樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

ひごろ憎いヒヨドリも

2015年10月22日 | 野鳥
私が栃の森に通っている本来の目的は鳥の生息調査。野鳥の会や環境省に依頼されているわけではなく、約20年前に京都府の鳥獣保護区調査を担当した際、この森の魅力にとりつかれた当時のメンバーがそのまま自主的に調査を継続しています。
前回の訪問時は31種の野鳥を確認しました。中でも印象的だったのが、ヒヨドリの渡り。キャンプサイトから林道を歩いて森の入口で休憩していると、上空をヒヨドリが渡っていきます。50~60羽の群れが途切れながら次から次へと飛び続け、その数500~600羽。



ヒヨドリはいつもは「ピーピー、ピーピー」うるさいし、わが家のブルーベリーやミニトマトを食べるので憎たらしい鳥。バードウォッチャーの間でも、敬遠される存在です。でも、渡っていくヒヨドリはなぜか声も弱々しく、見ていて心惹かれるものがありました。
カラスが大嫌いな芭蕉が、「ひごろ憎き 烏も雪の 朝(あした)かな」と詠んでいます。「カラスは嫌いだけれども、白い雪景色に1点だけ黒いカラスがいる景色はいいものだ」という句です。それにあやかれば、「ひごろ憎き ヒヨドリも秋の 渡りかな」といったところ。
このほか、折り返し地点の峠ではタカの渡りも見られましたし、冬を告げるアトリの群れに数カ所で遭遇しました。
地面には、アオバトの羽根が散乱していました。ハイタカかオオタカに襲われたようです。



新しいツキノワグマの爪痕も発見。7月の訪問時にはなかったので、この夏の間に引っ掻いたようです。樹種は例によってミズキ。この森ではなぜかミズキにクマの爪痕が集中しています。



野鳥をチェックしつつ動物の痕跡を発見したり、樹や草、キノコ、虫、魚などいろいろな生物をウォッチングしながら森を歩くという贅沢な時間を過ごしてきました。
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