コピーライターになったころ、多様なレトリックを習得するため、開高健の文章をノートに書き写しました。サントリーのコピーライターから転身したこの作家のレトリックは、「饒舌体」と呼ばれるほど華麗だったからです。著作もほとんど読みました。
私淑するその先生が森の倒木について語っています。執筆ではなく、インタビューの書き起こしなので、饒舌体は影をひそめていますが…。
風倒木が倒れて倒れっぱなしになっている。これがムダなように見えていて、実に貴重な資源なんであって、そこに苔が生える、微生物が繁殖する、バクテリアが繁殖する、土を豊かにする、小虫がやってくる、その小虫を捕まえるためにネズミやなんかがやってくる、そのネズミを食べるためにまたワシやなんかの鳥もやってくる、森にお湿りを与える、乾かない、そのことが河を豊かにする、ともう全てがつながりあっている。
だから、あの風倒木のことを、森を看護しているんだ、看護婦の役割をしているんだというので「ナース・ログ」というんですけれども、自然に無駄なものは何もないという一つの例なんです。
栃の森のナース・ログ
先生のお言葉ですが、「看護婦の役割」というのがしっくりこないので、私なりに調べてみました。「Nurse log」をネットで検索すると、英語版のWikipediaに説明があり、やはりニュアンスが違います。
英和辞典を開くと、nurseには「看護」「看護婦」とは別に、「育児」「保母」という意味があり、動詞として「授乳する」「養育する」という意味もあります。
倒木が次世代の生物に授乳し、養育するという見立て…。「Nurse log」は「森を育てる木」という意味なんですね。なかなか含蓄のある言葉です。
天国にいらっしゃる開高先生! 僭越ながら弟子が修正しておきましたよ~
私淑するその先生が森の倒木について語っています。執筆ではなく、インタビューの書き起こしなので、饒舌体は影をひそめていますが…。
風倒木が倒れて倒れっぱなしになっている。これがムダなように見えていて、実に貴重な資源なんであって、そこに苔が生える、微生物が繁殖する、バクテリアが繁殖する、土を豊かにする、小虫がやってくる、その小虫を捕まえるためにネズミやなんかがやってくる、そのネズミを食べるためにまたワシやなんかの鳥もやってくる、森にお湿りを与える、乾かない、そのことが河を豊かにする、ともう全てがつながりあっている。
だから、あの風倒木のことを、森を看護しているんだ、看護婦の役割をしているんだというので「ナース・ログ」というんですけれども、自然に無駄なものは何もないという一つの例なんです。
栃の森のナース・ログ
先生のお言葉ですが、「看護婦の役割」というのがしっくりこないので、私なりに調べてみました。「Nurse log」をネットで検索すると、英語版のWikipediaに説明があり、やはりニュアンスが違います。
英和辞典を開くと、nurseには「看護」「看護婦」とは別に、「育児」「保母」という意味があり、動詞として「授乳する」「養育する」という意味もあります。
倒木が次世代の生物に授乳し、養育するという見立て…。「Nurse log」は「森を育てる木」という意味なんですね。なかなか含蓄のある言葉です。
天国にいらっしゃる開高先生! 僭越ながら弟子が修正しておきましたよ~
エゾマツは「ナース・ログ」になりやすいわけですね。
童話や子守歌にも「ナース」があるんですね。やっぱり子育てという意味なんですね。
自然への配慮に欠ける人が多いですね。フォトグラファーについては、また別の記事をアップするつもりですが、私も年のせいか、ボヤキが多くなります。
開高健さんの本は大学時代に少し読んだのですが、もうそれ以来20年以上読んでいないことに気づきました。
山口瞳もサントリー出身ですよね。
この話に沿った話をすれば、エゾマツは稚樹が菌に弱くなかなか育たないのが、エゾマツの倒木の上に出たものはその木の助けで他より成長しやすい、ということを聞きました。
ちなみに童話や子守唄のことを"nursery rhyme"というそうで。
自然と共生してきた、かつての日本にもこのような言葉があったのでしょうか?
最近は、ファッション的な感覚で自然に接する人も多いようで、こういう自然に対する理解が足りないと思うことが増えました。問題の多いカメラマン然り、盗掘や踏み荒らし然りです。
なんかこの頃、年のせいかボヤキが多くなりました。(苦笑)