2022/04/29 記
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天気が悪くなるということで、母は趣味サークルを欠席した。マンションの室内は、線路際の立地もあって防音対策がしっかりしていて、外の音がほとんど聞こえない。だからよっぽどの嵐でないと、全くわからない。買い物は昨日済ませておいたので、一日中母と睨めっこの事態。
私は、教材屋のお情け窓際リモートワークやら、眼と相談しつつ順待ち図書を読んでいる。今は
●「ケアと支援と「社会」の発見 個のむこうにあるもの」
●「発達障害白書 2022年版 特集1新型コロナと多様な影響 2少子化とその対応」
を交互に読んでいる。しかし、その光景は少し違っている。コピー・スキャナー機のような読み上げ機と、拡大ディスプレーを睨んでいるからだ。部屋の隅で小ぢんまりとやっているのではなく、耳障りな早送り音声が流れているからだ。
これが母には苛立ちの種。私に話しかけては、作業の中断を試みる。こうして、相互のフラストレーションは高まっていき、私は自分の部屋の布団の上にゴロリ。母もTVを切って、寝室のベッドによこたわる。このくりかえし。早く夜にならないかと、思っていた。
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気まずくて、幼児の頃、「Tennessee Waltz 」の偽歌を私が歌っていた昔話を蒸し返した曽祖父の大正琴のSPに紛れて、祖父がもらってきたハリー・ジェームス楽団をバックにキティ・カレンが「It's Been a Long,Long Time」を歌っている、そのSPをしょっちゅう聴いていたなあと、切り出した。母は、きょとんとしていた。やむなく、スマホから曲をえらんで聴かせた。ああ、聞いたことがあるとの応答。広義のJazz、Popsである。残念ながらキティ・カレン抜きのハリー・ジェイムス版だったが。
なんとも古い話だが、こうして、しらじらと一日は終わって行った。
(校正2回目済み)