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ピストンエンジンは永遠か!な?

バイクを中心に話題を紹介します

デュアルディスクハブ

2006年08月07日 | タイヤ、ホイール、ハブ

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以前紹介したデュアルディスクのフロントフォークに装着するホイールアッセンブリーが出来上がったので、まだ仮り組みですが紹介しましょう。

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このフォークセットには鉄ハブならそのまま使えるのですが、アルミリムに鉄ハブでは?なので、アルミハブをなんとかしたいと思ったのですが・・・・。

アルミのワイドハブは社外品にも中々ありません。

写真はブレーキディスクの取り付けフランジの幅を計っています。

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中古のアルミリアハブがあったので、やはり取り付けフランジの幅を計ってみると・・・。

鉄ハブが156.2mmでアルミハブが161.6mmと5.4mm違います。

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確認のためにフォークにアクスルシャフトを差し込んでから、ブレーキパッドの間の寸法を計ってみると約156mmですから、鉄ハブならそのまま使えるということです。

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アルミワイドハブは左側にプーリーが付く都合で、左右オフセット量が違いますね。違いは5mmですから、ここを調整すれば鉄ハブと同じ幅にできます。

続きます。

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チューブレス?

2006年08月03日 | タイヤ、ホイール、ハブ

人気blogランキングへ   久々に感じる暑さも気持ち良いものです。

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このブログに画像としては初めて登場するBMWです。

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いつ頃からか忘れましたが、結構前から採用されているチューブレススポークホイールです。チューブレスタイヤの有用性はご存知だと思いますが、意外と知られていないのがチューブの磨耗ですね。タイヤの中に入っていても磨耗するのです。空気圧が低いまま使われると、タイヤの変形量が大きく、タイヤの内側と繰り返し擦られる事になると聞けば納得できると思います。

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専用のリムはタイヤビードの外側にスポークが貫通する穴があり、コロンブスの卵的発想で気密を保っています。車種は忘れましたがホンダにも同様のホイールがありましたね。それはリムの中央にリブがあり、それにスポークが貫通していたような・・・・。剛性的に考えるとBMW方式が優れているでしょう。

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これはハーレー用の80本スポークホイールです。実はこれもチューブレスなんですね。

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チューブ入りかチューブレスか判断するには、バルブを見ても分かります。

通常と同じようににスポークがリムを貫通しているのにチューブレスが成り立つのは、写真では盛り上がって見えるセンタードロップ部分の内側をシリコンゴムで埋めてあります。

随分前に40本スポークホイールでも同様のチューブレスを見たことがありますけれど、80本スポークならリムが狂う心配がないでしょう。

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スターハブにご用心

2006年07月07日 | タイヤ、ホイール、ハブ

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通称スターハブは1936年から1966年まで使われた、何とも優雅な名前の部品です。

コノ写真を見れば名前の由来は一目瞭然。

採用された1936年当時のアメリカ国内の道路事情は想像するしかありませんが、ハッキリしているのはコーナリングフォースの概念はなかったろうし、ハイグリップタイヤも存在するはずはありません。

つまり、ハブベアリングには垂直方向の力しか掛からないモノで、スラスト方向にはタイヤが横にズレテはまずいだろうくらいの認識しかなかったと想像できます。

30年もの間使われ続けたことは、それほど問題がなかったことを物語り、PL訴訟がなかった当時でも故障が度々起きたら評判は悪くなります。

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分解するのにはブレーキドラムも外さなくてはなりません。

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というか、車体からホイールを外す際に、ドラムを外してしまった方が良いですね。

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全部の部品を分解すると、驚くほどの多くの部品があります。

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図に描いてみるとコンな感じです。

今回の作業の現物は、前に誰が整備したか知る由もありませんが、スラストシムがアチコチに入っていてメチャクチャでしたね。

ここで説明すると、左右のスラストは一見複雑ですが、両側のスラストワッシャーとスラストベアリングスリーブの間で受け止めています。スラストワッシャーとハブスラストプレートの間のシムによりエンドプレーが調整できますね。

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正常な場所に組み込まれていたら、こんなに痛んでいるはずはありません。

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ベアリングアウターレースや各部品に問題がなければ、旧いグリースをきれいにして・・・。コチラはドラム側ですね。

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インナースリーブに左ベアリングを嵌めてから一緒に挿入します。ベアリングは外側からは入りません。

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ローラーリテーナーを組み付けて・・・。

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ロックリングを取り付けます。

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コルクを入れてから、写真のコルクリテーナーを取り付けてロックリングで固定します。

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左側も各部品にグリースをタップリつけて組み立てます。手に持っているのが内側ののハブスラストプレートで一番奥にシムが入ります。

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ハブスラストプレートの間にコルクリングが入り、スクリューで固定します。

エンドプレーを確認するのは、内側のハブスラストプレートだけでもスクリューで固定しないと出来ません。エンドプレーの大きさは手に僅かに感じる程度でよいでしょう。

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グリスニップルも付いていますが、各部に行き渡るのは期待薄?

