインナーロッドを固定しているM8のキャップスクリューを、インパクトレンチを用いて抜き取ります。雌ネジであるインナーロッドは中で自由に回転してしまいますから、インパクトレンチのほうが作業が進みます。

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通常ならインナーロッドの固定を外すと、インナーチューブは自由に伸縮して、この状態を利用すればスライディングハンマーの要領でシールを外すことができます。

しかし、今回はどういう訳かそれが不可能で、スプリングを押さえているインナーチューブ上部の矢印サークリップ(コレも初めて見ますが)を外してから・・・・

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抜けました。矢印がシールですね。

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インナーチューブの底には見慣れない光景が・・・・

矢印はボールのような物体に見えます。

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いずれにしても再メッキ加工を依頼するには、チューブ単体にする必要がありますから、付属品は全部取り外します。

このサークリップは手強そうなので、バイスにしっかりと固定してから。

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サークリップを外してスリーブ状の部品を抜くと、120°間隔にボールが(恐らくチェックバルブの役割と思え)入っていました。

続きます。

人気blogランキングへ 正月休みで下がりきってしまったランキングポイントも、お陰さまで回復しつつあります。