花と流星の詩人・植原繁市
風もない。木々のざわめきもない・・・
長楽寺の境内は、時間が止まっているようでした。
植原繁市には、こんな風景が似合うのかもしれません。
境内の隅に繁市の歌碑(写真)があります。
人に告ぐべき
寂しさにはあらぬ
ゆふぐれをひとり杜にきて
しみじみと樹をゆする
泣けばとて、かえるものかよ
告げばとて、癒ゆるものかよ
しみじみと樹をゆする
繁市の唯一の詩集『花と流星』にある詩「寂しさ」です。
繁市は、明治41年、志方町横大路で生まれ、小学校でも病気がちで、姫路商業高校に入学しましたが、胃腸疾患のため二年で退学します。
そうした病弱が彼の繊細さを育てたのかもしれません。
繁市に関して紙面の関係で多くを紹介できないのですが、『鹿児(第80号)』(加古川市学会機関誌)で、高橋夏樹氏が論文「花と流星の詩人・植原繁市」を書いておられます。
繁市は、西条八十主宰の『愛踊』に多くの作品を発表しています。
繁市の作詞による加古川音頭は、今も歌い継がれています。
実生活としては、生涯志方町の職員として働き、収入役の重責もまっとうしました。
昭和46年3月20日死去。63歳。
(2007・11・8の「ひろかずのブログ」より)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます