樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

青くないのにアオサギ

2018年04月19日 | 野鳥
探鳥会で参加者から「青くないのになぜアオサギなんですか?」と質問されることがあります。アオゲラ、アオジ、アオバトなど緑色の鳥については、「青信号や青リンゴと同じで、昔は緑色を青と呼んでいたのでその名残です」と説明すれば納得していただけますが、アオサギは緑色でもない。



正確に説明すると、古代日本では色を赤・黒・白・青の4つのカテゴリーに分け、「赤-黒」で「明るさ-暗さ」を、「白-青」で「はっきり-ぼんやり」を表現していたので、ぼんやりしたグレーは青と呼んだから、ということのようです。
記録としては、奈良時代すでに「青鷺」という言葉が使われているそうです。中国では「蒼鷺」。「蒼」には「青」以外に、「鬱蒼(うっそう)とした」のように「薄暗い」という意味もありますから、日本に似た色彩感覚なのでしょう。
一方、西洋では学名のArdea cinereaは「灰色のサギ」の意味ですし、英名もGrey heron。アオサギの研究者によると、イタリア、フランス、ドイツ、ギリシャ、スウェーデン、ハンガリー、ロシアなどほとんどの言語で「灰色のサギ」と呼ばれているとのこと。アラビア語も同じく。
ところが、オランダ語とウェールズ語では日本や中国と同じく「青いサギ」と表現するそうです。東洋的な色彩感覚を持っているのでしょうか。
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