湘南オンラインフレネ日誌

フリースクール湘南オンラインフレネ学習的就労支援活動・災害ボランティアの実践を書き溜めていきます。

社会は閉じているという言葉に/皆の合流点をつくること

2008-03-26 06:03:44 | 引きこもり
土浦の連続殺傷事件の報道記事を読んでいる。ここに出てくる金川真大容疑者のプロフィールが、誘導を伴っていないか気にしながら読んでいる。その上でも、ここに描かれた青年の姿と、私の以前巡回してきた引きこもり青年達の複数の姿が、重なって見えてくるのに憂鬱な思いを抱いている。経済学者の橘木俊詔氏のいう「競争から締め出された」グループというパターン、社会の傍流に押しやられると、隣にいながらも、つながる、参加する機会が断たれてしまう苦しみがそれである。合流を試み交差して終わるそんな関係。

ある青年は「社会は閉じているのだ」と語った。ある大学在学中、家庭の事情から休学した。復学してもますます家庭が重荷になることが明白になり、ずるずると引きこもった。引きこもりの期間が長く、退学届けを出して転身。職業訓練を受け初めてまもなく、彼は激しい嘔吐に襲われ、精神科への通院生活へと追い込まれ、それでも短期アルバイトを探しては日を過ごしていた。小康を得て彼はハローワーク通いやボランティア探しをはじめ、学童保育の関係で私と知り合った。すでに30代後半に差しかかっていた。ハローワークの求人情報はいくつかあったが、面接はことごとく落ちた。休職期間が問われ、その求職期間中に親が倒れ、焦れば焦るほど、彼はその焦りを精神病と疑われ採用面談に落ちた。そのクッション役に私が入ったのだが、ある商社の面談の際、彼は切れてしまった。相手がはじめて問う言葉でも、彼には皆が言い募る言葉だった。「社会は閉じている」この言葉は、警察に接見に行った際、彼の言った言葉だった。

幸い先方の怪我も軽微で告訴には至らなかったが、彼は釈放の二日後に命を閉じてしまう。私と知り合って3ヶ月後のことだった。命を絶つ、この手前で差し伸べる手がいくつあっただろうか。それを考えると「社会は閉じているのだ」というとき、この認識の特徴を経過から切り離して精神病の類型に当てはめてしまう医療関係者の発想の無神経さ呆れる。この言い回しに何回出会っただろうか。住む世界が違う者が語る言葉を失ったり、参加を試みようとするが先方には受け入れる必要が無いという関係は、厳然としてある。(なんとも今の私に身につまされることではあるが)この場面の乗り切りが極端であれば、彼はパーソナリティ障害のレッテルが貼られる。それが何の解決になるだろうか。私が就労支援を志したとき、この「手」の必要を痛感していたのだった。しかし社会に、はまれば解決ということではない。彼をここまで追い込んだのも社会だからだ。私は歩いていただけだ、足を出すから踏んでしまったのだという論理は歪だろう。

土浦の容疑者が、実はそうした「社会の被害者である」という結論をだすつもりではない。社会を変えなければならないという結論も、それでは力にならない。こういう無念が命を蝕む前に、気づいているものがその思いがかき消されないような形を束ねていかなくてはならないと思うのだ。知恵が必要。生き抜いていく形、拠り所が必要なのだと思う。芽吹くための土が欲しい。それになれるような活動を作りたい。

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昨日は父が宗教団体の迎えに応じて車に乗った。帰りに薬が切れていると、主治医の医院の近くで車を降りたが、雨が降り出したのでバスで我が家の近くのバス停に戻ってきた。このとき雨が激しくなり、傘を差したが杖がからまり歩けないと、近くの企業の電話を借りて連絡してきた。家まで5分とかからない距離なのでタクシーという状態ではないだろうと出かけた。傘を差しかけて歩き始めたとき、父が腹痛を催した。すさまじい状態になった。結局事態を処理して、私の巡回の仕事は時間切れで流れてしまった。

薬が切れたためだと父は主張。ところが前から薬を飲んでいなかったため、家には残りの薬がたまっていた。それを見せたことで、父は面子を失ったということか激高し、黙りこくってしまった。冷戦のまま、一日が終わった。

身体の老いに、じれている。しかしほとんど歩かない。宗教団体の誘いの週3回、2時間ほど集会参加があることで、日々のテンションは保たれている。しかしその参加を支えるには、身支度から食事まで、やらねばならない危険な状態だし、加えて糖尿病の空腹感を満たす間食を見張っているならば、それだけで私たちの一日は終わってしまう。この状態はデイケアの安心できる時間を作らなくては、私達家族が、時間帯に切り刻まれてつぶれてしまう。

巡回は時間が遅くなったが、先方に無理を許してもらい、御宅にお邪魔した。修復された激戦の痕が見える部屋で、町田2君と話した。時間が遅かったので、短時間でお暇したが、今日は慣れていない方ならたまらない一日だろう。これは私の仕事。今夜の傾聴をパスして、PJの新年度企画を携帯にメモしながら重い身体をごろり横にしている。

(この記事は部分、部分、携帯で書いたものをあわせて書いています。)

今日は10時からTOTOドロノワ倶楽部の陶芸WS、午後から武蔵工大横浜キャンパスで情報デザイン関連のシンポ。夜は茅ヶ崎で子どもネットワークの諏訪利明氏の講演会。そのあとPJ企画の仕上げと、大森海岸君(仮名)の傾聴予約が入っている。午後からのNPOさぽーと茅ヶ崎の部門代表者会議は欠席。

夜間傾聴:******親
     橋本君(仮名・ゆとりがあるので日送り)


(校正2回目済み)
コメント
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