ICT工夫
全ての自由を奪えても、自由を求める自由だけは奪えない
  だからネットの使い方も 工夫 したい こうふ のブログ




2011年7月21日 11:00 追記
山梨県甲斐市立玉幡中学校ホームページに以下の記載が出ていました。
Kaicity_ed_nuke20110715  放射線量測定のお知らせ (2011年7月20日)
教育委員会では、子どもたちの安全を第一に考え、市内小中学校のグラウンドの放射線量を測定しました。その結果は別表のとおりでしたのでお知らせします。
この別表は7月15日作成の図のようなPDFファイルです。甲斐市教育委員会ホームページに関連する記載は見つかりませんでした。
私は2011.05.05に こどもの日に20mSvに関する情報を整理 という記事を書きました。7月に至ってなお 3.8μSv/時 に根拠をおく教育者がおられることを知り、今日また悲しみをもってこの記事を終らせることは痛恨の極みです。
2011.07.31 甲斐市教育委員会さん、広報を訂正なさいませんか?


甲斐市スクールネット、甲斐市立小学校・中学校紹介のホームページですが、ここから入ると放射線量測定結果を知ることができます。【以下は校名のみに修正しました 2011.07.21】

竜王北中学校 放射線量測定結果のお知らせ (2011年7月15日)
竜王中学校 緊急情報 (2011年7月19日)
敷島中学校 グランドの放射線量のお知らせ (2011年7月19日)
玉幡小 グランドの放射線量 (2011年7月19日) 甲斐市が実施した放射線測定結果を報告します
竜王北小学校 緊急情報 (2011年7月15日)


7月20日の午前中に「ユキマサ」さんと「なるなる」さんの Twitter を拝読して甲斐市教育委員会が測定値を公開していることを知りました。甲斐市サイトから確認して学校案内で公開済みのデータをコピーしたのが上記です。今後も測定と公開が学校別に続くと思います。
お二人のTwitter から測定機器は RAY-2000A と分かりました。検索すれば多くの記事がありますが、私には【楽天市場】の記事が読みやすかったのでリンクしておきます。

1.公開記事に測定機器、測定方法が記載されていないことは残念です。
 その機器で例えば30秒測定を10回繰り返して平均値をとったなどの記載があり、測定器の精度とか誤差の範囲などについて、教育委員会のホームページのどこかでまとめて紹介されていると読者にも分かりやすいでしょう。

2.世界平均の自然放射線量 年間 2400μSv(2.4mSv) と比較されているのは、測定結果の正しい評価方法とは言えません。
2400μSv /  (24 x 365) = 毎時 0.27μSv  は計算としては正しいのですが、山梨県の自然放射線量の公式な数値は年間 0.9mSv 程度です。
放射線-身のまわりの放射線 | 解説書 | 原子力、放射線、エネルギーと環境のことが学べるあとみん
全国の自然放射線量 | 電気事業連合会【でんきの情報広場】
これらのページには全国地図で都道府県別の自然放射線量が記載されています。

3.年間 900μSv / (24 x 365) = 毎時 0.1μSv になる山梨県の自然放射線量は、しかし、山梨県環境衛生研究所で地上1mで測定している値の公表値-可搬型サーベイメータによる地上1メートルの高さの測定結果 6月13日に測定を開始して以降、0.050~0.058マイクロシーベルト/時で推移 とも大きく異なります。毎時 0.1μSv の 1/2 程度の値が出ています。(※1)
全国調査で山梨県の平均値として示された 0.9mSv/年も、山梨県内の場所(地質など)でそれぞれ異なるのでしょう。
環境衛生研究所の1m測定値には自然放射線量も含まれているはずです。従って甲府市富士見のこの場所では人工放射線の大きな影響はおそらく無いと考えられます。
(※1) 都道府県別の自然放射線量には、食べ物などによる放射線量も含まれています。色々な生活の地域差も関係しているでしょう。1m測定値は単純に空間の放射線量を調べていると考えれば1/2は納得できそうです。世界平均の 2.4mSv も同様に国々での生活状態が反映された平均だと考えれば、その値で甲斐市の地上1mと比較することはできません。甲斐市教育委員会にご再考を願いたいと存じます。

4.自然放射線量 +人工放射線量 が子供たちの(外部)被ばくですが、今、大事なのは、山梨県では 0.05μSv/時 程度かも知れない自然放射線量との比較ではなく年間 1mSv (0.12μSv/時) とされている国際放射線防護委員会(ICRP)勧告値と比較することです。(※2)
想定外の値が出たから基準を変えて安心するのでは無く、その測定値を信頼できる値にするためには、山梨県流通研究会から寄贈された RAY-2000A を数台集めて、環境衛生研究所の1m測定の場所で同時に測定し、環境衛生研の測定値と比較して、RAY-2000A の測定値をどのように補正すべきかを検討することです。(※3)
それでもなお、どこかの校庭で大きな値が出た時には、その土壌の核種分析をすることまでやればよいでしょう。校内で吹き溜りになるような場所も測定してみることも必要です。それが子供たちに安心をもたらす大人のスタンスではないかと思います。
(※2) 文部科学省基準を採用するなら、甲斐市の子供たちの一日の生活時間を外8+内16 と仮定して年間 1mSv は 0.19μSv/時とすることもできます。
(※3) ほくと放射線測定誌-「4月3日のひろば」附設 というブログがあるのを知りました。北杜市白州町で測定されているデータが5月から掲載されています。測定器、測定方法などの説明も書かれています。2011.07.21 追記

子供たちが安心して運動できるようにと、データを確認しようとなさる市町村教育委員会の方々の努力が、結果に正しく反映されるように、山梨県知事も山梨県教育委員会も、明日の山梨を担う子供たちの為に全力でサポートしていただけることを願っています。



コメント ( 7 ) | Trackback ( )




道の手帖・「竹中 労」 河出書房新社から KAWADE道の手帖シリーズの一冊として「竹中 労」 が刊行されました。
竹中 労(1930.5.30~1991.5.19)さんは今年没後20年になり、ご命日の5月19日には沖縄で 竹中労を偲ぶ会「語やびら島唄」 も開催されました。

道の手帖「竹中 労」 も 「没後20年・反骨のルポライター」 とサブタイトルされており、河出書房新社は月命日の7月19日を発売日に設定されています。

竹中英太郎記念館 湯村の杜 竹中英太郎記念館サイトに本書の紹介ページがあります。館長日記にもお書きになっていますので、ご参照ください。

私は今次大戦の最中、とにかく理屈抜きにこの本を読みたいと思っています。幸いなことに竹中英太郎記念館でも入手できるようです。
尚、竹中英太郎記念館は7月24日(日)と25日(月)は臨時休館とのことです。通常休館日は火曜日・水曜日です。



コメント ( 2 ) | Trackback ( )