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ピストンエンジンは永遠か!な?

バイクを中心に話題を紹介します

インナーチューブの錆

2008年01月07日 | サスペンション

人気blogランキングへ  今日は曇って寒い。

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暮れには完成の画像をお見せしたSL350ですが、フォーク インナーチューブの錆をどうしたものか迷っていました。

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表面だけの錆なら磨いて落とすことはできますが、これは母材まで進行していますから、このまま乗り出すとシールがダメになってしまうのは目に見えています。

新品部品があれば迷わず交換ということになりますけれど、タブン 恐らく きっと入手不可能でしょうね。

そこで思い出したのは東洋硬化さん。以前トラックバックしていただいたのを思い出しました。

再メッキの施工価格は当時の部品価格を上回るような気配ですけれど、インナーチューブのような摺動部は通常の装飾メッキとは違い、硬質クロームと言われるメッキとしては特殊な部類だと思われます。

更に、錆による侵食でできた穴を埋めて規定のサイズに仕上げるとなると、見た目を満足させる装飾メッキよりかない高価になるのは致し方ないことです。

フォークの分解作業やメッキの仕上がりなど、追ってリポートしたいと思っています。

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35mmフォーク分解

2007年07月24日 | サスペンション

人気blogランキングへ 今日は湿度も低く、気持ちよい晴天。   

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外したフォークのシールリテーニングリングを外します。

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一番底のダンパーチューブを固定しているボルトを外します。

コレは最近のサービスマニュアルにも記載してありますが、ダンパーチューブを押さえる方法がないために、インパクトレンチの使用を推奨してあります。

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このフォークは日本のショーワ製です。キャップボルトに使用するヘックスレンチサイズは6mmですが、ボルトが特殊な形状をしていて工具の入る穴が浅いために、角が少しでも丸くなったヘックスレンチを使うと穴が滑ってしまうことがあり、そうなるとボルトを取り除くのに大変な労力を使うことになりますから、緩めるときは気を抜けません。

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ボルトを外すとインナーチューブはスポッと抜けます。コレは’83年までのモデルにはブッシュを使っていないためです。真っ黒に汚れているオイルにもご注目を。

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汎用のシール抜き取りSSTは中々優秀です。長い間オーバーホールしていない場合ではシールが固着してしまい、抜き取るのに苦労するときがありますね。

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オイルにまみれた部品は古新聞の上に置いておくと良いでしょう。新聞紙の再生を考えると心が痛みますが・・・・。

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ほぼ同時進行で作業を行ったTCエンジンのFXSTのフォークです。

黄矢印赤矢印がブッシュで、金属同士の接触がありません。緑矢印のリバウンドスプリングも追加されています。

赤矢印のブッシュがあるお陰で、インナーチューブをスライディングハンマーのようにスライドを繰り返せば 、シールを抜き取ることができます。

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フォークのストロークは青両矢印の範囲になります。883ハガーは短いダンパーチューブを使うことにより全長を短くしていたことを思い出します。

緑矢印のロワーストップは忘れやすいのでご注意を。

まだ続きます。

バイク盗難情報

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Fフォーク取り外し

2007年07月23日 | サスペンション

人気blogランキングへ 晴れ間も束の間。今日は時々小雨。   

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光りものは写真が良く撮れませんが、フロントフォークのオイル洩れです。

車両は予定が遅れに遅れながらエンジンオーバーホールの作業を行ってきましたが、やっと次の段階に進められます。

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まずタイヤを外すために、ブレーキキャリパーを外します。

このボルトは必要以上に強く締まっていることが多く、3/16インチサイズのヘックスレンチはスナップオンでも捩れてしまうことがあります。

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外したキャリパーの裏側ですが、ナットは緩み止めにカシメめられているのでそれほど強く締める必要はありません。

キャリパー本体のナットのまわりに肉厚が薄いですから、破損しているのも見受けられます。

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幅の狭いナローフォークはフェンダーを固定するボルトが、タイヤを外す際に邪魔になります。

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いずれにしてもフォークを外すのにはフェンダーを外すことになります。

