ライターの脳みそ

最近のマイブームはダム巡りと橋のユニークな親柱探し。ダムは目的地に過ぎず、ドライヴしたいだけ…。

水争奪問題解決のために…一丈木ダム

2022-06-25 06:51:55 | 秋田(ダム/堰堤)
どーも、ワシです。今回は秋田県仙北郡美郷町千屋一丈下(せんぼくぐん みさとちょう せんやいちじょうげ)にある雄物川水系の一丈木(いちじょうぎ)ダムを訪れます。ダム名の「一丈木」は右岸側の道路の北側の地名ですが、もしかすると築造した当時はここの地名も「一丈木」だったのかもしれません。地名の由来は不明です。アクセスは県道50号沿いにある「一丈木公園」方面に行くと到着します。

まずは左岸から見たダムの様子をご覧ください。



順を追って見ていきましょう。県道50号から「一丈木公園」方面の道を来るとその道沿いに「一丈木ため池」の案内板があります。一丈木ダムは別名一丈木ため池と呼ばれ、ご覧の通り、ここは日本に21万箇所あると言われるため池から選ばれたため池百選のひとつに選ばれています。一丈木ため池は昭和13年(1938年)に築造され、有名な「あきたこまち」を作る水田に水を供する役割を果たしているそうな。





その案内板からダムへ向かう途中には「一丈木公園」の看板。



のんびり寛げそうですね。



ダムの近くには「記念碑」と刻まれた石碑があります。その上部には篆字体で「貯水池築造」の文字。





その裏を見ると築造の経緯と概要が記されています。要約すると以下の通り。

高梨村、畑屋村、千屋村、六郷町、飯詰村、金澤村、西根村は仙北郡枢要の地で、広汎なる田地を有している。しかし分水設備の不備からこれまで灌漑用水を奪い合う争いが絶えなかった。そこで分水設備を改善し、水争奪の紛議の禍根を断つべく上記の七町村の首長が話し合いを行ない、畑屋村仏沢及び千屋村一丈木に2つの貯水池を築造することに決まった。そして秋田県の県営事業として昭和5年(1930年)9月に仏沢貯水池の工事に着手。次に昭和7年(1932年)に一丈木貯水池の工事に着手し、昭和13年(1938年)5月に竣工した。

なるほど、やはりここの溜池の築造にも水利権が絡んでいたんですね。

そんなことを思いながら、いよいよダム上に向かいます。これが右岸から見たダム上です。写真に見える白いガードレールの下が洪水吐から流れ出た水を流す水路になっています。



その洪水吐がこちら。越流式です。



そして、溢れ出た水はこの水路を通って、あちらへ流れてゆきます。



洪水吐の水路に架かる橋を渡るとダム上はこんな感じで、細い通路になっているんですが、



ダム上、中央に来た時、通路の硬さが急に変わりました。その境目がこちら。写真中央を境に微妙に色が違うのがわかるでしょうか。写真左が右岸側で、そこから中央まで地面は硬かったのですが、中央を境に急にフワフワした感触になったのです。おそらく改良工事はここを境に行なわれたのかもしれませんね。



で、そこから溜池(貯水池)を見ると、こんな感じ。なるほど、ため池百選に選ばれるだけことはありますね。美しい!



一方、下流側はというと、うーむ、森だ…。



対岸(左岸)に来ました。振り返ると、こんな感じです。



左岸、下流側から見たダムの様子。



同、貯水側には取水設備の建物でしょうか。



そのドアには暗証番号をポチポチする鍵がついています。(のちにわかることですが、これは近隣のダムでも採用されていました)



先ほど見た「一丈木ため池」の案内板の隣には2つの貯水池、即ち「一丈木ため池」と「仏沢ため池」の位置関係を示す地図があります。



「仏沢ため池」も一応ダムのようなので、これは次回の記事で紹介しようと思います。
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