湘南オンラインフレネ日誌

フリースクール湘南オンラインフレネ学習的就労支援活動・災害ボランティアの実践を書き溜めていきます。

12/11 職リハ 就労支援者講習会に参加しました

2010-12-14 16:11:26 | 引きこもり
2010/12/11 記
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師走というのにまた出かけるのかという母の小言をラーメンで封じて、何とか昼前にJR相模原の塾に到着した。FAXの一件である。ずらり携帯に呼び出しメールが溜まっていては、言い分けのしようがない。朝、叔父が転倒で検査入院したとの連絡が入っていて、悪役になりきらねば午後からの発達障害指導者研修に参加のしようがないのだった。叔父の件は私が電話に出てよかったのだ。母が出ていたら騒ぎになっていた。

塾の呼び出しは、要は予定変更事件だった。ビルの屋内電力線が老朽化していて漏電騒ぎがあったらしい。その工事があるので一部授業が変更になった。その変更連絡を私の担当する子にしなかった。それが原因で、彼が工事担当者と小競り合いを起こしたのだった。予定外の不可解な出来事が起きて困ったら、私の方に電話連絡せよと言ってあった。前のパチンコ店の店員とは和解したらしい。今回、彼は言われたとおり私の携帯に電話した。ところが私は夜間傾聴専用の携帯を持たずに横浜のCB見学会に参加していたという間の悪さが影響した。工事担当者は荒っぽかったらしい。彼は爆発してしまった。

ちょっと事務所に立ち寄ってくれれば、事態は起こらなかっただろうにと思いつつ、工事担当者の胸座をつかんだというところで止まってくれたことに、反面ほっとしていた。彼が私が携帯に出なかったことを訴えたので、塾から呼び出しとなったことがわかった。翌日、私が到着した時間に彼がいなかったので、詳細はわからないが、その日、彼は連絡に出ない私が悪いと、事務員に言ってのけたという。笑ってはいけない。怒りが私に向けられたが、たしかに携帯が空振りだったのだ。

「工事屋さん、始末ついたのか」と問うと、担当者は、怒りさめやらない顔で「そっちは怪我もないし大丈夫」ということで、私は学会ベルというか、受付のベルをチーンと鳴らして、「ご愁傷様でした」と挨拶して謝罪(?)は強制的に終えてしまった。一応私は免責となったが、この事態は塾長の方に流れていく。しかし、仕事とはいえ、事前にもらっている活動費の中から往復の交通費はとるものの、無償労働である。とは言いつつ、「暴力は認められないが、まずはこれに懲りずに専用携帯に電話をしたまえ」と彼に車中でmailし、何はともあれ、横浜線経由で桜木町に向かった。

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到着は時間ぎりぎり。横浜市従会館は紅葉坂のそばと聞いていたが、神社が邪魔して道が無い。ぐるぐる回って高台の会館に着いたのだった。

会の名前は長い。
「神奈川職業リハビリテーション推進フォーラム平成22年度就労支援者講習会」である。

主催はさらに長い。
「神奈川労働局、独立行政法人高齢・障害者雇用促進機構 神奈川障害者職業センター、横浜市発達障害者支援センター」である。共催はうんざりなので書かない。

テーマは「事例で考える発達障害者の就労支援」である。

要するにケース・カンファレンスに講評者が付いたようなもので、2つの事例をめぐって、その事例に対する就労相談をどう組み立てていくかを考えていく。

7~8名ごとのグループセッション。お互いをよく知らないものどおしの場で流行のように使われているKJ法で論理の系統樹を組み立てていく。しかしKJ法でなければならない必然は無く、私は入れ籠方式の議論の方が好み。またmind map のような論理の枝作りや分布作りの方法もありだと思っている。KJ法は雑多な着想クラスタを更に任意に関連付けて論理を組み立て構造化していく。議論の偶発性も取り込みつつ可視化していく方法だが、先はどうなろうとお任せ的な側面もあって、発想の素子の束を後から組み立てる、論理系統化の見立ての部分が気になってしょうがない。偶発性を含んだクラスタは、見通しの刺激剤になるが、構成センスは任意。そこに事前準備された誘導すら入りうるから、この方法は好みになれないのだ。創造性は突然割れる卵のような登場の仕方をするときと、急な出会いから触発される場合がある。前者は経験蓄積が前段に入りうる。後者は偶然の割合が多いが、出会いに意味を見つけるのはその人のセンスだ。

