樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

赤い実 青い実

2015年10月29日 | 木と鳥・動物
12日に訪れた栃の森は実りの秋。さまざまな木の実が色づいていました。林道で目についたのはカナクギノキの赤い実。
ある野鳥フォトグラファーのブログにオオルリ、キビタキ、クロツグミ、マミジロ、サメビタキ、エゾビタキ、マミチャジナイ、ムギマキ、ツグミが投稿されているのですが、その背景がすべてカナクギノキ。この赤い実は鳥の好物らしく、いろいろな鳥が集まってくるようです。



叶内拓哉さんの図鑑『野鳥と木の実』にはなぜか掲載されていませんが、野鳥には人気のあるらしく、そのフォトグラファーもカナクギノキを撮影ポイントにしているようです。
一見美味しそうなので私も以前口に入れましたが、最初は酸味、次に青臭み、最後にクスノキ科特有の樟脳のような風味があって、とても食べられません。鳥と人間の味覚は全く違います(笑)。
同じく赤い実として、イワウメヅル、コマユミ、ガマズミ、ナナカマドが見られました。


イワウメヅル


コマユミ

前述の叶内さんの図鑑によると、マユミはオオアカゲラからコゲラまでキツツキ類が好んで食べるそうです。マユミもコマユミも同じでしょうが、こんな小さな実をオオアカゲラが食べるんですね。
青い実をつけているのは、サワフタギ。別名、ルリミノウシコロシ(瑠璃実の牛殺し)。牛の鼻輪に使う樹種がいくつかあって、そのうちの青い実をつける木という意味の命名でしょう。



この木のもう一つの別名は、ニシコリ。テニスプレーヤー・錦織と同じ漢字です。この木を焼いた灰を、錦を染める時の媒染剤に用いたのがその由来のようです。
エゾユズリハも青黒い実をつけていました。粉がふいて一見ブドウのようですが、以前試食したところ苦くてすぐに吐き出しました。



このほか、ヒサカキとタンナサワフタギは黒い実、シラキとキリは茶色い実、リョウブは白い実をつけていて、けっこう賑やかでした。
コメント (2)
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