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アンダーブラケットのクランプボルトを緩めて、クランプ部分には潤滑剤をスプレーしておきます。フォークチューブはハードクロームメッキしてありますが、クランプがキツイと内側の錆などで無用な傷をつけてしまうこともありますので、最善の努力をしておきます。

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35mmフォークは上端がテーパー勘合ですから、ショックを与えないと抜けません。

トップボルトを緩めてからガムテープで養生して、柔らかい金属か木材などをあてがってハンマーで叩きます。

続きます。

”油圧の分配”の続きは20kmほど試運転して、完全にエンジンを暖めてからでないと油圧の確認ができません。この雨続きの天気にも困ったものです。

バイク盗難情報 関東では茨城に被害が多いようです。

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スイングアームのベアリング

2007年06月15日 | サスペンション

人気blogランキングへ  昨日の激しい雨は止み、今日は風が強いながらも晴れわたる。

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継続車検の点検ではスイングアームの動きもチェックします。

横方向にはガタがあってはいけませんが、今回は10mmも動きます。

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スイングアームピボットシャフトはロックタブを起こせば、緩めることができます。

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スイングアームの根本は普段は触れられることがなく、大抵の場合にはスゴク汚れていますね。

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ピボットシャフトをきれいにして点検すると、矢印のように虫食い状態でしたから、程度の良い中古品を使うことにしました。

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ベアリンググリースはたっぷり残っていて、一見異常はなさそうですが・・・・。

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画像ではグリースの色がヘドロのように見えますが、実際はモリブデングリースのようです。

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グリースを取り除いてみると、アウターレースはすっかり錆びています。

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アウターレースを抜き取るのは、ホイールハブのSSTと共通に使えます。

これがないとカナリ厄介です。

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新しいベアリングにグリースをたっぷり使って・・・

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スペーサーも錆びていて、このまま使うとシールの磨耗が早くすぐに機能を失い、水が入ってしまえばベアリングもすぐダメになってしまう恐れがあります。

以前に再メッキしておいたスペーサーがありましたので、コレを使います。

シールとベアリングはハブに使う部品と同一です。

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ベアリングの調整にはバネ秤を使います。

サービスマニュアルによると1~2ポンド(約450~900g)で動き出すように、ピボットシャフトを締めます。

この方法は昔の車のデフのドライブシャフトやハブベアリングの調整方法などと同じで、プリロードを掛けることになります。

ハーレーのハブベアリングはエンドプレーを設けますので、間違えないように気をつけてください。

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スポスタ スイングアームピボット

2007年02月04日 | サスペンション

人気blogランキングへ  立春を過ぎたら寒くなりました。 強烈な赤城おろしです。                    

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第2回「明日のバイクを考える会」を開催いたします。

1、日時    2月16日(金) 午後6時から

2、場所    池袋周辺 参加者には詳しくお知らせいたします。

3、お申し込みはコチラにお願いします。

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ハーレーダビッドソンではスイングアームのことをリアフォークと呼ぶようです。

’03年までのスポーツスターでは、上の図のような構造になっています。これは他では見たことがない特異な構造で、プライマリードライブがかさ張っているために苦肉の策とも言えるような気がします。

二次駆動側を2個一組のテーパーベアリングで支持して、スイング運動とスラストの動きに対処しています。反対側は、簡単なブッシュで限られたスペースに対処しています。

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3/8サイズのヘックスレンチもやっと使えます。

組み付ける時はこのスクリューにはロックタイト242が指定されています。

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ピボットボルトの工具サイズは1インチです。かなり強く締まっていますから、シッカリした工具でないと緩みませんね。ちなみに締める時の指定トルクは68Nmとマニュアルに記載があります。

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これが左側ですね。ブッシュが磨耗していたり、スペーサーが錆びたり磨耗していたら要交換です。

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これは右側です。一見ベアリングなど入っているようには見えませんが・・・。

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ダストシールを外すとベアリングが見えます。ダストシールにはゴムのリップが付いていないにもかかわらず、水などの浸入がありませんでした。

