三重県木本で虐殺された朝鮮人労働者の追悼碑を建立する会と紀州鉱山の真実を明らかにする会

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「民主市民教育で難民めぐる“社会的葛藤”の解決策見出せるか」

2018年07月09日 | 韓国で
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/31056.html
「The Hankyoreh」 2018-07-09 07:07
■民主市民教育で難民めぐる“社会的葛藤”の解決策見出せるか
 京畿道教育庁「民主市民教科書」で難民問題など取り上げる 
 学校の教育課程に「社会的葛藤」熟議する態度を含む 
 ドイツの「シリア難民の受け入れ」も民主教育から始まった 
 教育部、来月「民主市民教育の活性化計画」発表する予定

【写真】京畿道教育庁が製作し、2014年から活用中の「共に生きる民主市民の教科書」の内容の一部。グローバル時代の共感と連帯を取り上げ、「難民問題」に対する討論を提案している//ハンギョレ新聞社

 「国連設立後、最初に助けを受けた人たちが『韓国の難民』でした。国連韓国再建段(UNKRA)は、救護物品支給だけでなく、家を持たない韓国避難民のため、家を建ててくれただけではなく、英語教習所を開き、学究熱に燃えている避難民の学生たちに英語をはじめ各種学問を教えたりもしました。南スーダンやシリアなどの多くの人たち、私たちと彼らとあまり変わりませんでした。(中略)あなたが難民なら、1日ですべての選択は生と死に直接関わる問題になります。誰も難民になることを選んだわけではありません」。
 Q1.難民たちの権利を認めるのは、韓国社会にはどのような影響を及ぼすだろうか?
 Q2.国が自国民の利益のため、難民の受け入れに消極的なことが当たり前だと思うか?
      -京畿道教育庁が製作した「共に生きる民主市民の教科書」内容の一部抜粋

 国内の学生のうち、学校で難民教育を受けた人は“ほとんど”いない。正規科目の教科書が「難民」を取り上げないからだ。国内で難民問題を扱った教科書は2014年に京畿道教育庁が製作した「共に生きる民主市民の教科書」が唯一だ。この教科書は国連設立後に最初に助けを受けた人は「韓国の難民」だったことを教えるとともに、誰でも難民になり得ると言及している。京畿道でこの教科書で「選択科目」を開設した学校は、昨年現在8カ所に過ぎなかった。
 イエメン難民の済州道への入国によって触発された難民をめぐる社会的葛藤が続いている中、民主市民教育が難民問題を含む様々な社会的葛藤を解決する方策の一つとして注目されている。キム・ウォンテ・ソウル市教育庁民主市民教育諮問官は「2015年、シリア難民問題で欧州が頭を悩ませていた頃、ドイツが国民の絶対的支持を受けて100万の難民を受け入れた『ドイツの奇跡』は、彼らが幼い頃から『政治教養』という教科科目を通じて高い政治意識を備えていたからこそ可能だった」とし、「韓国の社会授業は教科課程だけで民主市民を養成するのが難しい構造になっており、早く正規教育課程に民主市民教育を設けなければならない」と話した。ドイツは1970年から「政治教養」を小中高校の必須科目とし、50年近く学校で民主市民教育を行っている。
 教育部も、学校における民主市民教育への国家責任の拡大要求に合わせ、「(社会的)葛藤の予防や社会統合に向け、責任ある市民意識を備えた民主市民を養成する」とし、遅くとも8月中旬には「民主市民教育の活性化計画」をまとめることを明らかにした。教育部は2022年までに民主市民教育を正規科目に編成することを目指している。専門家たちは、民主市民教育が効果を出すには2~3年の時間がかかるため、急いで政策を推進する必要があると指摘する。今は文在寅(ムン・ジェイン)政権が国政課題として「民主市民教育」を進めているが、政権後半になれば動力を失いかねないからだ。実際、民主市民教育は1990年代初めから推進されてきたが、「敏感なテーマを学校の授業で取り上げるべきではない」という一部の反発により、何度も挫折してきた。
 民主市民教育活性化運動を行っている「チンゴムダリ(架け橋)教育共同体」のクァク・ノヒョン理事長は「社会的葛藤に対処する方法を身につけるように教育課程を修正し、学生時代から難民問題など各種の社会懸案を認識し、責任感のある市民として育つようにしなければならない」と話した。

