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ひろかずのブログ

加古川市・高砂市・播磨町・稲美町地域の歴史探訪。
かつて、「加印地域」と呼ばれ、一つの文化圏・経済圏であった。

お爺さんが語る郷土の歴史(269) 近世の加印地域 高砂篇(48)、工楽松右衛門と高田屋嘉兵衛(19)・松右衛門の発明

2018-08-22 09:18:19 | お爺さんが語る郷土の歴史

     松右衛門の発明

 松右衛門は、少年の頃から発明することが好きで、驚くほど多才な人物で多くの発明をしています。

 中でも彼の発明品としては、なんといっても船の帆「松右衛門帆」ですが、松右衛門帆については、次回紹介します。

    『農具便利論』にみる松右衛門の発明

 松右衛門の発明ついて『菜の花の沖』(司馬遼太郎)で、次のように書いています。(漢字等少し変えています)

 ・・・

 たとえば大船と大船の連絡用の快速艇を考案して「つばくろ船」と名づけたが、荒波をしのぐが便利なように潜水艦のような形をしている。

 彼が考案した船や道具のうち15点ばかりが、江戸後期の農学者大蔵永常(おおくらながつね・1768~?)の『農具便利論(三巻)』に鮮明な図付きともに掲載されている。

 轆轤(ろくろ)を用いて土砂取船、舷が戸のような開閉する土砂積船、海底をさらえるフォークのような刃の付いたジョレン、あるいは大がかりに海底をさらえる底捲船(そこまきぶね)、また水底に杭を打つ杭打船、石を運ぶ石積船、さらに巨岩を一個だけ水中にたらして運ぶ石釣船(図)、など20世紀後半の土木機械と原理的に似たものが多く、そのほとんどが松右衛門生存中に一・二の地方で実用化され、死後、ほろんだ。(以上『菜の花の沖』より)

     松右衛門の工夫

 松右衛門の発明は、当時の人々にかなりの程度知られていたテコを大型化し、滑車、浮力を組み合わせたものが多いが、知られていた原理や道具を組み合わせて異色の機具・道具をつくりだしています。

 これらの技術は、後に紹介したい箱館やシャナ(エトロフ島)の港づくり等で威力を発揮しました。(no4565)

 *大蔵永常(おおくら ながつね)・・・明和5年(1768~ ?) 江戸時代の農学者。宮崎安貞・佐藤信淵とともに江戸時代の三大農学者の一人。

*図:松右衛門考案の石釣船(『農具便利論』大蔵永常より)

 ◇きのう(8/21)の散歩(10.642歩)

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