と言っても仕方が無い。リバイバル流行のKJ法に乗ってケースカンファは進行した。

1例目は最近書籍も刊行されている高学歴の広汎性発達障害の男性の例。就職のために精神の手帳を取得。依存性が高く集団を乱すことは無いというタイプ。独居。

2例目は広汎性発達障害、精神3級手帳取得、気分障害(躁うつ病)があり昼夜逆転がある。IQはボーダーに近いがクリア。障害年金2級を受けている。両親と同居。

始めに注意すべき観点のコメントがあって、そこをめぐって自分ならどうするかということを片っ端に付箋に書いていく。それをグループのファシリテーターが集めて、主旨を聞きながら論議し、模造紙に貼り付けて、同傾向のものをまとめてクラスタを組んでいく。そのクラスタ間を関連付ける議論を踏まえて論理系統樹を組み立てていく。つまり系統表は、その事例の方に対する関わりの戦略合意となる。

私のグループ構成メンバーの所属は、大学就職課・多機能型事業所・就労支援センター・就労移行支援センター・公共職安・(神奈川労働局)の相談業務担当者で、就労支援についてアマチュアはわたしひとり。また市民活動畑も全体でわたしひとり。ビギナー研修というわけでもないが、60代白髪おじさんもひとりという具合だった。当然視点が違う。事例のプロフィールから想起するタイプのイメージは皆、経験的に持っている。しかし、後者は午前中、アスペの方に関わってきた関係で、イメージが重なってしまい少々困ってしまった。両者とも陰と陽、異なる自尊心を抱えている。なかなか仕事に結びつかないことは共通している。

私の生業は教育関連企業の講師だ。だから就労ということは、ふたつの立場で関連している。ひとつは教育カウンセリングの中で、進学か就職かという選択をめぐる相談、もうひとつは仕事をやめて再進学を計るため進学の目的をフォーカシングする相談、不登校・引きこもりに区切りをつけて進学に踏み切る際の進学のモチベーションを高める目的を持った相談というような、相談業務からの立場。もうひとつは、社会活動として滞留する引きこもり青年の脱皮の伴走者として、就労支援を行う立場だ。前者は進学が前提になることが多いために就労支援は間接的だ。

このいずれも、研修会では近い方が大学や専門学校の就職課の方だが、教育機関としては最終に位置して、職場に引き渡していく方たちなので、私とは違っていた。多数は公共職安関係者である。

話の中では、自分の障害受容が出来ていないとか、障害特性に合わせたマッチングという話題が出てきたが、「職場は出来合いのもの」「変えるのは就職希望者である」という大前提があって、「地域起業」とか「チーム就労」というような社会活動畑の発想は完璧に無いのだった。適材適所を目指して、配置の技能を磨くためのケースカンファなのだ。勿論、社会活動として企業就労や職業開発を行う場でも、プロフィールと、クライアントの希望を出来る限り細部に至るまで知ることは必要だ。

しかし私が当人の了解の上で時々行う、彼が以前通っていた高校・専門学校・同業者などの担任・担当者を訪ねることは、顰蹙をかったようだ。どこまでやるかということと、縦割り行政の相互不可侵のプロの壁である。この調査のときは、できるだけ本人を同席させるが、狙いはストレングス視点を持つ数少ない評価者だから、いわばツボを複数の眼で見つけ出していく基礎作業になる。軸を定める意味、または売り物を知るということだ。

私の提案は時間が限られた相談業務の実務枠に入らない。だからところどころ、肩透かしとなるが、それはわかって言っていることだった。

こうして、3時間半にわたる議論は、あっという間に過ぎていった。就労相談は予備校や塾の双方とも、私と専任の担当者各ひとり以外は、経験交流する相手もいない。だから、職場見学会やケースカンファは極力、利用して行きたいと考えている。地域起業モデルを思い付きから脱皮させるためにも実務者の眼を作っていかなくてはと思うのだ。

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研修を終えて、私は中華街に走りこんだ。重慶飯店の肉まんは、我が家の好物なので、土産で雷の避雷針にしたかった。甘かった。私の部屋のチラシ類はすべてゴミ袋に詰め込まれていた。化学雑巾と掃除機、バケツが私の部屋の真ん中においてあった。歯科から差し歯の領収書を忘れて行ったとの電話が入っていた。保健外診療なので、黙っていたことがばれていた。こういうときは「めまい」も「嘔吐」もおきないのだった。

年末に外食連れて行くことで妥協線が成立したが、30日は湘南あすなろ会で寿町企画。31日昼間も寿町で炊き出しの手伝いである。どうしたものかなあと悩みつつ、洗濯機を覘いていた。

夜間傾聴:橋本3君(仮名)
     相模大野3君(仮名)
     大森君(仮名・傾聴にあらず。お久しぶり。)


(校正2回目済み)

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