ファン・チュンファ記者
http://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/852346.html
韓国語原文入力:2018-07-08 20:11


http://japan.hani.co.kr/arti/politics/31060.html
「The Hankyoreh」 2018-07-09 10:01
■難民バリスタ雇用するムン・ジュンソク代表「彼らも私たちと同じ」
 難民雇用する「明日のコーヒー」代表 
 大企業を辞めてカフェ設立した後、 
 エジプト・ブルンジなど8カ国の難民雇用 
 「根拠のない誤解と偏見をなくすために 
 周りで難民とふれあうことができれば」

【写真】「明日のコーヒー」のムン・ジュンソク代表が4日午後、ソウル鍾路区東崇洞のカフェ「明日のコーヒー」の前でハンギョレのインタビューに応じている=ベク・ソア記者//ハンギョレ新聞社

 「韓国人にも誠実な人もいればそうでない人もいるじゃないですか。難民も同じです」。
 難民バリスタを雇用したカフェ「明日のコーヒー」代表ムン・ジュンソク氏(35)に「雇用主として難民労働者について話してほしい」と尋ねたところ“意外な答え”が返ってきた。難民に対する最近の否定的な認識を意識して、「偏見とは違ってみんな誠実だ」というような答え出てくると思っていたが、ムン代表は率直に話した。
 「子どもがいる難民はやっぱりもっと熱心に働くし、常連客と友達になってお互いの家にも遊びに行くほど親和力のある難民もいます。韓国人もそうじゃないですか。結論は、難民も私たちと同じ人間だということです」。
 2014年にオープンしたこのカフェには、今まで8人の難民バリスタが働いた。エジプト、ブルンジなど、バリスタの国籍もさまざまだ。ムン氏は毎年秋に2人の難民バリスタを選び、彼らが2年間コーヒー教育とサービス教育、韓国語教育を受けられるようにする。このうち一部は2年を終えて「卒業」した後、他のカフェでバリスタとして働き続けている。ムン氏は「この人たちの自立を助けるという趣旨で、バリスタの仕事に関心のある難民を採用している」と説明した。
 ムン氏は難民に対する偏見を壊す方法はないか悩んだ末、カフェをオープンしたという。2009年、大企業の会社員だったムン氏は、難民の家庭を訪問して子どもたちと遊ぶボランティア活動をしながら難民に関心を持つようになった。「韓国で生まれた難民の子どもたちは、普通の韓国の子どもたちのようにトッポッキ(辛い餅炒め)が好きでキムチもよく食べます。ところが(難民という理由で)韓国の友達と遊ぶ機会もあまりないんです。難民自体が社会的に分離されているようだという感じを受けました。難民に対する人々の距離を縮めたかったのです」。
 ムン氏も最初から難民に対する偏見がなかったわけではない。「難民はなんとなく怖いし憂鬱そうだという先入観があった」という彼は、難民たちと会って対話をしながら、彼らを理解して受け入れるようになったと話した。「実際に会った難民たちは、難しい状況も肯定的に乗り切っていこうとしているし、嬉しいことは互い分け合うことができる人でした。会社に勤めていた私が辛そうにしていると、かえって私を慰めてくれたりもしました。そんな姿が、私には偏見をなくす契機になりました」
 難民を雇用した立場から最近の「難民問題」ついてどう思うか知りたかった。ムン氏は難民に対する韓国人の拒否反応が、一方では理解できると言った。ムン氏は「(済州道難民問題は)私たちが初めて経験することだから、混乱するしかないだろう」と言いながらも、「ただ、難民に対して温情的な方であれそうでない方であれ、正確な事実関係を踏まえて、どのように対処するか一緒に討論してほしい」と話した。
 「私も難民に対する偏見を持っていた人ですから。ところが、誰かに対する偏見は、その人についてよく知らない時に出てくるようです。普段の自分の考え、メディアを通じて一方的に注入された場面などが、そういう偏見を作るのではないかと思います。会ってみれば難民に対する誤解も確かにあったということを分かるようになるんです」。
 ムン氏は、今回の機会に政府が積極的に乗り出し、韓国の難民政策を立てる契機になってほしいと話した。彼は「本国へ戻れば命に深刻な脅威を受ける難民がいるのに、『無条件に難民は本国に帰そう』とするのは人権に反すると思う」とし、「韓国は国連難民条約国であり、2013年に難民法を制定した国だが、法だけ制定しておいて、その間は特別な関心を傾けなかった。これを機に政府がより積極的に乗り出して、いま韓国に来ている難民とこれから入ってくる難民に対して、どうすればいい考える契機になれば良いと思う」と話した。

