樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

若木か? 老木か?

2014年04月10日 | 森林保護
「木づかい友の会」(バックは林野庁)のメルマガ最新号は、「森林の二酸化炭素吸収」という記事でした。
「二酸化炭素をよく吸収するのは若齢の針葉樹」という見出しで、「二酸化炭素(CO2)の吸収は、ブナやクヌギ、ナラのような広葉樹でなく、スギやヒノキなどの針葉樹の方が旺盛です。しかも、若齢の成長期の樹木の方が、よく吸収します」と述べ、以下のグラフを示しています。



ところが、イギリスの科学誌『Nature』には、これと正反対の研究論文が掲載されたそうです。
アメリカ地質調査所の研究チームが、403種類の樹木67万3046本のデータを分析したところ、年老いた樹木の方が成長が速く、より多くのCO2を吸収していることが判明したというのです。
中心メンバーのスティーブンソン氏によると、「古い森林の方が若い森林よりもCO2吸収能力が高いことはすでに知られていたが、古い森林にはあらゆる大きさの樹木が含まれており、より多くのCO2を吸収する木はどれかについては明確に把握されていなかった。 しかし、今回の研究によって、大気中のCO2の削減については大きな木のほうが良いという結論が得られた」とのこと。


トチノキの老木@栃の森、500歳くらいかな?

老木の方がCO2吸収能力が高く、若い木よりも地球環境の保全に役立っているわけです。樹に例えればすでに「老木」の域に達した私には、何となく嬉しいニュースです。
しかし、世間を騒がしているSTAP細胞の論文が掲載されたのも『Nature』。しかも、上述の論文もほぼ同じ時期に掲載されています。
論文撤回の可能性もあるわけで、林野庁を信じるべきか、『Nature』を信じるべきか、微妙ですね~。
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2 コメント

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このトチノキは (fagus06)
2014-04-11 08:01:27
私たちが調査で歩くコースで最も大きな木です。以前、幹の周囲を測ったことがありますが、確か6m以上でした。
樹齢は推定するしかないのですが、500年以上だと思います。今でも元気に花を咲かせて、実を落としています。
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Unknown (guitarbird)
2014-04-11 00:14:03
おはようございます
栃の森のトキノキの老木は苔むしていて威厳がありますね。
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