湘南オンラインフレネ日誌

フリースクール湘南オンラインフレネ学習的就労支援活動・災害ボランティアの実践を書き溜めていきます。

9/29 ○○君を失って/木下真氏の「優生思想批判の浅さ指摘」フォロー

2021-09-30 05:23:00 | 地震津波災害ボランティア
2021/09/29 記
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サポセンに○○君の情報がないか問い合わせた。

25日に肺炎で亡くなり、新型コロナの特殊事情もあって、家族葬とし、折を見てお別れ会を設けるという話だった。

さてどうしようかなと、彼と活動をともにしていた人と接触できないかと考え、荷分け所は濃厚接触者隔離期間かと思い立ち、茅ヶ崎駅で、無念だが引き返した。

東日本大震災時には、彼と相談して本を仮設に贈る活動やら、中古車を被災地活動団体に寄付したりした。茅ヶ崎では、特養ホームを訪ね、回想法に利用できそうな写真集を贈ったが、回想法ボランティアを組織できなかったため、なかなか活用できなかった。職員は忙しすぎたのだ。そんな記憶が通り抜けていた。
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母を迎えに戻り、メールに"絵"を入れる方法を教えてもらったと、喜んでいた。そんな母に、やたら"絵"を入れるのは、表現力が貧困、隠語で仲間ぶりしているから、私は好きではないと言ってしまった。話の腰を折られてつまらなそうな母。何苛立っているのかと、自己嫌悪している。またひとり、数少ない、話し合える相手を失ったという喪失感が、じわりと頭をもたげているのがわかっていた。
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FB巡回中、子ども学会の木下真氏が優生思想批判について、的確な記事を書いておられた。さっそくフォローさせてもらった。

木下真氏 FB 2021/09/29 より
「優生思想」とは
-----------ここから----------
優生思想の議論で、いつも気になることがある。それは、「社会の役に立つか立たないかで人間をランク付けする能力主義が優生思想だ」という前提で多くの議論が始まっていることだ。確かに、優生思想にはそういう発想も含まれるが、それが優生思想の本質ではない。左翼的な平等主義と結びつけてしまうと優生思想の本当の恐ろしさと愚かさが見えなくなってしまう。

 能力主義などと言うのは、障害の有無にかかわらず、人間が根本的にもっている本性みたいなものだ。現実の社会で学歴や業績がどれほど幅を利かせているか考えてみればいい。スポーツ番組やクイズ番組が、どれほど人気が高いか。能力の比べっこはみんな大好きなのだ。幼稚園児の後ろで保育士の先生が、「よし、あそこの木まで競争よ!」と声をかければ、わーっと子どもたちは張り切って駆け出していくのである。

すなわち、能力主義は人間が生まれつき備えている本能のようなものであって、障害者を社会から排除しようとか、抹殺しようという考え方に直結するものではないのだ。当たり前であるが、障害者自身だって、能力主義的な考え方はもっているのである。

 では、優生思想の本質は何なのだろうか。それは劣った遺伝的性質を民族から取り除くという衛生思想であり、福祉予算が社会発展の足を引っ張ることのないように抑制するという経済政策だ。そして障害者のいない社会を、明るく健全で、発展し続ける未来として描き出すのである。ナチスが実行した優生政策とは、まさにそれである。

 つまり、能力主義に根差した障害者差別が優生思想の核心なのではなく、障害者が私たちの社会を破壊したり、停滞させたりするという「逆淘汰の考え方」を、「疑似科学的な理屈」で体系化させたものが優生思想なのだ。そして、優生思想は、「みんなの幸せのため」「人類の幸せのため」という美しい枕詞をともなう。だから、20世紀初頭においてはリベラルな社会活動家の中にも、優生思想を支持する者たちがいたのである。

 優生思想の危うさや愚かさは、まだまだ十分に認識されていないと思う。優生思想はナチスだけが、そのダークサイドにはまったわけではなく、19世紀末から20世紀初頭にかけて、世界中の先進国がはまっていたのである。福祉の先進国である北欧諸国でさえ断種手術をやっていたほどだ。人間の心の闇などととらえるのではなく、科学や理性の明るさの先にあるディストピアと考えるべきだろう。

優生思想は前近代社会ではなく、医療や福祉の整備された近代国家であるほど、はびこりやすい考え方だ。黒いイメージだが、その本質はむしろ白いのである。「優」れた「生」を追求する思想なのだから。

-----------ここまで-----------
(校正1回目済み)
p.s.母の「めまい」風呂から出るときに発作。台風通過まで、厳戒態勢なり。





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