樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

鳥と地震

2015年12月03日 | 野鳥
『日本書記』に鳥と地震に関する興味深い記述があります。現代語訳すると以下のとおり。
「天武7年12月27日(西暦679年1月18日)、アトリの大群が空を覆って西南から東北の方向に飛んだ。そして、筑紫国で大地震が発生した。地面が幅6m・長さ10kmにわたって裂け、どの村でも多数の民家が崩壊した」。
この筑紫地震は記録に残る日本最古の地震だそうですが、アトリの大群の飛翔を地震の予兆と考える学者がいて、日本地震学会でも採り上げられたようです。
アトリは時にものすごい数の群れを形成することがあって、私も20年ほど前、何万というアトリの大群を見るために岐阜県の山奥へ友人と出かけたことがあります。山の中腹で見ていると、谷全体を覆うようなものすごい数のアトリが飛んでいました。


京都市のど真ん中・京都御苑でも大群を形成するアトリ

大地震の前に動物が示す異常な行動を「宏観異常現象」と呼ぶそうです。「ナマズが騒ぐ」というのもその一つ。
東日本大震災の前にも、宮城県石巻市でカラスが異常に群れて鳴き騒いだとか、数十羽のトビがけたたましく鳴いという宏観異常現象が記録されています。阪神淡路大震災でも、カラスやスズメ、キジなどの異常行動が報告されています。
鳥ではないですが、海外でも2011年のペルー大地震の前にネズミが消えたという現象があり、それを研究したイギリスの大学教授は、地震の前に起きる地殻変動にによって陽イオンが発生し、それが動物にストレスを与えて異常な行動に駆り立てると説明しています。
ナマズについては「?」ですが、そういうメカニズムは「あるかも知れないな」と半分納得します。
コメント (4)
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