今までにも何度かご紹介したように、神社仏閣の建材はほとんどがヒノキです。ところが、京都の泉涌寺(せんにゅうじ)には総欅(ケヤキ)造りという珍しいお堂があります。
このお寺は皇室の菩提所であるために別名「御寺(みてら)」と呼ばれていますが、1668年に徳川家綱が再建した仏殿はほとんどの建材がケヤキだそうです。
(総欅造りの泉涌寺仏殿。国の重要文化財)
古来ヒノキが多用されたのは、強度や美しさもありますが、割裂性に優れていたから。室町時代以前は縦引きノコがなかったので、丸太を斧で割り、凹凸部分を鉋で削って板に仕上げました。ヒノキなど針葉樹は割裂性がいいので板にしやすいのですが、広葉樹は割裂性が悪く、特にケヤキは硬くてなかなか真っ直ぐに割れません。使いたくても使えなかったのです。
(柱をよく見ると、ケヤキならではの力強い木目があります)
ケヤキなど広葉樹が建材に使われるようになるのは、2人がかりで引く「大鋸(おが)」と呼ばれる縦引きノコが登場して以降。ちなみに、「おがくず」はこの道具に由来します。
室町時代以降は巨大建築にもケヤキが使われるようになり、特に戦国時代のお城にはケヤキが多用されています。神社でも、例えば永平寺などは修理や再建に必要な木材を確保するために寺有林にケヤキを植林しているそうです。
道具の発達によって、建材に使用される樹種も大きく変化するわけですね。
このお寺は皇室の菩提所であるために別名「御寺(みてら)」と呼ばれていますが、1668年に徳川家綱が再建した仏殿はほとんどの建材がケヤキだそうです。
(総欅造りの泉涌寺仏殿。国の重要文化財)
古来ヒノキが多用されたのは、強度や美しさもありますが、割裂性に優れていたから。室町時代以前は縦引きノコがなかったので、丸太を斧で割り、凹凸部分を鉋で削って板に仕上げました。ヒノキなど針葉樹は割裂性がいいので板にしやすいのですが、広葉樹は割裂性が悪く、特にケヤキは硬くてなかなか真っ直ぐに割れません。使いたくても使えなかったのです。
(柱をよく見ると、ケヤキならではの力強い木目があります)
ケヤキなど広葉樹が建材に使われるようになるのは、2人がかりで引く「大鋸(おが)」と呼ばれる縦引きノコが登場して以降。ちなみに、「おがくず」はこの道具に由来します。
室町時代以降は巨大建築にもケヤキが使われるようになり、特に戦国時代のお城にはケヤキが多用されています。神社でも、例えば永平寺などは修理や再建に必要な木材を確保するために寺有林にケヤキを植林しているそうです。
道具の発達によって、建材に使用される樹種も大きく変化するわけですね。
とても勉強になりました(いつもですがありがとうございます)。
材の特徴を生かした利用法というのは、当然のことながら、
それを使える用具が発明されてからの話なんですね。
それからケヤキは資源量が多い(多かった)んですね、そちらでは。
ケヤキは関西では街路樹とか屋敷林としては見ますが、私は自生しているのを見たことがないんです。どちらかというと関東方面に多いようですね。
でも、木材としてかなり使われたはずですから、昔は身近な場所に自生していたのかも知れません。