日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

物語を彩る西岩国駅

2023年05月27日 | エッセイサロン
2023年05月27日 中国新聞「広場」掲載


 岩国市のJR西岩国駅はわが家から歩いて15分と近い。その駅の待合室が、第55回中国短編文学賞の優秀賞に選ばれた「カミ待ち列車」の舞台になっている。
 少し物語に触れるのでご了承いただきたい。主人公が家庭内のいざこざから冢を飛び出し、その駅に寄って物語が進む。「アーチ形の入口」や「国の登録有形文化財に指定」などの言葉が文章にあり、見慣れた光景を思い出しながら読み進むことができた。主人公と家のない子猫の運命が交差しながら展開しているので、とても面白い。
 駅の待合室には、天井からアンティークで少し薄暗い照明灯が下がり、木製ベンチが並んでいる。紙面の挿絵からも想像できた。物語の少し重たい内容と、待合室の雰囲気がマッチしている。作者は市内の方でもあり、親近感を覚えた。
 終盤の物語は明るい方向に展開する。読み終えて駅前を通りかかった。何だか駅の赤い屋根がいつもより輝いて見えたのは、ひいき目だろうか。 

 (今日の575) 久々に日差しに輝赤い屋根
コメント
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