シン・ミンチョン記者
http://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/852342.html
韓国語原文入力:2018-07-08 20:42


http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2018/07/05/2018070501572.html
「朝鮮日報日本語版」 2018/07/08 07:04  
■【萬物相】難民受け入れ、賛成デモと反対デモ
 先週末の夜、ソウル・光化門の東和免税店前で難民反対デモが行われた。「ノービザを悪用する偽の難民特恵に反対」「国民(韓国人)ファーストだ」などのプラカードを持った参加者1000人は「人種差別ではない。安全を望んでいる」と声を張り上げた。規模ははるかに小さいが、「『難民反対』に反対するデモ」も対抗するかのようにすぐそばで行われ、「人種差別反対」「偽の難民はいない」とシュプレヒコールを上げた。済州島におけるイエメン人の集団難民申請処理をめぐる議論がソウルにまで広がったのだ。
 難民賛成デモ・反対デモは両方ともソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の20-30代ユーザーを通じて参加者を募っていた。難民反対デモの主催者は「我々は進歩系でも保守系でもないし、ましてや人種差別をしているわけでもない」と言った。マスクをする若い女性たちが反対デモで目についた。「安全」に対する不安があるからのようだ。
 ついこの間まで「難民などというのは、我々韓国人とは関係のない遠い国の話」と思われていた気がするが、韓国国内にとどまっている難民が3万5000人を超えたという報道にハッとした。脱北者3万1500人を上回る数だ。平昌冬季五輪時にノービザで入国した外国人のうち1万1635人が不法滞在しているとの報道は、難民問題への甘いアプローチに対する警告だ。難民として来た人々の中にも就労目的の人が相当数いる。難民ブローカーも暗躍しているというのだから、単純な問題ではない。
 ヨーロッパでは、内戦と暴政に苦しむ中東・アフリカ難民が押し寄せて頭を抱えている。難民受け入れに積極的だったドイツのメルケル首相も、急増する難民のために連立政権が脅かされるほどの圧力を受けた。ドイツは先週末、欧州連合(EU)加盟国に亡命申請をした難民がドイツに再び難民申請をした場合、これらの最初の亡命申請国に送還することで欧州14カ国と合意したと発表した。欧州文化とは違うイスラム文化や難民による犯罪は「政治難民」に友好的だったヨーロッパ社会のムードまで変えた。
 国連は人種・宗教・民族・身分・政治的見解を理由に迫害される恐れがある人々を難民と規定している。その基準で見れば、日本の帝国主義時代に満州や間島にとどまった我々の先祖たちも「難民」に該当する。脱北者も同じだ。そうしたことを考えると、「とにかく難民は排斥すべきだ」というのは困難だ。しかし、「本当の難民」を保護するためにも、偽の難民手続きは正さなければならない。難民申請をすれば最長5年間まで合法的に滞在できる難民制度はブローカーの食い物にされるしかない。
      キム・ギチョル論説委員
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