’80年代の車両にはリップ付きダストシールだった記憶がありましたけどね・・・。

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矢印がベアリングスペーサーで、これを失くしたり入れ忘れたりすると、正しい動きをしてくれません。ちなみにベアリングを交換する場合は、このスペーサーとロックリング、ベアリングをセットで交換するとマニュアルに記載してあります。

つまり、このベアリングの使い方は’99年までのハブや、エンジンのフライホイールシャフトと同じで、エンドプレーが厳密に設定されています。

ベアリングの推奨メンテナンススケジュールは、16000km毎の給脂となっています。

でもこのスケジュールでメンテナンスをする方が、どれほど居るかは疑問ですね。ベアリングですから、水が入らない限り動かなくなることはないでしょうけれど、リアショックの性能ウンヌンを言う前に点検したほうが良いのは言うまでもありません。

しかし、ココは重要保安部品ですから、分解整備は認証整備工場で行なわなければならないことも付け加えておきます。

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ローダウンの弊害

2006年04月27日 | サスペンション

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ローダウンの危険性を12月7日の記事で書いていますが、弊害はこれだけではありませんでした。

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車両は1998年最終のエボ・ローライダーです。ワタシが仕入れた時にはサイドバッグが付いていて、この部分は隠れて分からなかったのですが、どこかの”大馬鹿ヤロー”がモディファイをしてくれてました。

キャリパーの赤矢印部分のペイントがキズついているので、モディファイをする前にフェンダーが当ったのでしょう。

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キズと言えば、矢印のキズはシートの脱着時に作ってしまいます。

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新車時には矢印のところにシートベルトが装着されているので、シートの脱着は困難でしたね。

車検時にはシートベルトかシーシーバーがないと、2人乗りで受かりません。

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現在装着されているリアサスのストロークは約70mmで、自由長は実測323mmです。

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フェンダーとキャリパーのクリアランスは約100mm。

この部分はリアサスよりスイングアームピボットから大分外側なので(ザット計算して)リアサスが70mmフルストロークすると80mm動きます。

ココでの安全圏を見ると、リアサスの最低限の長さは(ストロークが同じとして)300mm必要ということです。

つまり、ローダウンしても最低限12インチの長さにしてください。

ハーレーの純正ペイントパーツの入手は誠に厄介であるし、高価です。

このリアフェンダーの日本価格は113.000エン!!

今回はアメリカ国内のディラー経由で入手したので$500くらいでしたが、最初に来たのはストライプがなかったりで、結局半年も掛かってしまいました。

各種の弊害を乗り越えたローダウンは、それほど良い物でしょうか?

フェンダーに切り込みを入れたローダウンはカッコ悪いと思うがな~。


スイングアームピボット

2006年04月09日 | サスペンション

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来週に納車予定のSさんのFLのスイングアームです。

リアハブの整備のついでに外してみました。タイヤが外れていれば簡単です。

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シールは意外と大丈夫そうですけれど、ココで茶色のサビが見えると・・・・。

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雰囲気は悪いですね~。

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グリースは少ししか入って無いし、ベアリングもサビています。

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グリースを拭き取ってみると良く分ります。

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ココのベアリングは回転運動ですけれど、1回転も回らず数度しか振り子運動しかしませんので、手入れを怠るとローラーのサビだけでなく、アウターレースが痛んでしまいます。

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このアウターレースを抜くのには、やはりSSTの登場です。

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スイングアームのグリスアップは赤矢印のニップルから行います。

そして青矢印の小穴から、余分なグリースが排出するようになっています。

この穴のお陰でスイングアームの筒状の基部の中はグリースで満たす必要があり、マニュアルにもそう記載されています。グリースが足りない場合には、このケースのように小穴からの水の浸入でベアリングが錆びてしまいます。

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ニップルが詰まっていないか確認してみました。

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このように中に出てくれば良いでしょう。

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グリースは純正のベアリンググリースのカートリッジ、グリースガンはアメリカ製のゴツイのを使っています。

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ベアリングとシールは新品を使います。共にハブのものと同一ですが、シールは後期型のシール性に優れたモノにしました。

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グリースをベアリングのケージの間にも押し込んで、たっぷり塗っておきます。

