樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

謎のツバメ群舞

2021年08月05日 | 野鳥
今の時期、夕方になると京都府南部のツバメ数万羽が集結する場所が宇治川にあります。それを見るために毎年観察会を開いていましたが、コロナのため昨年は中止。今年も京都府にまん延防止等重点措置が適用されたので、8月1日の会員向け、私が担当する8日の一般向けとも中止になりました。
しょうがないので、以前ご紹介したオンライン探鳥会として会員に楽しんでもらうため、先日撮影に出かけました。その中から当ブログ用に編集したのが以下の動画。



「ツバメのネグラ入り」と呼ばれる現象で、全国各地にネグラがありますが、なぜこの時期にヨシ原に大群が集まるのかは謎です。南へ帰るために安全を期して大群になるという説、どこに餌がたくさんあるか情報交換するために集まるという説、いろいろありますが、結局は「ツバメに聞いてみないと分からない」。
宇治在住の会員が5~6名集まって毎年カウント調査をしています。夕方はご覧のようにツバメがグルグル乱舞してカウントできませんが、早朝の飛び出し(ネグラ立ち)は一方向に流れるので、4時半に集合して1人が50メートルほどの間隔を担当してカウントします。その調査もコロナで昨年、今年とも中止。10年前、調査の最中にカメラを置いて後方を撮りっぱなしにした映像が以下。



5時前になると、ヨシ原で目覚めたツバメが「グジュグジュ、グジュグジュ」と鳴き始め、最初は50羽ほどの群れがあちこちで飛び出し、それが徐々に100羽、500羽、1000羽単位の大群になって流れるように飛んでいきます。それを、おおまかに300とか1000、上の映像のようなピーク時には2000、3000とカウントしながら各担当分を合計して数を算出します。
多い年は5万羽以上、少ない年は2万羽くらい、年によって、あるいは調査日によっても数は違いますが、観察会で初めてご覧になった方は必ず「スゴ~イ!」と感動されます。他の探鳥会と違って鳥の当たり外れがなく、ツバメの大群は必ず現れるので、担当者としては安心して開催できる観察会なのですが、中止になって残念でした。
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4 コメント

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Unknown (kazuyoo60)
2021-08-05 10:30:55
>結局は「ツバメに聞いてみないと分からない
燕の大群もですね。ご実感では減っているとは思われないような。犬が居たので、巣を掛けることはなかったのですが、今後は?です。たまに雑草園の上を飛ぶ姿を見ます。
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 (しまそだち)
2021-08-05 17:10:52
田舎の小さな灌漑池の周囲の電線にも
夕方集っています
そんなに巣立つのかと思うほどの数です
何処に巣を作っているのか
過疎の村です

今年は 実家で巣立つツバメも 2回 ちゃんと育ったとのことです
カラスが 襲うので守るのが 大変です
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kazuyoo60様 (fagus06)
2021-08-07 09:11:24
このツバメのネグラ入りは、奈良の平城宮跡のヨシ原でも見られるそうです。私は行ったことがありませんが、野鳥の会奈良支部によると5万羽だそうです。
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しまそだち様 (fagus06)
2021-08-07 09:15:15
コメントありがとうございます。
ツバメがネグラ入りする頃には、もう巣は使っていないはずです。多分、その地域のツバメが1カ所に集まって草原で寝るのだと思います。
ツバメの群れを見るのは、数羽のツバメを見るのとはまた別の感じになりますね。
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