ベアリングのラジアル方向の遊び(磨耗状態)は、コルクが健在であると手で揺すっても感知できませんので、分解してから行うべきです。

当時の時代背景からすると、ベアリングもストレートローラーベアリングしか自由に使えなかたのかも知れません。その為にこのような複雑な構造をとるしか他に方法はなかったのでしょう。

結論

30年にも渡り使われたコンプリートパーツで、今もそれほどトラブルの話も出ないスターハブですが、グリースアップやメンテナンスを怠ると重大なトラブルの可能性もありますので、特に長距離を走ったり、ハードコーナリングをする方やハイグリップタイヤの装着(コンナ事はしないか?)には気を付けたいものです。

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*記事を保存してから気が付きました。

いくらなんでもコルクリングリテーナーがスラストを受け止めるわけがありません。

スラストベアリングスリーブのフランジがスラストワッシャーに挟まっていますので、ココで左右のスラストを受け止めています。誤解を招かないように記事は修正しておきました。


ハブベアリング③

2006年01月21日 | タイヤ、ホイール、ハブ
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ひけらかすつもりではないのですが、ハーレーのハブベアリングSSTです。
スリーブとベアリングの間には隙間がないので、ベアリングを抜き出すのにはコレがないと困難です。

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ベアリングに挿入する部分の先端は、このようにボルトを締めると広がって固定されます。

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こちらは圧入するときのSSTです。
これなら簡単に自分で作れそうですね。

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これは国産バイク用の汎用ベアリング リムーバル セットです。

こういったものが普及したのは15年くらい前からですが、前にも書いたように国産バイクのハブベアリングは、かなり昔から構造が現在と同じですから、ベアリングリムーバーが出現する以前はベアリングを抜くのは大変な作業でした。













ハブベアリング②

2006年01月20日 | タイヤ、ホイール、ハブ
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ハブベアリングついでにボールのベアリングについて解説しましょう。

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ほとんどの国産車と2000年からのハーレーのハブベアリングはこのようになっています。
図の赤のスリーブはメーカーの呼び名ですが、ディスタンスカラーとかベアリングスペーサーでも同じですね。
このタイプは前に解説したテーパーベアリングと違って、スペーサーによるエンドプレーの調整はしませんが、実はそれなりに難しい点もあります。
A=Bなら良いのですが必ずしもそうでないので、微妙なベアリングの圧入の仕方やアクスルシャフトの締めすぎなどでタイヤの回転が渋くなったりします。

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②の場合が多いのですが、メーカーの指示も「左のベアリングを先に圧入しろ」となっているので、やはりA<Bなのは承知であると推測します。
この場合には、ベアリングのアウターレースを圧入するときに入れすぎると、このような状態になります。

③の場合では、アクスルシャフトを締めすぎてスリーブが変形したり座屈するとこのようになります。
最初から短すぎるのは論外ですが、万が一スリーブの重要性を知らずに適当なものを入れてしまうこともあるかもしれませんね。
アクスルシャフトを規定トルクで締めてもタイヤの回転が重くなってしまったら、このケースが考えられます。

②も③もタイヤの回転が渋くなってしまい、程度によってはベアリングの破損や焼きつく可能性もあるということです。










ハブベアリング

2006年01月19日 | タイヤ、ホイール、ハブ
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以前にも関連の記事(2005/9/8更新)を掲載いたしましたが、ココをもう少し詳しく解説します。

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アクスルシャフトが3/4(約19mm)になってから’99年モデルまでは、ハブベアリングの構造はこのようになっています。
フライホイールのスプロケットシャフトと同様に2個のテーパーローラーベアリングを使い、中央のスペーサーの長さでエンドプレーを調整するようになっています。
スペーサーを長くするとエンドプレーが増し、短くなると減少します。①が正常で②のように短すぎると大きな支障がありますね。

