いま、シリーズで「天満大池物語」を取り上げています。
今までに紹介した話題も再度紹介しています。
きょうは「稲美町探訪(12)・天満大池の伝承」の再録です。
ご了承ください。
天満大池
すでに紹介したように、天満大池はかつて「岡大池」とも「蛸草大池」とも呼ばれ、白鳳三年(675)に築かれたといわれています。
「蛸草大池」の名称は、寛文6年(1666)の絵図面にもあり、おそらく「蛸草庄」を潤す「大池」として名づけられたのでしょう。
この天満大池には、次のような伝承があります。
室町時代前期にあたる1390年の正月のころでした。
ある僧がこの地にやってきて天満神社に逗留することになりました。
このころ夜になると雑魚(ざこ)が、プカプカ浮かぶのでした。
人々は怪しんで、このことを僧に相談すると、僧は「大池に弁財天はあるか」とたずねました。
村人は「ありません・・」と答えると、僧は「このような大池には、きっと竜が住んでいるはずだ。
これは竜の仕業である。島を築いて弁財天を祀るがよい・・」といいました。
村人は急いで島を築き弁財天を祀ると、その怪しいことがビタリと止んだといいます。
*弁財天は、女神でもとの姿は蛇です。
弁財天は、人々に富をもたらし、水を司る神としてあがめられていました。