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前記事のコメントに書きましたが、山梨県の100か所測定については 2011年7月22日から公開が始まりました--県内の空間放射線量率の測定結果について

7月22日(金)から8月4日(木)までの測定計画と測定結果については、山梨県内100個所の放射能測定と1cm線量当量 として別ページにまとめました。測定結果の追加は毎日はできないかも知れません。
県内各市町村では、この100箇所測定について既にホームページに記載し市民に案内しているサイトもありますが、全市町村で県庁の上記ページに直接リンクしていただきたいと願っています。広域測定が実施されたのは何故かをご理解いただけるものと思っています。(7月27日)

測定器はシンチレーション式サーベイメータ 日立アロカメディカル TCS-161またはTCS-171(μSv/h単位測定)
既に発表されている7月22日、25日のPDFファイルに次のように注記されています。
『注意:今回の調査では、人への影響を考慮した1cm線量当量率(μSv/h)を直接測定しているため、衛生環境研究所で使用しているサーベイメータ(μGy/hで測定)の測定値よりも高めの値を示すことが考えられます。』
「1cm線量当量率」とは山梨県の今回の測定が特別なものという意味では無く、下記のように国際的に標準化され日本の法令でも採用されているもので、現行の測定器はこれに準拠しているものと私は理解しています。

1cm線量当量率
◇ (財)高度情報科学技術研究機構-1センチメートル線量当量 (09-04-02-06)
 『1センチメートル線量当量(1cm線量当量)は、放射線モニター等から得られた線量測定値と実効線量とを関連づけるため、国際放射線単位測定委員会(ICRU)が定めた、ある場所の放射線の量を表す物理量の1つである。人体組成を模擬した元素組成値をもつ直径30cmの球体(ICRU球)を放射線場に置き、その球表面から1cmの深さの点での線量の値を言う。』 すなわち人体への影響を皮膚の内側1cmに与える影響として判定するという意味だと私は理解しています。ですから測定器が示す値は自動的にそのように補正されているものではないかと思います。
放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律から同施行規則で、(測定)第二十条  法第二十条第一項 の規定による測定は、次に定めるところにより行う。一  放射線の量の測定は、一センチメートル線量当量率又は一センチメートル線量当量について行うこと。
 放射線を扱う仕事に従事する方々を守るための法律で国際的な勧告に合わせて色々な値が定められているのだと思います。ですから、今回の原発震災ではとりあえずはこれらの法令に準拠して、暫定基準の制定とか放射線量の測定が放射線に関わる業務の場では無く「一般人の生活の場で行なわれている」と考えて良いと思います。
 30年、50年、100年と続く放射能汚染国土で国民を守るために適用すべき法律は、いずれきちんと制定されることになるだろうと思います。国民保護計画の中に既にあるかどうかは知りません。

これも前記事のコメントに書いたことですが、埼玉県サイトで校庭等における空間放射線量の測定について に気が付きました。
 『埼玉県では、県内を6キロメートル四方の90のメッシュに分け、幼稚園、保育園、小・中学校及び県立学校、あわせて116箇所で空間放射線量を測定しています。』
私は県内全校調査を主張しました。しかしそれが出来ない場合はサンプリングということになりますが、サンプリング調査の考え方には山梨流と埼玉流の少なくとも二つはありそうです。地勢が違いますから一概にどちらが良いとは言えないでしょうが、実行できる力を与えられ知識もある方々が目的を何処において計画を組むかという点の違いはあるかも知れません。
茨城県の守谷市、取手市でホットスポット問題が分かり、隣接する埼玉県の三郷市、千葉県でも東葛6市(松戸市,野田市,柏市,流山市,我孫子市,鎌ヶ谷市)が「東葛地区放射線量対策協議会」を構成して対策をなさっていることが各市のホームページなどから見えます。

今回の長期戦において、行政府の立ち位置と対策計画の全体像を明確に示しながら、何を どのように調べ その結果を 何を基準として どう判断しているか を県民読者に分かりやすく発信することは、永続的に求められることになると考えています。

測定が開始された7月22日夕方、山梨県内のテレビ局で次のニュース記事が出ていました-放射線の広域調査始まる 7/22 18:50
 子ども達が活動する学校や公園など、県内100か所を対象とした放射線量の測定調査が、きょうから始まりました。 この調査は、県民の不安が高まっていることを受け、県が全ての市町村で実施するもので、保育園や小中学校のほか、各地の公園など、主に子どもが活動する100か所が対象になっています。 このうちきょうは甲府市内の調査が行われ、緑が丘スポーツ公園では、担当者が2台の装置を使って、地表から1メートルと5センチの高さで放射線量を調べました。 その結果、この公園の放射線量は1時間あたり0.050から0.059マイクロシーベルトで、震災前と変わらず異常はありませんでした。 このほか玉諸小学校など甲府市内の8か所でも測定されましたが、いずれも震災前と変わりませんでした。 調査は1日10か所をめどに来月4日まで行われ、調査結果はその日の午後5時に県のホームページで公表されます。
「いずれも震災前と変わりませんでした」、甲府市では原発震災前からこの9地点で測定していたのですね。これは知りませんでしたが、「変わりませんでした」と言う根拠になる値を示してくれるとありがたい。
・・・・・・てっ、そんなものは無いことは分かっていますよ。甲府市富士見で測定している文部科学省委託事業の屋上測定値をベースに問題無いと県民を安心させていた山梨県行政からネタを貰ったニュースだ。首都圏各地で同様な学校測定記事が出ているが、震災前と比べた評価記事は初見です。

山梨県で今回の100個所広域調査は、山梨県議会6月定例会での決議により、それを受けて7月13日の山梨県知事記者会見で実施が表明されました。これらの経緯は 山梨県の放射線広域調査はやり方が変です に書きました。
県が実施する測定以外に、市町村独自の測定があります。富士吉田市、笛吹市(くらしの情報)など、ページ冒頭にリンクした市町村リンク集から確認できます。



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