樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

ヤマガラの芸

2020年11月05日 | 野鳥
私自身は見たことはないですが、昔はヤマガラがおみくじを引くという見世物がありました。以下はYouTubeに投稿されているおみくじ引き。



ヤマガラは人懐っこい上に、ドングリなどを取って地面に隠し、後で食べる「貯食」という習性を持っているので、こういう芸が仕込みやすかったのでしょう。
調べてみると、ヤマガラは鎌倉時代にすでに飼育されていたようで、ヤマガラの芸を詠んだと思われる和歌が残っています。この頃は貴族の趣味にとどまっていたようですが、飼い鳥文化が庶民にまで普及する江戸時代には、見世物として興行されるようになります。
芸も多様化して、中には、ヤマガラ使いが百人一首の上の句を詠むと、ヤマガラが下の句の札をくわえてくるという高度な芸も披露されていたようです。
明治10年に来日したアメリカの動物学者エドワード・モースは、当時のヤマガラの芸をスケッチとともに詳しく日記に書き残しています。例えば、下のスケッチはヤマガラが乗ったおもちゃの馬を別のヤマガラが引く「馬引き」という芸。



下は、木馬の棒の刻み目に引っ掛けてある弓の弦を外して矢を射る「那須の与一」。



下は、3本の掛軸を順に木にかける「掛軸かけ」。



こうした芸を10種類書き残していますが、当時はまだおみくじ引きはなかったようです。明治20年頃、浅草の「花屋敷」という、今でいう遊園地にはヤマガラの芸のためのホールがあったそうで、昭和7年の記録によると25羽のヤマガラが出演し、それぞれが4~5種類の芸を披露していたとのこと。
おみくじ引きが登場するのは昭和20年頃。韓国にスズメ、台湾や香港にブンチョウ、中国にマヒワ、ネパールにインコを使った占いがあるので、それらをヒントにしながら、従来の芸を組み合わせて編み出されたようです。
コメント (4)   この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 冬鳥続々 | トップ | 鳥の味覚 »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (kazuyoo60)
2020-11-05 11:18:38
ヤマガラ、仕込んだとしても、なかなかやりますね。お賽銭を入れて扉を開けて、おみくじを持ち帰る、よく覚えたものです。
習性を上手に利用して、ご褒美までの過程ですね。パチパチパチ。
kazuyo様 (fagus06)
2020-11-06 17:37:49
誰が考えたのか知りませんが、その着想に感嘆します。
私の朝の散歩コースには、毎朝、ヤマガラにピーナッツをやっているオジサンがいます。そのオジサンより早く着いて、ベンチでストレッチしていると、私の手や足にも止まって、「餌をちょうだい」と催促します。
芸を仕込もうと思えば、できなくはないでしょうね。
Unknown (guitarbird)
2020-11-08 06:46:22
おはようございます
ヤマガラのおみくじの話は野鳥観察会でもよくするのですが、やはり見たことがあるという人はご高齢の方も含めてまだ会ったことがありません。
こちらではヤマガラ以上にハシブトガラが人懐っこくて、誰か餌をあげている場所では、人が行くと寄ってきて、手を出すと手に乗ります。
でも、手袋をしている手にはとまらないのが面白いです。
ゴジュウカラもヤマガラ並みかそれ以上に人懐っこいです。
guitarbirdさんへ (fagus06)
2020-11-10 07:53:32
そうですか、ヤマガラよりもハシブトガラの方が人懐っこいですか。それは意外ですね。そのあたりも地域差があるのですね。
手袋には止まらないというのも面白いですね。
ヤマガラはどうだったかな? 手袋でも止まったような…。
ゴジュウカラはこちらでは、まず人が多い場所には生息しないので、人懐こくなることがあり得ないですね。亜種とはいえ、警戒心がそんなにも違うのが大変興味深いです。

コメントを投稿

野鳥」カテゴリの最新記事