ひろかずのブログ

加古川市・高砂市・播磨町・稲美町地域の歴史探訪。
かつて、「加印地域」と呼ばれ、一つの文化圏・経済圏であった。

志方町を歩く(274):西中④・莫大小

2012-05-14 11:55:37 |  ・加古川市志方町

クイズをしてみます。

☆「莫大小」はどう読むのでしょう。

001 読める人は少ないのではないでしょうか。

答えは「メリヤス」です。語源はポルトガル語・スペイン語からのようです。

メリヤスは、西中をはじめ志方町を紹介する時、必ず登場する言葉です。

メリヤス(莫大小)につて『志方町誌』は次のように説明していますので、読んでみましょう。

メリ ヤ ス

わが国では普通、メリヤスといえばシャツ類を指し、靴下の場合はやはり靴下と呼んできたようである。

しかし、この地方ではメリヤス工場といい、靴下工場といっても、どちらも靴下を製造する工場である。

メリヤスに漢字を当てて「莫大小」とも書いている。

木綿やタオル類は織物であるが、メリヤスは編物である点が違っている。

要するに、足は身体の中で一番活動的な部分で、伸縮自在な織物を必要としたため、このような編物が生まれたわけで、メリヤスは一本の緯糸をたくさんの針によって互いに編目で連続するように作られるのが普通である。 

機械の規模や構造が家内工業に適しており、少額の資本で始められるところから、中小工業として発達して来たものである。・・以下略・・ (『志方町誌』より)

   

  メリヤス工場の現実

先日、西中の集落を歩きました。

Kメリヤス工業が静かでした。

工場への入り口へまわると「告知(自己破産)」の張り紙があり、操業を止めていました。

その隣の「兵庫県莫大小染色」(写真)の表札も少しさびしそうでした。

それにしても、大正4年(1915には、莫大小同業組合が設立され、大正13年に、アメリカより自動靴下編立機が輸入されてから、志方の靴下は急速に発展しました。

そして、昭和26年には、全国一の靴下生産額を誇っていました。

その後、世の中は国際化社会へと大きく変化しています。

西中のメリヤス(靴下)もアジアの安い製品と太刀打ちしなければならなくなり、かつての賑わいを失っています。

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