樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

殿下はバードウォッチャー

2021年08月12日 | 野鳥
前々回、アメリカのカーター大統領を中心にバードウォッチャーの政治家をご紹介しましたが、王族の中にもバードウォッチャーがいます。
今年4月に99歳で亡くなったイギリスのエディンバラ公フィリップ殿下もその一人。


1953年のエリザベス2世の戴冠式でのフィリップ殿下(Public Domain)

海軍に入隊した頃はスズメとカモとカモメしか知らなかったものの、1956年と1959年の「ロイヤル・ヨット・ブリタニア」(イギリス連邦をヨットで回る航海)で、ヨットの周りを飛ぶ海鳥に魅了されて写真を撮影するようになりました。そして、1962年には世界中の海で撮影した海鳥の写真集『ブリタニアの鳥』(下)を刊行しています。



その一方、イギリスの紳士の常としてハンティングにも熱心で、英連邦内ではバードウォッチャーとしてよりもハンターとして有名だったようです。鳥は撮影する対象ではあるものの、保護という視点はなかったのでしょうか。にもかかわらず、WWF(世界自然保護基金)の会長や英国鳥類学の支援団体のパトロンを務めていました。
日本の皇族も鳥類学やバードウォッチングに深く関わっています。山階鳥類研究所を設立した山階芳麿は昭和天皇の従弟(いとこ)。三大図鑑の一つ『日本鳥類大図説』を著した清棲幸保も皇族出身です。
高円宮妃殿下は野鳥写真家で、これまで2冊の写真集(下はそのうちの1冊)を発行するほか、写真展を5回開催しています。



また、現天皇の妹である礼宮内親王はバードウォッチャーとして知られ、皇族を離脱した現在は黒田清子(さやこ)として山階鳥類研究所に勤務しています。
バードウォッチングを始めた頃、周りから「高貴な趣味ですね」と言われたことが何度かありましたが、こういう背景があるんですね。
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2 コメント

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Unknown (kazuyoo60)
2021-08-12 12:26:01
数日前の新聞に、平城宮跡の芦原に、子育てを終えた燕が集まってねぐらにしていると出ていました。その後、一緒に南に帰るとか。
スズメとカモとカモメ---ですか。私でも家に来る鳥たちや県内で見た鳥は集めたらそれなりにです。
①雀②キジバト③ヒヨドリ④カラス⑤メジロ⑥鶯⑦シジュウカラ⑧ムクドリ⑨ホオジロ⑩アオジ⑪キレンジャク⑫ジョウビタキ⑬モズ⑭アオサギ⑮シラサギ(大中小が分からない)⑯カイツブリ⑰ヒバリ⑱コゲラ⑲雉⑳燕㉑カケスなどです。実物を見ています。孔雀は動物園で、山鳥とウズラは山道で会いました。
エディンバラ公フィリップ殿下、メディア情報以外は知りませんが、良い方だったそうですね。
黒田清子さんが結婚前から山階鳥類研究所に勤務されていたのは知っています。
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kazuyoo60様 (fagus06)
2021-08-13 09:07:17
それだけの種類を確認されたのですか、それはすごい!
野鳥の会に入りませんか?(笑)
ヤマドリはなかなか会えませんが、出会うとびっくりしますね。。ウズラは、山道で見られたのなら、コジュケイかもしれませんね。
平城旧跡のツバメはもう少なくなったかもしれませんが、ぜひご覧ください。
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