樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

常緑樹ウォッチング

2015年12月10日 | 樹木
週末、2カ月ぶりに栃の森に行ってきました。11月の紅葉は見逃しましたが、初冬の森を楽しんできました。市街地に比べると季節が1~2カ月進んでいるので、落葉樹はほとんど葉を落とし、森の中はすっかり冬枯れ。



「それなら常緑樹ウォッチングをしよう」と思いつき、林内に自生する緑の樹木をチェックしながら歩きました。
最も多いのは予想どおりスギ。谷筋には幼木が、斜面には若木が、尾根筋にはそれらの母樹と思われる巨木が生えています。下の写真は湿原にある一本杉。この湿原には昔、木地師たちが住んでいたらしいので、当時植栽されたものかもしれません。



スギの次に多い常緑樹はアセビ。斜面のあちこちに群生しています。奈良公園と同じく、有毒でシカが食べないために増えているのだと思います。



今回の収穫はツルマサキ。数年前にイワウメヅルと同定したのですが、京都府レッドデータブックで絶滅寸前種に指定され「府内に記録はあるが、近年目撃した人はいない。すでに絶滅している可能性もある。発見されたら、施設栽培で系統保存が望ましい」と書いてあることを同行の仲間が教えてくれたので、改めて確認したところツルマサキであることが判明しました。



当ブログではこれまでイワウメヅルとして3回ご紹介してきましたが、誤りだったわけです。訂正してお詫びいたします。
イワウメヅルは落葉樹、ツルマサキは常緑樹なので、今の時期によく見ていれば誤認するはずはないのですが、観察力が足りなかったわけです。


林内の各所で樹木にまきつくツルマサキ

以上3種のほか、マツ、エゾユズリハ、ヒサカキ、ヤドリギ、カラスシキミが緑の葉を広げていました。栃の森の常緑樹は8種ということになります。
想像以上に少ない結果でしたが、豪雪地帯に位置する冷温帯林であることを考えれば、常緑樹が少ないのは当然かもしれません。
コメント (2)
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