3.11から4か月です。7月10日東京新聞の社説は社説らしからぬ良い記事でした。週のはじめに考える オキナワとフクシマ、この論考は「無関心」がキーワードになっていると思いますが、私も原発震災に遭遇して原発に関しては無関心だったことを思い知らされました。
『物事は関心だけで解決するわけではなく、負担が公平化されるわけでもない。しかし関心をもつとは、問題をだれかに押し付けるのではなく、ともに考える始まりとなるはずです。』 と締めくくられています。私は原発震災についていろいろ書いてきて特に甲府市行政に対してお願いしたい・・・「私は放射能汚染の子供たちへの影響に関心を持っています」 とまず言っていただきたい。その後、何をどのように実行可能かは市民と共に考えればよい。
埼玉新聞を見ていて2011年7月10日記事、県内各地で放射性物質測定に気が付きました。『最大値は芝児童交通公園の地上5センチの毎時0・26マイクロシーベルト・・・同市が独自で定めた基準値に比べて低く、異常はないとしている。』と書かれた川口市の事例に驚いたので確認しました。
川口市サイトで2011年7月11日更新のページ-川口市の放射線への対応状況についてお知らせします、「川口市では、独自の放射線量の年間換算数値の基準を、1.64ミリシーベルトとしました。」 という項目に詳しく書かれています。これは6月20日に公表されたものです。
しかし、「自然界の大地から放出される放射線量は、日本の平均で、年間0.34ミリシーベルト」 を採用しているのは間違いでしょう。日本の平均では川口市にとっては意味が無いのです。川口市地域のデータを放射線医学総合研究所に尋ねてみたのでしょうか。
1日24時間の生活を、屋外8時間、屋内16時間とする文部科学省基準も採用しています。しかし、川口市の子供たちの生活サイクルに一致するかどうかは調べてみたのでしょうか。
記者発表資料(PDFファイル)でも基準値設定について詳しく書かれていて、少なくとも行政が子供たちの被ばくに関心があることを示し、市民も関心を持つようになった、リスクの基準は安全側に設定しておくのが良いという視点から行政と市民が共に考えるスタートになったことは確かだと思います。さすがキューポラの街ですね。
UTY テレビ山梨のニュースで、「放射能測定器を全市町村に寄贈 7/08 18:50」 という記事がありました。県内の他のサイトを確認したのですが、他には見つかりませんでしたので、以下は要点の引用です--
県内のスーパーなどで作る山梨県流通研究会が放射線の測定器を県内全ての27市町村の教育委員会に寄贈した。
UTYの調べでは、放射線測定器は県内の市町村では笛吹市や甲斐市それに富士吉田市など、4つの市は持っているものの、それ以外の23市町村は持っていない。
きょう寄贈された放射線測定器は夏休み前に各市町村の教育委員会に配られ活用される。
4つの市の残りは甲府市でしょう。甲府地区消防本部の特別救助隊も持っているはずですが、広域組合なので甲府市の所有とは言えないかも知れません。
23市町村に寄贈された測定器が1台ずつなのか、複数台なのかはわかりませんが、1台ずつとしても全県で27台の測定器が揃ったことになります。
山梨県内の市町村教育委員会で構成される教育委員会連合会の会長を務める甲斐市教育委員会の増坪愛子教育長は「財政難の中、必要とされる測定器の寄贈はありがたい。これで子ども達が安心して運動ができます。」とお礼を述べられたそうです。私は県内の教育関係者から子供たちの放射能汚染に関心を持っているという意味の発言にネット記事ではじめて接することができてホッとしました。
教育委員会連合会さんとしては、この27台の測定器を各市町村でばらばらに使うのではなく、一括集中して利用される計画をお進めいただきたいと思います。
例えば、甲府駅北口のよっちゃばれ広場に27市町村から2名ずつの担当者と測定器が集まり、測定法の実地講習をテレビも入れた公開で行なう。
甲府市歴史公園の芝生地面と よっちゃばれ広場地面とで測定を行なう。地面の質が異なるので一つのモデルケースになると思います。
さらに甲府市内の小中学校、保育園、幼稚園に分散して測定しデータを公表する。
甲府市では、小学校一覧、中学一覧、保育所一覧、全県データですが幼稚園一覧などがあります。甲府市には他に山梨大学、山梨学院大学、英和の付属学校もあります。他にもあるかも知れませんが、とにかく公立、私立に関係なく(私立で既に独自にやっておられるなら除外) 子供たちを守りたいというベクトルに合わせて活動していただきたいと思います。甲府市は施設数が多いので27台を集中しても1日では無理かも知れません。
甲府市の次は南部、上野原、大月という茶葉の汚染がでた地域をまず調べてみることです。南部町を調べる時にはおそらく隣の身延町も含めて1日で終るでしょう。
上野原、大月の時は丹波山、小菅も含めて1日で可能かも知れません。時間的に余裕がある時は公園も測定対象に入れればよいと思います。
27市町村でバラバラに1台の測定器で日数を掛けて測定するのでは無く、一斉にその日の状況を確認するという方法で27市町村を順に調べるのが良いと思います。
1日でその市町村全域問題無しと出れば子供たちも保護者の方々も安心です。その後は1台の測定器で随時巡回していけばよいと思います。夏休みに向けて被災地から山梨県に滞在されるだろう子供たちのことも考えて、巡回測定する市町村の順番を決めていくこともできるでしょう。