*エンドプレーが大きすぎると
 タイヤの振れが大きくなり、走行安定性に支障があります。

*エンドプレーがないと
 フロントアクスルナット 締め付けトルク 67.8Nm  リアアクスルナット 締め付けトルク 90Nm  (’84年のマニュアル記載値)とかなり大きなトルクで締めますので、ホイールの回転が重くなり、そのまま走行を続けるとベアリングの焼き付きや破損などが考えられます。

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実際のハブの中身はこのようになっています。

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左が’99年までのテーパーローラーベアリングで右は2000年からのシールベアリングです。

新しいベアリングは二重シールで、かなり高機能のシール性がありますので長持ちしそうですが、ベアリングは防錆加工できないので、機能に問題ないとはいえ外観が錆びてしまうと興ざめです。
外径が大きくなってしまっているので、レトロフィット(新部品を旧年式に使用)はできません。

*ブレーキローターのセンターサークルが同年式から変更になったのは、このベアリングの変更に伴っています。

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’92年までは、このようにカラーコードがついた3種類の長さのスペーサーを交換することにより、エンドプレーを調整しますが、’93年からは、シムを入れ替えることにより調整するように変更されています。

*スペーサー交換式はかなり大雑把ですので、ワタシは長さを微調整して使います。
*純正のスペーサーは焼きいれが施されていて、アクスルシャフトの強大な締め付けトルクに対応していますが、社外品は「生」で焼きいれはされていません。とは言え、いずれにしてもアクスルシャフトの締めすぎは、このスペーサーに負担を掛けます

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エンドプレーの測定には、このように仮組みしてから行います。
*この場合にベアリングにグリスがあると、正確な測定はできません。
*写真は分り易いように単体のスチールハブを使いましたけれど、基本的にはキャストホイールも同じです。

テーパーベアリングはこのように面倒な面もありますが、適切なメンテナナンスが行われて、水が入ったりしなければ、ずっと使うことができます。新型のシールベアリングは高価(¥8.800)で使い捨てなのを考えると、テーパーローラーも愛着を感じてしまいます。

ハブベアリングは重要保安部品ですから、整備は資格と設備のある自動車認証整備工場で行う事をお勧めします。
上記を参考に作業を行い事故などが生じても責任は負いません。





ハブベアリング オーバーホール

2005年11月24日 | タイヤ、ホイール、ハブ
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またまた旧車ネタですが、ショベルの後期ナローハブキャストホイールのベアリングです。
ナローハブはその名のとおり幅が狭いので、ベアリングシールのスペースも狭くベアリンググリースの状態は外観だけでは良く分りません。
シールを外してみると、ご覧のとおりグリースが茶色になっています。
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とりあえず洗浄してみます。
ベアリングを洗浄するのにはガソリンが早いですね。火事には充分気をつけて、また皮膚ガンの恐れもあるようなので余り手で触れないようにしたほうがイイと思います。
小さいものを洗浄するには小さい器があると便利です。これは犬のエサいれでステンレスなので一生もの?
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赤茶色になったベアリングは洗ってもこのとおり。赤錆の色でグリースが変色しています。
赤錆の原因はシールから侵入した水に違いありません。
ハブに使うベアリンググリースは比較的水分に強いですから、結露の水分では中々こうはなりません。


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反対側のベアリングもキレイにしてよく見ると侵食されていました。
ベアリングは結構高価ですから、自分のバイクならこの程度は使うかもしれませんが、お客さんのなら使えません。
仮にこのまま使っていると、徐々に悪くなり不良ベアリング特有の異音がでてきて乗り手に知らせてくれるのですが、そういった不確的要素をお客さんに負わせることはできません。
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黒いほうがシールの最新型(とはいっても現在はベアリングにシールが一体になっている)で、リップが両面になっていて形状も良くシール性は右の旧型よりはるかに優れています。
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外径は両方ともベアリングのアウターレースと同じなので、ワイドハブのようにスペースに余裕があれば新型が使えますが、写真のように厚みが違いますのでナローハブには難しいですね。
新しいベアリングを組み込んだらモトスポーツサイトのメンテナンスの項で説明しているように、クリアランスの調整を行う必要があります。

ワタシは継続車検の整備では必ずハブベアリングの点検とグリースの入れ替えを行いますが、ユーザー車検でずっとやられているハーレーは大抵おざなりになっています。特に旧型シールを使っている年式で雨の中もよく乗る方は、たまには気を使ってやってください。異音がするのにも関わらずそのまま乗っていてベアリンブをバラバラにしてしまった例を知っています。
*ハブベアリングの分解整備は設備の整った認証整備工場で行ってください。ご自分で分解整備を行って不具合や事故が起ってもワタシは責任を負いません。