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樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

黒文字、白文字、青文字

2006年06月09日 | 木と飲食
早口言葉みたいな題ですが、3つとも木の名前です。このうちのクロモジを、先日バードウォッチングで訪れた広島県の比婆山で見つけました。どこにでもある木ですが、たまたま開花していたので撮影しました。

      

この木は、高級な爪楊枝に使われるのでご存知の方も多いでしょう。下の写真のように、若い緑の枝に黒い模様があるので、これを文字に見立てて「黒文字」と名づけたのです。

      

下の写真はわが家にあった爪楊枝ですが、黒文字は爪楊枝になっても残っています。何年も前に買った爪楊枝なので匂いは消えていましたが、ナイフで少し削るとプ~ンといい香りがしました。
ちなみに、爪楊枝の箱には、「10分程水に浸しておくと腰が戻ります。水分を含んだ楊枝は和菓子の皮やアンコの付着を防ぎます」と書いてあります。今度から水に浸してから使おっと。

      

クロモジはクスノキ科ですが、この仲間には香りのいい木が多いです。肉料理に葉っぱを使うゲッケイジュ、お菓子に使う香料のシナモン(肉桂)もクスノキ科。そのほか、クスノキやダンコウバイも葉や枝をちぎるといい香りがします。ヤマコウバシ(山香ばし)という名前の木もあります。

クロモジの仲間にはシロモジという木もあります。何故「白文字」なのか分かりませんが、この木にもクスノキ科特有の芳香があります。
さらに、アオモジという木もあります。自生地は九州方面なので私はまだ見たことがありませんが、図鑑によると、実や材にはレモンのような香りと辛味があり、「生姜の木」とか「胡椒の木」と呼ばれているそうです。
クスノキ科の木は料理やお菓子と関係が深いんだな~。
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今年は柚子が豊作?

2006年06月02日 | 木と飲食
写真は、わが家のユズの花です。
ツリーウォッチングと称して野山にはよく出かけるくせに、自分ちの庭の樹木はほとんど見ていませんでした。このユズの花にも、恥ずかしながら初めて気がつきました。

      

言い訳をすれば、よく行く山や森の樹木を識別するためにツリーウォッチングを始めたので、栽培や観賞のための品種には関心がないのです。このユズも「実の成る木を・・・」という妻の要望で植えたものでした。

管理が悪いせいか、その実も毎年2~3個しか成りません。それでも、実を絞って柚子ポンにしたり、皮を白菜の漬物に入れたりしていました。
でも、私の目につくほどたくさん花が咲いているということは、今年の冬は柚子の豊作かも? 柚子ジュースを作って、いろいろ料理に使えそうです。

      

ユズの葉には特徴があって、葉っぱの下に小さな葉っぱ(翼)がくっついています。こんな形の葉は他にありません。
以前、近くの山でこの葉をみつけたとき、なかなか同定できませんでした。たまたまわが家のユズを見て、「あれ?同じ葉っぱ!」となったのです。
でも、栽培種のユズがなぜあの山の中にあったのかは、未だに疑問です。
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茶は宝

2006年05月23日 | 木と飲食
多くの自治体がシンボルツリーを制定しています。
例えば、京都府は北山スギ、東京都と大阪府はイチョウです。私が住んでいる宇治市も「市の木」を定めています。何だと思います?

      

「そりゃあ、やっぱり茶の木でしょう」。私もそう思っていました。でも、違うんです。宇治市の木はイロハモミジ。私がいつも散歩に行くあたりが紅葉の名所になっているからでしょう。側溝のフタも「宇治市の木はイロハモミジだ」と主張しています。

      

茶の木は「市の宝木」という別格のシンボルツリーになっています。宝木を制定しているのは宇治市くらいでしょう。

お茶のコマーシャルに緑鮮やかな茶畑が登場しますが、宇治ではあんな風景は見られません。下の写真のように、ほとんどの茶畑が黒い幕(寒冷紗)で覆われています。
玉露を生産しているからです。玉露は、新芽が出ると日光を遮って渋みを抑えるのだそうです。他のお茶は静岡をはじめ全国の産地に任せて、高級品の産地として特化するつもりのようです。

      

京都市や大阪市のベッドタウンなので、茶畑も少しずつ住宅地に変貌しています。何を隠そう、わが家の敷地も以前は茶畑でした。緑地を壊して、申し訳ない
家を建てる際、罪滅ぼしに「庭に茶の木を植えたい」と言ったのですが、植木屋さんに「チャドクガという虫がつきまっさかいに、やめときなはれ」と諭されました。
ちなみに、チャノキはツバキと同じ仲間です。
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