ひろかずのブログ

加古川市・高砂市・播磨町・稲美町地域の歴史探訪。
かつて、「加印地域」と呼ばれ、一つの文化圏・経済圏であった。

かこがわ100選(47):宝蔵寺のオリーブ

2013-04-14 08:13:39 |  ・加古川100選

宝蔵寺の日本最古のオリーブ      *別府町本町

Photo宝蔵寺にあるもの中から、きょうは日本最古のオリーブの木を紹介したい。

明治11年の秋、神戸にオリーブ園が誕生した。場所は神戸市生田区山本通というから、現在の県庁の北側に当たる。

このオリーブ園の経営に当たったのは、若手官僚・前田正名(まえだまさな)だった。

明治10年代の日本は、陸海軍の創設、工業の育成におわれ、国庫は底をついていた。

解決策は増税の他になかった。

この影響を直接に受けたのが農民だった。重税に苦しんだ。多くの農民は田畑を手放さざるをえなかった。

こんな日本の農業の状況を憂い、立て直そうとした政府の役人がいた。前田正名(まさな)である。ここでは彼の活動は省くが、もっと評価されるべき人物である。

明治19年、彼は一時官を去り神戸に移り住んだ。神戸オリーブ園・播州ぶどう園(稲美町)のたて直しのための来神のようだった。

2年後、前田は山梨県知事に就任するが、神戸での2年の間に、多木久米次郎との出会いがあったようである。

久米次郎は、オリーブの苗を譲り受け、別府(加古川市別府町)の宝蔵寺に植えた。

現在、神戸オリーブ園のオリーブの木は残っていない。宝蔵寺の2本のオリーブは、日本最古のオリーブの木である。

宝蔵寺のオリーブと同時期のオリーブが湊川神社に一本残っている。

加古川市に残る2本のオリーブは、小豆島で最初に植えられたオリーブより20年をさかのぼる。

*写真:宝蔵寺のオリーブ。他の一本はその横ある。

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