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ベアリングを置いてからもグリースをタップリ塗っておきます。

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シールのリップにもグリースを塗っておかないとリップとスペーサーが磨耗します。

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一連の作業でシールの外側の淵部分の塗装が剥げてしまうので、タッチアップしておきました。

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ピボットシャフトとロックワッシャーです。

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スイングアームを取り付ける前に、ピボットシャフトとフレーム側のネジが正常であるか確認すると良いでしょう。

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ピボットベアリングのマニュアルによる調整方法は、まずシャフトを軽く閉めた状態でのスイングアームの重さをはかり、秤の表示の重さに1~2ポンド(450g~900g)を足した数値で引き上げ、それでスイングアームが動きだすようにピボットシャフトを締めます。

ハブと同じベアリングを使用して使い方も似ていますが、ベアリング間のスペーサーが無いため、強く締めればスイングアームが動かなくなるまで締まってしまいます。逆に調整トルクが少なすぎればスイングアームは横方向にガタついてしまいます。

いうなればトリプルツリーのベアリングの使い方と同一と言えるでしょう。

こうしたベアリングの使い方はプリロード(与圧)を掛けると言って、昔のFR車クルマのフロントハブやデフのドライブギアも同じで、荷重が掛かってガタついては困る高剛性が求められる部所に使われています。

日本車では大型バイクのスイングアームピボットの支持には、今でこそニードルベアリングなどが使われていますが、割合最近までブッシュで済ませていました。ドウカティさえベベルの時代はブッシュでした。ハーレーのH-DはヘビーデューティーのH-Dではないかと時折思いますが、テーパーローラーベアリングはスイングアームの最初から採用していたのですね。

リアサスペンション自体の性能も大事ですが、ピボットを整備するのも大事な事です。

*リアサスペンションは重要保安部品ですから、分解整備は設備と技術の整った認証整備工場で行う事をお勧めします。


41mmフォーク

2006年03月13日 | サスペンション
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ハーレーのカスタムパーツは数多く有りますが、いざ突き詰めると意外と無いパターンもあります。

11.5インチ ダブルデイスクブレーキ
41mm、FXSTスタンダード+2インチ
ハードクロームメッキ

という組み合わせですが、ロングスライダーチューブ(インナーチューブ)は普通ショークロームになっていて永く使えないし、下手をするとトリプルツリーに差し込んだだけでキズだらけになってしまいます。
エクステンションは論外で、剛性に不安はあるし継ぎ目がみっともないし、絶対に使いたくはありません。
写真のモノはForkinng by FRANKというメーカーでした。

フォークスライダー(アンダーチューブ)はCCIのキット。

中身はジャンクから見つけてきたモノと、果たして組み上げられるかな?

■まずはジャンクの分解

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ダストカバーを外して、スナップリングも外します。

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インパクトレンチは仕事をシンプルにしてくれます。

このダンパーチューブのボルトを緩める場合には、インパクトレンチがないとフォークの中からダンパーチューブを抑える必要があり、フォークによって違うSSTがないとできません。

ちなみに、ショーワ製のフォークのボルトはミリネジですから、使う工具は6mmのヘックスです。
高年式のこのボルトの頭の穴は浅いので、キチンと押さえないと穴を壊してしまいます。

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このタイプのフォークは、スライダーチューブとフォークスライダーのそれぞれに組み込まれているブッシュが干渉するので、ダンパーチューブボルトを抜いても引っ張ったくらいでは抜けません。
ダンパーチューブボルトを外したことにより動くようになった範囲で、勢いよくスライディングハンマーのように動かすとシールともども外れます。

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フォークオイルを定期的に交換しないと、このようにオイルは汚れますヨ。

アルミ製の”ロワー ストップ”はたいていフォークスライダーの底に残っているので注意です。

スライダーチューブのトッププラグを外せば、スプリングとダンパーチューブは出てきます。

■キットの中身
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フォークスライダーのキットの中身です。
必要な部品はほとんど含まれています。惜しいのはダンパーチューブの銅ガスケットが無いくらいですね。


