一昔前、お年よりは村では長老と呼ばれ、物知りで尊敬されていた。
時代は、急速に変化している。お年よりも技術の変化に対応し、また、趣味を深めるために多くのお年寄りが、学習を再開されている。
そのための大学が、平岡町(加古川市)にできた。
本格的なお年寄りの学習への取り組みが全国に先がけて、平岡からはじまった。
「いなみ野学園」である。
この学校は、昭和44年7月1日、県立農業高校講堂で、その産声をあげた。
開校式の模様を、翌日の新聞は次のように報じた。
「・・・・お年寄りに生きがいを」と兵庫県教委は、旧兵庫農大加古川農場跡に老人大学「いなみ野学園」を開設し、1日午前11時から、近くの県立農業高校講堂で開校式が行われた。・・・新しい時代の知識、技術を学習、社会活動に参加することによって、生きがいのある生活を創造しようと、全国に先駆けて開設したもので、雨の中を県下各地から60才から85歳までの「学生」381人が集まって開式した。
・・・・学部は、研修部と実習部の二つで、研修部は教養科目と専門科目に分れ、専門科目は、さらに園芸、造園、家畜、家きん、昆虫・魚、機械、土木、食品、社会福祉のコースに分け、県立農業高校教諭をはじめ、テーマによっては学外の専門家を招く・・・」
今、お年寄りが元気である。