樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

樹木の多様性

2019年08月01日 | 樹木
前回の鳥に続いて、2週間前のことですが、栃の森の樹のご報告です。
森は結実の時期を迎えていて、いろいろな実が膨らんでいました。まず、この森の名前(私の勝手なネーミング)の由来であるトチノキ。昔は人間がこの実を食用にしたわけですが、今はネズミやシカの空腹を満たしています。


トチノキの実

今回、白神山地を訪ねた後なので、林相の違いが気になりました。
白神山地の森は樹種が少なかった。高木ではブナ、ホオノキ、ミズナラ、ウダイカンバなど、中高木ではハウチワカエデ、リョウブなど、低木ではオオカメノキ、クロモジなど、大雑把に数えて30種ほど。
一方、以前、栃の森を歩きながら自分で識別できる樹種をカウントしたことがありますが、約70種でした。白神山地にあって栃の森にないのはウダイカンバくらい。


ガマズミの実

樹木の多様性という点では、圧倒的に栃の森の方が豊かです。白神山地は緯度が高いので常緑樹が少ないということもありますが、それだけでは片づけられないようです。
何というか、白神山地の森が洗練されているのに対して、栃の森はワイルド。あちこちに倒木があったり、シカの食害で笹藪がなかったり、動物の骨が転がっていたり、豪雨でせせらぎのルートが変わったり、自然が常に動いているという感じ。


エゾユズリハの実

一方、白神山地の森は、均一な太さの高木が整然と並び、笹も密生していて、倒木もなく、風景として美しい。そんな印象でした。
もちろん、白神山地では主に尾根筋を歩いたのに対して、栃の森のコースは谷筋という環境の違いもあると思いますが、結果的に栃の森の魅力を再発見することになりました。
今回、木の実が目立ちましたが、花も咲いていましたので、最後にご紹介します。


イワガラミ


ヤマアジサイ


ナツツバキ
コメント (2)
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