■点検・組み立て
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スライダーチューブにキットのブッシュを嵌め込んでスライダーチューブに差込み、動きをチェックします。
他メーカー同士の組み合わせの場合には入念に確認ですね。

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スライダーチューブにダンパーチューブを差し込んで、動きや白いテフロンのシールリングが”仕事”をしてくれそうか確認します。シールリングはピストンリングと同じ働きなので、合口は反対方向にずらしておきます。

*リバウンドスプリングはフォークが伸びきった時のショックを吸収するモノですが、コレを長くすることによりフォークのセット長を短くすることもできます。その場合はフォークスプリングやスプリングスペーサーを短くする必要もあります。

*セット長を短くする(車高を下げる)他の方法では、ダンパーチューブを短くする(883ハガーはこの方法、有効ストロークは減少)、スライディングチューブの変更(コレがベスト)、フォークスプリングをカット(コレは最悪、フォークの沈み込みが大きくなりブレーキング時に底付きしてしまい危険)など考えられます。

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ダンパーチューブをスライディングチューブに差込、スプリングで押してロワーストップを忘れずに付けておきます。

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スライディングチューブが2インチ長いので、チューブに付属のスペーサーとワッシャーを忘れずに入れて、フォークチューブプラグを取り付けます。

*スペーサーの長さで、スプリングのセット荷重を調整することも可能です。
車重や、乗り方、乗り心地により、長くすれば固くなり、短くすれば柔らかくなります。

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チューブプラグを取り付けるのにはスプリングを縮めなくてはならないので、トップボルトをプラグに取り付けてラチェットハンドルにソケットレンチ(35mm)を付けて押してやると、力が入りやすくソレホド苦労しなくてもすみます。


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ダンパーチューブボルトを取り付けておきます。


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オイルシールにはシリコングリスを塗っておきます。

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スライディングチューブにフォークチューブ側のブッシュ、リテーナー、オイルシールの順で入れて、ブッシュだけ先に押し込みます。

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オイルシールを傷つけないようにセットするには、このような専用のスライディングハンマーがあると便利です。

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ダストブーツを取り付けて完成です。

■オイル量

最新のデータではFXSTでは356ccとなっていますが、これは一般的に言うウエット(フォークを車体の取り付けられたまま)、つまり下のドレンから抜いてオイルの交換だけの場合です。

一番当てになるのは、オイルレベルです。
フォークのスプリングを抜いて完全に縮んだ状態で、フォークの上端からオイルの面までの距離になります。
FXSTでは184.9mmになります。

*フォークオイル量をレベルで管理する方法は10年くらい前から一般的になっています。
フォークのセッティング方法として『オイル粘度を変える』 『オイルレベルを変える』があります。

密封されたフォークでは、金属スプリングと中の空気の圧縮された時の反発力を利用した、エア併用型ということになります。

オイルレベルを高くする(オイル量が増える)と
オイルレベルから上のエアチャンバーが小さくなり、フォークが圧縮されると反発力が大きくなり”フォークが固くなる”
オイルレベルを下げるとエアチャンバーが大きくなるので、フォークは柔らかくなります。

*オイル量が限度以上に多すぎると

途中でオイルロックして、ストロークが少なくなる。
エアチャンバーが小さいので反発力が大きすぎ、フォークは固すぎる。
圧力が高くオイルシールの破損の可能性

以上のことが考えられ「過ぎたるは及ばざる」より弊害が大きいでしょう。

*オイル量が少なすぎると
 
ダンピング性能が落ち、車両が不安定になる
エアスプリングの反発力が小さくなるのでフォークが柔らかすぎ、急ブレーキなどでフォークの”底付き”が起き危険。

*左右でオイル量が違うと
左右のフォークの作動に差異があり、急ブレーキなどの負荷ではフロントタイヤに傾きが起きる場合もある。


■小さい部品の重要性
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フォークトップボルトにはこのようなシールがあります。

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シールがこのように痛んでいるとフォークの密閉性が損なわれて、上記で説明したエアチャンバーが不安定になり”命に関わる”ほどの事態も起り得ます。