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平成23年7月11日の山梨県議会6月定例会最終日に 『山梨県議会 提出者 総務委員会委員長 河西 敏郎』 とする以下のような決議が全会一致で採択されました。県議会ページを開くのが面倒なのでここに本文を転載しておきます。(強調は編者です)
このことが県内100箇所測定や県産農畜産物測定実施の契機になったことは横内知事記者会見からも分かると私は以前の記事-2011.07.26 山梨県内100個所の放射能測定と1cm線量当量 に書きました。その時に、『今回の長期戦において、行政府の立ち位置と対策計画の全体像を明確に示しながら、何を どのように調べ その結果を 何を基準として どう判断しているか を県民読者に分かりやすく発信することは、永続的に求められることになると考えています。』 とも書いたのですが、これはいささか曖昧な表現だったと気が付きました。

行政(担当者)としてはリーダーの指示に基づいて計画を立てて結果を示すことまではできるが、判断を述べる事はできない。県庁サイトで測定結果が表示されていても判断は書かれていません、実務担当者として当然だと思います。(現段階では個々の結果は読者が自らの基準で判断しています)
計画立案の段階でまずリーダーの判断が入っている、その計画で目的が達せられるかどうかをリーダーは判断する。
その結果が示された段階で、結果から判断するのはやはりリーダーの仕事になります。行政について言及する時にはリーダーと事務方を分けて考えねばならなかったのです。ここでリーダーとは主権者国民の代理として行政担当者に仕事を命じたり仕事ぶりを監査できる立場にある人々を意味します。

私は特に県内100箇所測定の結果により、何処でどなたが判断を示されるか、さらに、給食食材については県議会決議の第2項にある内部被ばくの、特に子供たちに関する事でもあるので、そこまで広げた新たな計画を示されるか、それに注目しています。

県内広域測定の結果が8月4日に出た後、横内正明山梨県知事の記者会見は8月9日と24日の2回ありましたが、この件については言及も質疑応答も無かったようです。8月24日の「放射性物質による影響について」の見出しに期待したのですが、子供たちの安全について言及されませんでした。

山梨県産の桃やブドウなら安全だとされて県外、国外へも出て行くのは、消費者が山梨県以外の情報も見て判断されているのだと私は思っています。「常に比較する」、リスクに取り巻かれた中での選択には比較する習慣がますます社会に根づくでしょう。インターネットがあるからこそ可能な比較です。国策ブロードバンド推進の意義もそこにあったはずです。情報のソースとなる立場にある人々には怖い時代になっているのです。
比較できるだけの情報が見えない時には選択肢から棄却する、私が選択する時の最初の基準です。


放射性物質に対する本県の安全宣言に向けた取り組みに関する決議
 東日本大震災に端を発した東京電力福島第一原子力発電所の事故は、我が国で初めて原子力災害対策特別措置法に基づく原子力緊急事態宣言が発令される事態となり、発生から4ヵ月を経過した現在でも未だ収束が見通せない状況にある。

原子力発電所から放出された放射性物質は広範囲に飛散し、事故発生当初は本県においても、水道水や大気降下物中から放射性物質であるヨウ素やセシウムが検出されたが、その後、モニタリングポストによる大気中の放射線量も震災前と同じ水準で推移するとともに、4月中旬以降は水道水や大気降下物中から放射性物質は検出されていない。

しかしながら、県内で生産された生茶葉や流域下水道の汚泥中からは健康に影響はないとされてはいるものの、微量の放射性物質が検出されている。

こうした中、政府の原子力災害対策本部により、「検査計画、出荷制限等の品目・区域の設定・解除の考え方」が改正され、これを受けて6月27日付けで、厚生労働省より農畜水産物等の放射性物質検査について本県に依頼があった。

県民からは、放射能汚染に対する危惧と健康への不安、政府・原子力保安院等の情報提供のあり方や対応に対して不信の声が高まっている。

また、果樹王国、観光立県を標榜する本県は、これから本格的な農産物の出荷や観光シーズンを迎えることとなるが、本県が検査対象自治体となったことによる風評被害等によって、農業、観光、産業等への影響はあってはならない。
よって知事においては、放射性物質に対する本県の安全宣言に向けて、次の対策を速やかに講じられることを強く求める。

 1 学校や公園など子どもたちが活動する場所の放射線量の測定及び公表を通じて安全宣言に結びつけること

 2 桃やブドウをはじめ本県の主要農産物の放射能検査を計画的に実施することにより風評被害を未然に防止するとともに安全宣言に結びつけること

 3 上記の取り組みを通じて放射性物質に対する本県の安全性を国内外へ積極的に情報発信すること

以上、決議する。


行政担当者が正確な情報を公表せず、リーダーには全体を把握し、情報を判断し、計画を指示できる能力が欠けていることで震災は人災になりました。ようやくそこから脱出できそうな期待が出てきましたが、日本国の安全宣言には数十年のスパンが必要でしょう。
その中で山梨県の安全宣言はどうあるべきか、リーダー、議会の真摯な対応が期待されていると私は思っています。

政府が福島の子供たちの外部被ばくの暫定基準値を下げるとテレビニュースが報じました(2011.08.26 昼)、年間1mSv 以下にするということらしいです。子供たちにとっては内部被ばくについて考える事が大切なので、私は資料の整理を続けるつもりです。



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