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宮城県知事定例記者会見(平成23年8月22日)、 「県産牛出荷停止の一部解除について」 から下に引用しておきます。

◆Q
 検査証明書の表記には検出値も表記するのか、あるいは食品衛生法の基準を下回っていると、安全であるというざっくりとした表記になるのか。どのようになるのか。

■村井知事
 安全であるということだけでよろしいかと思っております。健康上全く問題のない数値であるわけですので、詳細な数値を出したところで消費者の皆さんは理解ができないわけでありますから、安全か安全でないかということだけはっきりと証明すれば十分だというふうに思っております。正式には、牛肉の放射性物質検査結果通知書といったような形で添付をしたいと考えております。(1キログラムあたり)500ベクレル以下であるということであります。その証明書がついていれば(1キログラムあたり)500ベクレル以下で、どれだけ食べても全く問題がないということであります。

まあね、私もベクレル数値と健康への影響の関係については理解していませんし、子供と大人の影響の違いも理解していません。福島の子供たちの外部被曝に関する「暫定基準値」(あの 20mSv/年)や食品による内部被曝に関する「暫定規制値」がどのような理論的根拠で決められたのかも理解しておりません。宮城県民も私と同じようなもんでしょうが、宮城県では知事さんが信頼されているのでこれで通るのでしょう、「あくまでも地元の考え方を尊重すべきである」と別な項目で述べています。しかし宮城県外の消費者がそんな牛肉を買うかどうかは別でしょう。499 Bq/Kg かも知れない牛肉を給食に使う学校給食会があるはずはない。
記者会見でこの知事発言に突っ込まない記者にも困ったものですが、突っ込んだ部分は公開記録からは外されたのかも知れません、この記者の名誉のために私の想定内として書いておきます。

いつも書くように「不検出」とだけ書かれている計測結果はそのまま使えません。「検出限界値以下」と書かれていて、検出限界は 3~1 Bq/Kg のように明示されているべきです。そして『不検出とは検出限界値以下を示します』 と注記されていて一覧表では「不検出」と書くならそれでもよいのです。測定機関名も明記するのは当然です。
◇ 山梨県では、県産農産物の放射性物質検査結果一覧は便利ですが、さらに、県産農畜産物の放射性物質検査 から個々の品目のページを開けば、キュウリ(採取日:平成23年8月24日 検査日:平成23年8月25日 検査機関:山梨県衛生環境研究所 検出限界値:1~3Bq/kg) のように記載されています。
◇ 宮城県では水道水、農林畜産物、水産物及び牛肉の放射能測定結果(PDFデータ)、PDFファイルを開けば読めます。

宮城県知事のように消費者の理解力を考慮しながら経費を節約して情報を発信しようとするなら、牛肉の個体識別番号検索で販売業者や消費者が当該牛肉の放射線計測数値も読めるように、システムの変更が進んでいるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。これなら行政が安全ですと言えばなんでもOKな消費者と、自分で調べて確認する消費者のどちらにも対応できます。
2011.07.18 セシウム汚染牛肉の流通、山梨県関連 で追跡データの事を書きましたが、その後は公開が進んだのでフォローしていません。
◇ 全ての食材について放射能汚染も考慮したトレーサビリティ(追跡可能性)の確保が必要になりつつあるとすら思える今日この頃です。国民背番号制を導入するより、食品背番号制を導入する方が国民の命は守れます。

この秋の新米については店頭の袋に貼られたラベルには検査結果が明確に書かれるでしょう。「放射線セシウム : 不検出、検出限界 3 Bq/Kg」のように。もっともお米は混ぜることもできるから銘柄で買うとか、お店を信用するしかないです。
2011年08月24日 河北新報社説-稲わら処分/土壌浄化の視点を持ちたい、参考になる事が書かれていましたのでメモ・・・土の中から吸い上げられた放射性セシウムの73%は稲わら部分に分布する、白米7%、ぬか10%、もみ殻7%、根は3%、日本土壌肥料学会は稲が吸収したセシウムの12%から20%が玄米に行くとしている。



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